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ライス・ライフ〜女の子に食べられた僕は獣に目覚めました〜  作者: 空超未来一
第3部【ロストライフの入り口編】 - 第5章 赤の主人公は強くあり続ける
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思いがけないバカンス(2)


 サンタクロース仕様の海パンじじいが突如として現れた。

 サングラスの奥からちらりと眼光をのぞかせる。


「…………誰?」


 こっちの台詞だった。


「……お前こそ誰だよ」

「えぇ、わたす? わたすはポセイドンだよ。聞いたことあるでしょー?」

「……ないけど」

「うそん…………」


 なんでこの世の終わりみたいな顔するんだよ。

 七十代の見た目からは想像だにできない軽口のじじいは、


「あんさんマジ勉強したほうがいいよ。マジまんじ」


 殴り倒したくなるほどウザかった。

 ……これはウシオ以上かもしれない。


「ほんとありえないよねー。見た目がじじいだからってマジなめないで」

「……ギャル語のじいさんなんて見たことないから混乱してんだよ!」

「見かけで判断するなんてひどい人だねぇ。わたすの中身マジ若いから。まんじ」

「……~~~っ!!」


 想像の百倍ウザい。

 堪忍袋の緒をちょろちょろといじられている感じだ。

 しばきたい。


「ロブウウウウウアアアアアアアアっ!!」

「……っ」


 ポセイドンとかいうやつが濃すぎて忘れていた。

 こいつの肩越しから見えるロブスターの獣人が動き出す。


 シュボ……ッ!!


 何もない宙にジャブを二、三発繰り出した。

 威嚇しているのかと警戒したがイーグルの左目が空気の流れをとらえた。ロブスターが放ったジャブが空気の密度を圧縮し、目に見えない砲弾を作り出していたのだ。

 特殊な目がないと見切れない攻撃。

 それはすでにポセイドンの後頭部の直前まで達していた。


「……あぶな――――っ!!」


 叫んだところで何かが変わるはずもない。

 しかし、


「ああ、大丈夫だから」


 俺の言葉を聞き届ける前に変わらぬ軽口で答えた。

 ガッッ!! っと空気の弾が後頭部に直撃したかと思われたが、


 パシュン……ッ…………


「……割れた?」


 割れたのはじじいの頭ではなく空弾のほうだった。

 平然なままのじじいがロブスターのほうへと身体を翻す。


「悪いなぁ。わたすは大気を操ることもできるもんで空気の密度も楽々に変えられるんよ。マジで」



 ――――大胆不敵な笑みを浮かべ、こう告げる。



「大気を操るなんて意外だろ? 海の神・ポセイドンなのにな」

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