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ライス・ライフ〜女の子に食べられた僕は獣に目覚めました〜  作者: 空超未来一
第2部【白い王宮編】 - 第11章 裏口での決着
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未来を見据えるために(1)

 突如として吹き飛ばされてしまったリュウ。

 その正体はライオネルであった。


「……ライオネルッ! お前、なんのつもりだッ!!」


 叫ぶものの、なんとなく理由は分かっていた。

 親友とも呼べるイーグルが殺されかけたのだ。今は敵に回ったとしても親友に対する想いは変わらない。


「……お前、まさかイーグルの味方につくわけじゃないだろうな……?」


 ライオネルがなぜ『革命軍』と戦っているのか、深いところまでは知らない。ただ、『革命軍』よりも『仲間』を選択したのではないかと疑いをかける。

 それは杞憂に終わった。


「ち、違うぞリュウ!! お、俺はただ……ッ」


 ライオネルの言葉が尻すぼんでいく。

 最後に、こうポツリとこぼした。


「……『親友』との決着は、俺がつけなくちゃいけない」


 微かではあったが、確かに聞こえた。


「……ライオネル」


 相当の葛藤があったのだろう。最初は動くことすらもできなかったのに、今は違う。

 覚悟を決めた男の顔に変わっている。


「俺に任せてくれ」


 これなら……。


「……わかった」


 リュウは炎剣を霧散させ、炎竜鎧えんりゅうがいの術を解いた。

 二人に背をむけ堕天使のルンと戦っているユウに視線をやる。

 黄色の髪に同色のオーラを放っているユウは苦戦しているようだ。

 苦戦どころではない。圧倒的な力で振り回されている。


「……俺以外の協力が必要になるな」


 ユウとリュウだけでは敵わないと判断し辺りを見回した。

 こちらの味方になったのか分からないが、『革命軍』に反旗をひるがえしたシャバーニが煮えたぎる炎を纏ったフリーダと戦っている。

 となると、手が空いているのは、


「……ナツミ! それにビイ!」


 遠くに避難していたナツミと青髪メイドのビイに呼びかけた。ちなみに、赤髪メイドのアールは意識を失ったリコを抱えている。

 小走でやってきた二人。


「…………なによう?」

「……お前たちの力が欲しい。手伝ってくれるか?」

「もちろんだよ! この時を待ってたんだから!」


 ドンと胸を叩き、誇らしげな表情をナツミが浮かべる。ビイも鼻をふくらませて、むふーっと興奮しているようだ。


「…………ついにあたしのでばんがきたようね」

「それで、何をすればいいの?」

「……あぁ、ルンのやつを攻略する。策を立てるためにも、あいつの動きを止めてほしんだ」


『警官』×『探偵』のナツミは相手を拘束する能力に長けている。

 青髪のビイは『音』を操る能力を持っているらしい。直接見たことはないが、相手を錯乱させるのには有効だろう。


「……いいか。俺たちの最初の目的はルンの実態を知ることだ」

「うん」

「…………しょうちのすけ」

「……それから、最終的な目標だが」


 一箔置いてから告げる。


「……ルンを『獣人』から、もとの人間に戻す」

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