第一章 国民は飢えていた
「お腹すいた」
そう呟いた私は実に滑稽な格好をしている。
所々破れた白いワンピースにショートカットの髪には、
虫喰いの様に穴の空いたこれまた白いリボンのカチューシャ。
2~3年前は空腹なんて知らなかった私は国のリーダーである
国王様が亡くなってから初めて空腹感を知る。
前の国王様はレイト=ヴェヌジェイル
今の国王様はジュリアン=ヴェヌジェイル
そう、2人は家族…父と娘なのだ。
レイト様のときは良かったが、ジュリアン様は無茶苦茶だ。
「お腹が空いた?なら、私はどうなるのよ!?
もう3時なのにケーキも出てこない…
あんた達が小麦をせっせとつくんないと、
ケーキも無くなっちゃうじゃないの‼
もっと、もっと働きなさい‼」
…
嫌な言葉だ…
空腹に耐える私達には目も向けず、おやつを食べてる王女
嫌な構図だ。
メイリオ様へ
私、ジュリアン=ヴェヌジェイル
王女の座に着いて3年目。
国民は飢えています。
こっそりとネイトルという名を使い生活用品、食べ物等を届けているのですが
それでも足りないようです。
それに、つい国民の前では意地悪に話してしまうのです。
どうすれば良いのでしょうか?
教えて頂けないでしょうか…。
このままでは…もう…
いったいどうすれば…
私は王女
私は王女
私は王女
私は王女
私は王女
私は罪人