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リッチな俺と魔物の国  作者: よしむ
最終章 始まりと終わりが集う場所
37/40

勇者

 僕の最も古い記憶。

 それはあの少年との記憶。

 黒い髪、黒い瞳をした少年。

 彼の名前は知らない。


「やっぱり勇者は弱者が努力して、成長して生まれるのがいいよネ!」


 たしかそんなことを言っていた。

 彼の言葉を聞いて、僕ははじめて自我を得た。

 彼の言葉を聞いて、僕は言葉を学んだ。

 そして彼は僕にたくさんの試練を与えた。

 僕は一つ試練を超えるたびに賢くなり、強くなった。


 そして僕は気づいた。

 僕に与えられる試練に、多くの命が巻き添えになっていることに。


 なぜ今まで気づけなかったのか。

 そのことに気づいてから、僕は人々を、魔物たちを、動物たちを守るために必死に努力した。

 彼の目的がわからないまま、僕は強くなっていった。


 僕に自我を与えてくれた彼には感謝している。

 だが、多くの命を無為に摘み取るような行為は許されない。

 だから誰かが彼を止めなくてはいけない。

 その誰かはきっと僕だ。


 全ての試練を終え、僕にようやくその資格が手に入ったのか。

 彼のやろうとしていたことは理解できる。

 だが許されてはいけない。


 彼に感謝しているからこそ、止めるのは僕の役目なんだ。

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