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Infinite Abilities Online   作者: 星長晶人
幻想世界の異常編

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異変の原因

 淡い色彩の幻想世界を、のんびり歩いていた。


 オオハイエナの領地を奪ったので、悠々と出来る。


 シルヴァの故郷でもあるので、シルヴァも呼び出している。


「どうだ、シルヴァ。ここがお前の母親がいた世界だぞ」


 俺はゆっくりと歩きながら、隣を歩くシルヴァの頭を撫でて言う。


「……」


 シルヴァは何も言わず、ただ目を細めて虚空を見やるだけだった。もしかしたら、懐かしい感覚があるのかもしれない。


「ま、私達は幻想世界生まれだから懐かしいけど」


 俺の全テイムモンスターを連れているので、勿論三蛇もいる。


 リエラの下半身だけを蛇にした状態で歩いてーー這っていた。


「そうなのか?」


「はい。ここからは遠いですが、元村があります」


 ナーフィアが答える。……そういや、メデューサに滅ぼされたんだっけか。


「……じゃあ質問。どこに異変がある?」


 俺は単刀直入に聞いた。……一見、しかも異変が起こる前の幻想世界を知らない俺には、どんな異変が起こっているのかが全く見当もつかない。


「……そんなの簡単よ。フレイ、見せてあげて」


「ピイ」


 リエラに言われてフレイは頷くように鳴くと、背中を向けて俺に乗れ、と言ってきた。


 俺はフレイに促されるまま、背によじ登る。


「……じゃ、俺がいない間に襲われたら撃退していいからな」


 俺はそう言い残してから、フレイが飛び立つに任せた。


 フレイが飛翔すると、一定の方向を向いたまま漂った。


「……こいつが……!」


 俺は驚きよりも先に、憤りを感じて歯軋りした。


 フレイが見せてくれたそれ。


 天へと伸びる一本の、塔。


 不気味な漆黒をしたそれは、明らかに人工物だった。


 つまり、異変は、人間のせいだと……?


「……誰かが、モンスターの世界に、侵入してるってことか……!」


 俺は怒りを感じていた。言うならば、森林伐採で少なくなってきた森が動物達の楽園になっていると言うのに、そこに入り込んで動物の平穏を壊すのを見たような感じだろう。


 しかも、動物とは話せた試しがないが、モンスターだって自我を持っていることを知っているからこそ、怒りは増している。


「きゃあぁ!」


 ナーフィアの悲鳴が俺の耳に届いた。


「くっ! フレイ、下りるぞ!」


 そう簡単にあのメンバーで危機になることはないが、ここは幻想世界。何が起こるか分からない。


「っ!」


 俺は急降下するフレイと共に皆の所へ下り立つ。


「……何だよ。珍種がいっぱいいると思えば飼われたモンスターかよ。まあ丁度いい。有り金、モンスター、武器、防具。全部寄越せば見逃してやるぜ?」


 ニヤニヤと嫌な笑みを浮かべた、人間だった。


 しかも、三十人程の団体だ。


 ……格好からして、盗賊か? しかもこいつら、プレイヤーじゃねえな。


「……大丈夫か?」


 俺はとりあえず無視し、皆に尋ねる。


「あ?」


「……ええ、大丈夫よ。毒が塗ってあったみたいだけど。毒は効かないし」


 リエラは右肩に傷を負いながら、左手に矢を持っていた。……矢か。


「無視すんなや、こら。……はっ! 麻痺矢で動きを封じ、毒矢で仕留める。これが俺達のやり方だ。子供を痛め付けて泣かせればワラワラと寄ってきやがるからよ、そこを一斉掃射。簡単なもんよ」


 ……子供を使って誘き寄せる? そりゃあプレイヤーじゃない訳だ。プレイヤーなら知ってるだろうからな。子供を使って誘き寄せられた怒りの仲間達は全てを滅ぼすまで止まらないって。小学生でも知ってる。ジブリ作品観ろよ。


「……【ヒール】。【キュアーライト】。【パラライズ・キャンセル】。【オールヒール】」


 俺はリエラに【ヒール】をかけてから全体に毒回復と麻痺回復をかけ、全体に回復をかける。


「……チッ。これだからテイマーは。まあいい。てめえら、殺っちまえ。テイマー共々、狩るぞ!」


 さっきから喋っているヤツが言って、俺達を囲むようにいたヤツらが突っ込んでくる。


「……お前ら。こいつら、子供使って仲間誘き寄せるようなヤツらだし、別にいいぞ。ーー殺せ」


 俺は自分でも冷酷になっているのが分かる声音で、感情なく告げた。


「はっ! 誰がモンスターごときに殺されーー」


「……剣砲・バハムート」


 俺は嘲り笑うそいつに、鋼色をした剣先に砲口の着いた大振りで刃の広い剣を出現させ、向けて砲口に光を集束させ、鋼色の弾を放って右腕を軽く吹き飛ばした。


「がっ!」


 周囲にいた三十人も、水や炎、氷、影、銀などで貫かれたりして倒していく。


 あっと言う間に、リーダー格らしいそいつだけを残して全滅した。


 まあ、そう驚くことでもない。NPCの盗賊ってのはかなり弱い敵なので、こいつらなら手こずることはない。


「……お前を生かしてるのは、尋問するからだ」


 俺は冷たい目をして剣砲・バハムートの切っ先を喉元に突き付ける。


「っ……! くそっ……!」


 そいつは諦めたようで、座り込んだ。


 俺は冷たい視線を向けたまま、尋問ーーあるいは拷問を開始した。

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