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Infinite Abilities Online   作者: 星長晶人
流れる冷水編

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戦闘、開始……しない

「グガアアアァァァ!」


 ダークドラゴンの咆哮を合図に、戦闘が始まる。


 漆黒のドラゴンで、瞳だけが紅い。なかなかカッコいい感じだ。確かに仲間にしたくなる。


「『ウエポンチェンジ』」


 俺は手に聖竜剣・ホーリードラゴンを呼び出す。


「【サモンデビルジャガー】、【サモンバハムート】、【サモンサンダーバード】、【サモンバイコーン】、【サモンケルベロス】、【サモンスレイプニル】、【サモングリフォン】」


 ナーシャが、言ってた七体のレア種を召喚する。


 サンダーバードは雷のような色をしている大きな鳥。放電していて、神々しく輝いている。


 バイコーンはユニコーンの仲間みたいな感じで、頭に二本の角がある黒い馬だ。ちなみに、ユニコーンは処女など純潔を好むが、バイコーンはビッチなど不純を好む。……ユニコーンとは仲悪いな。


 ケルベロスはご存知の通り、三ッ頭の大きな黒い犬だ。地獄の番犬とも呼ばれ、唾液には猛毒があり、噛まれると猛毒の状態異常にかかる。


 スレイプニルは空をも駆ける六本足の漆黒のケンタウロスのような感じだ。全身を漆黒の鎧で覆っていて、片手ずつに漆黒のランスを持っている。一般には八本足の馬だが、ここでは違うらしい。


 グリフォンは金色の鷲の翼と上半身、白いライオンの下半身を持つ、有名な幻獣だ。乗りこなすことが出来れば、グリフォンライダーという職業が得られるらしい。


「……凄い顔ぶれだな」


 ケルベロスとアイスバハムート以外はスピード系のモンスターだな。


「そうでしょ? 頑張って集めたんだから」


 ナーシャは誇らしげに胸を張る。


「こいつら倒したのか?」


「そうね。ケルベロスはイベントクエスト報酬だけど」


 俺もサモンモンスター集めよっかな。テイムモンスターは少ないし。


「私も皆を呼ばないと。出てきて、皆!」


「皆?」


 エフィが呼び出したのは十体。


「うん。私はモンスターBOXを十体ずつで分けてるから。よく一緒に戦う子を持ってきてるの」


 なるほど。モンスターBOXはエフィのように分けて使う場合が多い。俺はそんなにモンスターがいないが、攻撃、守備、補助などで分ける人もいるらしい。


 エフィの出した十体も、レア種が多い。


 ゴーレムのレム。ゴーレムは特にレアってわけではでもないが、テイマーやサモナーが早い段階でゲットに向かう壁人気モンスターだ。


 アイアン・ゴーレムのイアン。アイアン・ゴーレムは属性の鉄以外はあまりレアじゃない。微レア。ゴーレムの上位種に当たる。


 ミニギガンテスのミニ。こいつはかなりのレア。ギガンテスの突然変異で、巨人型モンスターとしては上に位置するかと思われる。


 ヨトゥン。ヨトゥンは別名霜の巨人と呼ばれ、巨人型モンスターでも最上位と言ってもいい程に強い部類に入る。簡単に言えば、でかい毛むくじゃらのおっさんだが、白髪で、氷属性を使える。


 ヘカトンケイル。ヘカトンケイルは神話では五十頭百手の巨人だが、さすがに奇妙なのか、普通の巨人とそう変わらない。超人的な強さを持つ、巨人型モンスターだ。厳ついゴリマッチョな感じ。肌を日焼けしたような黒。


 ミノタウロス。ミノタウロスは牛頭の人型の有名なモンスター。ファンタジー世界にはかなりの確率で出てくるだろう。ここではちょいレア。軽い鎧に身を包み、右手に巨大な斧を持っている。身長は三メートル程。


 ダイオウクラーケン。ダイオウクラーケンは俺が二番目に倒したイカルゴクラーケンの上位種で、クラーケンの中でもかなり強い部類に入る。幻想世界ではリヴァイアサンに次ぐ実力で、リヴァアとも張り合えるかと思われる。


 ヒッポカンポス。ヒッポカンポスの上半身が馬、下半身が魚の幻獣だ。それなりにレアだが、水系の馬は三種しかいない。海王類ではない。


 レッドバハムートのバーハ。赤い属性を使えるバハムートの突然変異。あまり育ててないらしく、そこまで成長してない。まだ可愛い部類だ。


 アスラベヒーモスのベヒー。幻想世界最強のベヒーモス。漆黒の体躯に蒼い瞳。漆黒の角は真っ直ぐで、尻尾は長く細い。ふさふさの鬣が生えていて、風格がある。全長は二十メートル程。


「……マジでパワータイプばっかだ。しかも巨人が多い」


 しかも伝説的ヤツばっかり。俺、抜かされるんじゃね?


「うん。ゲーム始めたばっかりの頃は満遍なく集めるつもりだったけど、ナーシャちゃんと知り合って、二人でスピードとパワー、ディフェンスを分けることにしたの」


「へぇ。まあ、巨人はスピードあるヤツなら大丈夫だしな」


 巨人は動きが少し遅い。


「……う~ん。エフィと全面戦争したら厳しいな」


 巨人はアルティに任せるとして、他のモンスターが邪魔しに来る。それを他のヤツらで押さえなきゃならなくなる。


「あ、あんまり私はリューヤさんと戦いたくないかな」


「俺も戦いたくない。まあ、やったらの話だ」


「仲間と戦うことを考えてないで、目の前の敵に集中して欲しいんだけど?」


 ……確かに。


「……これ、俺いらなくね?」


 レアモンスター軍団みたいなヤツらだし。


「じゃあ闇竜剣・ダークドラゴンはあげないわよ」


「……厳しいな」


 やるしかないか。


「回復はどうするんだ?」


「うん。二人共モンスターの回復しなきゃいけないから持ってるよ。補助はリューヤさんには出来ないけど」


「それならいい。あと、人前では滅多に見せないスキル使うけど、ビックリするなよ」


 俺はそう宣告する。


「『ドラゴンフォース』」


 俺が呟いた瞬間、全身から白いオーラが出て、眼が白になり、髪が逆立つ。そして、純白の竜の翼が生え、純白の竜の尾が生える。聖竜剣・ホーリードラゴンを持つ左手には白い竜の頭のようなモノが付いていた。


「それってドラゴニアの奥義じゃないの?」


 エフィが驚愕して言う。ナーシャも同じことを聞きたそうだ。


「まあな。『竜王の秘術』っていうクエストで、ドラゴニアのじいさんが教えてくれたんだ。ドラゴンスレイヤーの職業を持ってることと、聖竜剣・ホーリードラゴンを持ってることが関係したらしく、竜王が伝えた、ヒューマンが『ドラゴンフォース』を会得する方法に引っ掛かったんだな」


 たまたま見つけたクエストだったが。


「これで『滅竜魔法』と『滅竜剣』使うと威力が上がるんだと」


 ドラゴンっぽい姿なのに。


「……じゃあ、始めましょうか」


「ああ、行くぜ」


 しばらく無視してたダークドラゴンを見据えて言った。

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