番外編:蜜の甘い香りは罠の香り
遅くなりました!
新年度が始まって、リアルが忙しかったので!
次の話はなるべく早く更新したいと思います。
「エアリア。アリアと付き合ってねえんだよな?」
『ああ。あのアマ、結局自分から離れやがった』
現在エアリアと通信中だ。もちろん、周囲に聞こえるようにしてあって、アリアも聞いている。
「……付き合いたいなら謝って付き合えばいいだろ?」
『……今までの態度からして、無理だ』
「……エアリアが寄り戻さねえなら、こっちにも考えがある」
『……何?』
エアリアの声がドスの効いたものに変わる。
「そう尖るなよ。第一、付き合ってもないヤツにどうこう言われる筋合いはないな」
『……まだ何も言ってねえよ』
「まあ、素直になれなかった自分を恨めよ。……というわけで、アリア口説きにいくから」
『……はあ!? 何言ってんだよ!? お前は俺の悩み聞いて相談される側だろ!? 殺すぞ!?』
……パニクっておかしくなってんじゃねえかよ。
「……俺が誰に言い寄ろうがエアリアには関係ないだろ?」
自分でも驚く程無感情な声を出した。
『……俺に勝てると思うなよ?』
「いや、アリアのことを忘れて、今は呆れられてるヤツに言われたくないな」
我ながらいい挑発だな。
「じゃ、俺はアリアと花見デートでもしてるから」
『ちょい待てやこら!』
……通信終了っと。
「これでオッケーだな」
「すみません。巻き込んでしまって。……でも、これで良かったんですか?」
「ああ。エアリアのことだ。どうせ、影から俺らのことを監視してくるだろうから」
そこでエアリアを誘き出して、よりを取り戻させればいい。
「……自信がないです」
「自信なくても、やればわかるさ」
俺はニヤッと笑って、アリアを連れて歩き出した。
▼△▼△▼△▼△
「……くっ!」
俺は物陰に隠れて、二人の様子を伺う。
……リューヤもアリアもあんなに楽しそうにしやがって!
「……許さん!」
全身から憎悪の炎が吹き出ているようだ。……リューヤには俺がアリアのことを気になっているとは言ってある。それを知っててアリアとデートするとは、俺への当て付けとしか思えんな。
「……酔ってたとはいえ、言い過ぎたか」
アリアへの八つ当たりやなんかもそうだ。リューヤにはあんなに彼女候補がいるから、と油断していた。
「……アリアは美人だからな。モテていても不思議ではない、のだが」
あのリューヤが好意を持つとは思えん。万年朴念仁のようなあいつだぞ? この前、アリシャの鍛冶屋に行ったら愚痴を聞かされた。……あんなに喋るアリシャは初めて見たな。長々と三十分は喋っていたぞ。
……アリアとアリシャぐらいしかまともに話せる女性がいないが、二人の言っていた、不定期に開かれる女子会では、攻略や社交辞令が終われば恋話という名の愚痴大会が開催されるらしい。
そこで多く話題にされるのは、リューヤの意中の人、だ。リューヤはいい意味でも悪い意味でも目立つからな。しかも、あの顔ときた。それはかなり人気だろう。トッププレイヤーの多くは、女子会の投票によって男性プレイヤーランキングの上位に入るのだが。……俺はアリアが堂々と何か宣言したらしく、人気は下降中らしい。ちょっと悲しい。他にはジュンヤとシンヤが高い。シンヤは彼女がいるので高い、という程でもないか。
まあ、リューヤは女性プレイヤーからの人気が高いから、競争率は高く、アリシャの愚痴、ストレスが溜まるのも無理はない。
男子会は一部で開催されているらしい。……女性プレイヤーは多くはないのでそこまで頻繁に開催されるわけではない。それに、上位はほぼ固まっている。
「……いざとなれば、間に入るしかあるまい」
俺は一人、決意を固めるのだった。
▼△▼△▼△▼△
「なあ。エアリアって、何でエアリアなんだ?」
俺は遠目からはカップルに見えるように、他愛もない話を続けていた。
「エアリア様ですか? エアリア様が自衛隊の教官だった時に付けられたんですけど」
教官だったのか。
「その由来はなんなんだ?」
「……“エア・リア充”。ちょっと略してエアリアです」
……どういう意味だ?
「性格はあんなのですけど、顔はいいんですよね? それに、普段は厳しく、時には優しいエアリア教官に、教え子だった人達は全員好意を持っていたんですよ」
……まあ、エアリアは女が苦手じゃなけりゃ、リア充だろうな。
「あっ。エアリア教官の教え子は全部で十七人。そのほとんどが男性ですよ?」
「……」
……それはそれは。確か、エアリアも女性は二人だけって言ってたな。
「……エアリア様って女性が苦手ですから、よくそういう趣味なんだと誤解されやすいんですよ」
まあ、確かにな。
「もう一つ由来はあるんですが、こっちは普通です。……エアリアって英語で何て言うと思います?」
エアリア? そんな単語、俺は知らないな。……覚えてないだけかもしれないが。
「areaです。片仮名にすると、エアリアが一番近いんです。日本語じゃエリアって言いますけど」
……テストでも出てたっけな。発音問題で。
「エリアを自由に行き来し、エリアを上手く使うことに長けた人だったんです」
なるほど。だからエアリアか。……こっちは普通だな。
「へぇ。エアリアってモテるんだな。……俺の見立て通りだ」
「……はい。競争率が意外と高いんです。IAO内でも結構人気があるんですよ?」
アリアは少し落ち込んだように言う。
「……あれか? 寡黙で一匹狼のあの感じがいいとか?」
「……そうです」
「エアリアってモテるんだな~。羨ましい限りだぜ」
俺は冗談半分に笑って言う。
「……はぁ。アリシャちゃんの苦労がわかった気がします」
「……ん?」
アリシャの苦労?
「……何でもないです」
はぁ、とまたため息をついてアリアが言った。
「……?」
よくわからんな。
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