番外編:バレンタインの罪な男
バレンタインの番外編です。
日間ランキングで二位!
自分が一番ビックリしています。
読んでくれる人が多くなり、嬉しい限りですが、その分細かな指摘が多くなり、ちょっと落ち込みました。
所々に穴が空いた情けない作品ですが、よろしくお願いしますm(__)m
2月14日。
それは男子にとっても女子にとっても、意味のある日かもしれない。
バレンタインデー。
それが2月14日の別名だ。
女性が、好きな男性、世話になっている男性にチョコをあげる日。
……しかし、悲しいことに、好きな男性にあげる本命チョコ、世話になっている男性にあげる義理チョコ。どちらも貰えない男性だっている。
その人達には、2月14日とは、空しく、悲しい日になるだろう。
▼△▼△▼△▼△▼△
「ふあぁ」
俺は、朝までフィールドに出ていて、欠伸をしながら宿に帰ってきた。
「リューヤ、はいよ」
女将さんに、包装された箱を渡された。
「……何だ、これ?」
眠いのと、突然のことで頭が回らなかった。
「今日は何日だい?」
ん?
「2月14日だろ?」
「そうだよ。で、2月14日は何の日だと思う?」
……2月14日か。
「あっ。バレンタインか」
やっと思い至った。
「そうだよ。いつも世話になってるからね。義理チョコさ」
おぉ、ありがたい。女将さん料理上手いし、きっと美味いんだろうな。
「サンキュー。ホワイトデーにはちゃんとお礼するから」
クッキーか何か作って。
「楽しみにしてるよ。……まあ、これは私個人の話さ。これからは、ちょっと宿に関することなんだけど」
ん?
「まあ、とりあえず自分の部屋に行けばわかるよ」
???
まあ、女将さんがわかるっつうんなら、行ってみるか。
ということで、俺は部屋まで行って、ドアを開ける。
ドサドサドサッ。
「何だ、これ?」
呆然としてしまった。
包装された箱が、大量に積まれていた。……部屋が箱だらけだ。
……バレンタインデーだから、俺がいない間にチョコを届けに来てくれたんだろう。
「しかも、メッセージ付で」
中には、応援してます! や、頑張ってください! などと書かれたモノもある。手紙付のもあるな。
「知らない人ばっかりだな」
攻略組の俺に頑張って欲しいってことか。結構有名になっちゃったからな。
「……これ全部をホワイトデーにお返しするってのは厳しいな」
多すぎて、一人一人回ってたらきりがない。
「ま、ちゃんと返すけどな」
せっかくくれたんだし。
「……義理チョコでも嬉しいもんは嬉しいよな」
俺だって、チョコを貰えるか、期待はするし。……まあ、バレンタインデーを忘れてる方が多い気がするが。
「キュウッ!」
ぺちっ。
何故かアルティが怒っていた。
「どうかしたのか?」
「キュウッ!」
ててて、と俺の肩から下りてどこかにいってしまう。
……どうしたんだ、アルティ?
「アルティ宛のがないから怒ったとか?」
それはないか。赤ちゃんからモテようなんて、そんな考えを持つヤツはいないだろ。
「リューヤ」
「ん?」
女将さんに呼ばれた。
「アルティ、今日は預かるよ」
「何で?」
「それが、アルティの今日のお願いだからさ。……まあ、悪いようにはしないよ」
まあ、女将さんが言うならいいけど。
「……わかった。アルティ、ちゃんといい子にしてろよ」
「……」
アルティはそっぽを向いて無視した。……反抗期か。
「……じゃ、いってくる」
俺は仕方なく、アルティを置いて外に出た。
▼△▼△▼△▼△
「……」
重い。こんなことを言ったら怒られそうだが、重い。
外を歩いていたら、数人の女子にチョコを渡されてしまった。……部屋にあったチョコから考えて、そんなに人数がいる気がしないんだが、まあ、貰えたのは嬉しい。
よって、チョコの山が胸らへんまである。
「あっ。リューヤさん!」
エフィとナーシャがいた。
「よっ。こんな格好で悪いな」
何故か、NPCからも貰った。
「……ホント、女子の前でモテモテを披露してるようなものよ」
ナーシャが呆れて言う。
「別に、義理チョコなんだから、気にすることもないだろ?」
「貰えるだけマシよ。その辺のプレイヤーから睨まれてるし」
おぉ、ホントだ。……ちょっと、高一ん時のバレンタインを思い出す。
「はい、これ。私からのチョコレート」
エフィから、可愛らしく包装されたチョコを渡される。
「ありがとな」
「……これは私から。ありがたい義理チョコよ」
「そりゃどうも」
って、あれ?
「部屋にもなかったか?」
二人からの。
「うん。二人で作ったのと、リューヤさんがいない間に置いといたのとあるよ」
「悪いな。そんなに貰って」
一人が何個かくれるのもありそうだな。
「お兄ちゃん!」
ん?
「リィナか。それに、『戦乙女』の」
初日に会ったメンバーだ。
「うん。お兄ちゃん、バレンタインチョコあげる」
リィナが言って、メンバーもそれぞれがくれる。
「ん?」
リィナは、片手で何かを後ろに隠していた。
「あっ。……皆でお兄ちゃんにチョコあげよってことになって、作ったのをあげたんだけど……」
リィナがうつむいて顔を赤くし、恥ずかしそうにする。
「こ、これ!」
リィナが後ろに隠していたモノを差し出してくる。包装された、可愛らしい大きな箱だ。
この大きさ、厚さからして、普通のチョコレートじゃないな。
「チョ、チョコレートケーキなんだけど、お兄ちゃんに、私個人からの……」
皆の前で恥ずかしいからか、顔を真っ赤にして、上目遣いに言った。
「ありがと、リィナ」
笑って受け取ってあげる。リィナは毎年、俺にチョコくれるからな。せっかくだから、誰か他のヤツにあげればいいって言ってるのに。
「……うん」
リィナは、嬉しそうに微笑んだ。
「リュ、リューヤ……」
「「「っ!?」」」
死にそうな程に掠れた声が聞こえて、全員がビクッとなる。
そこにいたのは――――。
すいません。やけに引っ張りました。
バレンタインの番外編ですので、今日か、明日には続きを更新します。




