エアリアとツーマンセル
職業。
職業にはレベルがあり、MAXに達すると他の職業に転職出来る。なお、職業には階級がある。
階級とMAXレベルは以下の通り。
初期職 MAX20
下位職 MAX30
中位職 MAX40
上位職 MAX50
最上位職 MAX60
特殊職 MAX70
魔法。
魔法にも階級がある。
階級は以下の通り。
初級魔法
下級魔法
中級魔法
上級魔法
最上級魔法
古代魔法
大規模殲滅魔法
古代魔法と大規模殲滅魔法は同等。魔装、魔砲は別に分類される。補助魔法、回復魔法に大規模殲滅魔法はないが、古代魔法まではある。
――以上、補足説明でした。
▼△▼△▼△▼△▼△
「おっ?」
総合掲示板の前から、ゲートの近くに行くと、エアリアさんが立っていた。
「エアリアさんじゃん。始まりの街に用事でもあるのか?」
相変わらずの忍服だ。まあ、俺も同じようなもんだが。
「リューヤか。丁度いい。お前を探していた」
俺を?
「何か用か?」
「ああ。あるクエストに参加したいんだが、二人以上限定でな。俺と同等か俺以上のソロとなれば、リューヤしかいまい」
まあ、俺以外にもいるけどな。
「アリシャとかソロで調査隊に参加してたヤツがいるだろ?」
何で俺なんだ?
「……女性は苦手だ」
……ほほう。
「じゃあ、『戦乙女』と行け」
「……」
エアリアさんが睨んでくる。……エアリアさんの目付きだとかなり怖い。
「はいはい。女性が苦手ってのは後々治すのに協力してやるけど。……んで? トップのソロ集めて何のクエストやるつもりだよ?」
どんな難易度なんだ。
「……詳しい話は後だ。とにかく、来てくれ」
ったく、何なんだよ。
「転移、アーメリア王国」
北の洞窟、グラインド港にある野獣の草原のエリアボスを倒して手に入った鍵二つで開いた場所だ。
「転移、アーメリア王国」
仕方なく、俺もアーメリア王国へと転移した。
「こっちだ」
俺の転移を確認すると、さっさと進んでいく。……せっかちめ。
「集会所?」
確か、クエストを受ける場所だよな。
「ここの――」
そう言って中に入り、続ける。
「あった。このクエストを受けたい」
クエストボードに張り出されてる、一枚の紙を指差す。
「ん? 『地震の原因を探れ』、か。参加可能人数二人以上。構成職業、銃系職、シーフ系職を必ず」
……ふむ。参加可能人数が一人以上じゃないのも珍しいが、構成職業が限定されてるのも珍しいな。確かに、何かありそうだ。
「俺の忍者はシーフ系職だ。銃系職は極めているか?」
「いや。だが、丁度いい。銃使いになろうと思ってたところだ」
釣り師はあの海賊との戦闘でMAXになってたし。
「……大丈夫か?」
「ああ、もちろんだ。――銃使いに転職」
すぐに転職する。T・Gを装備して、片手剣も一応装備しておく。
「オッケ。んじゃ、さっさと行こうぜ、エアリア」
「ああ」
こうして、怪しいクエストにエアリアと二人で向かった。
▼△▼△▼△
「クエストの場所はカザニア火山だったな」
暑そうだ。
「ああ。活火山が多いらしい。カザニア火山の情報は少ない。が、炎系モンスターが多いと考えていいだろう」
まあ、火山だしな。
「とりあえず、その辺のモンスターで肩慣らししようぜ」
「構わない」
『索敵』でモンスターを発見する。
「バァン」
ふざけて、T・Gをフレイムバードにぶっ放つ。
三つの弾丸が貫いて、倒した。……フレイの仲間を倒すのは気が引けるな。
「リューヤはここに来たことがあるのか?」
「まあな。フレイはここでテイムした。まあ、それからは来てないが」
「そうか」
北の洞窟に行って、クリスタを仲間にする前だ。
「この速度なら、じきに着くだろう」
ホントだな、もう山の麓まで来た。
「ここか」
「……ああ。だが、この山、少しおかしくないか?」
エアリアが自信なさそうに言う。
「まさか、な。――『索敵』」
重要なので、声に出して使う。
「どうかしたのか?」
エアリアが不思議そうに聞いてくる。
「やっぱ、エアリアの勘はアタリだ」
俺は冷や汗を浮かべて言う。
「?」
「このクエストはイベントクエストに導くためのクエスト。そして、この山がイベントクエストの相手だ」
「っ!?」
「おそらく、俺の知ってる中で火山のモンスターなんか一体しかいねえ」
あいつに決まってる。
「――ボルケーノタートル」
「世界四大亀か!」
エアリアが驚いて声を上げた次の瞬間、ウインドウが出現した。
――――イベントクエスト、『ボルケーノタートルを倒せ』が発生しました。対戦人数、二名。
やっぱりか!
ゴゴゴゴゴゴゴゴ。
地面が大きく揺れて、ボルケーノタートルが目覚める。
「オオオオオォォォ!」
甲羅は活火山その物。全身が岩に覆われているように見え、大きさはクリスタと同じくらい。
「くっ! どうやって倒せば……!」
「落ち着いて考えろよ、エアリア。大丈夫だ。いける」
「……ああ」
エアリアは落ち着きを取り戻した。
「リヴァア! クリスタ! フレイ!」
モンスターBOXから三体の仲間を出す。
「コオオオオォォォォ!」
「オオオオオォォォ!」
クリスタとボルケーノタートルは互いに威嚇し合う。
「クリスタ! お前の強さを見せてやれ!」
思いっきり戦っていいぞ。……状況的にはクリスタが不利だが。
「リヴァアはクリスタの援護! フレイは相手の隙を作ってくれ!」
それぞれに指示を出す。
「キュウッ!」
アルティが元気よく俺の方を見る。
「今日は見学な」
「キュッ!?」
ガクーン。アルティが落ち込んでしまった。
「いや、戦えるな」
あれがあった。
「キュッ?」
きょとんとしている。
「エアリア。俺はこれから前線に出るが、エアリアはどうする?」
「もちろん、出る」
「ははっ。やっぱ、頼りになるな」
笑って言う。
「……俺は先に行くぞ」
シャッ。高速でボルケーノタートルに駆けていった。……さすが忍者。
「アルティも戦おう。【グロウアップ】」
アルティを大人にするアビリティを発動する。
「キュウ――――!」
アルティは地面に下りて光輝き出す。
「グルルルル」
巨大な漆黒の狼がいた。頭の高さがクリスタと同じだ。狼としてはかなりでかい。南の森のファウンドウルフとは比べ物にならない。
「ウォン」
アルティは俺を見て伏せる。
「乗れってか」
アルティの意図を読んで、大きくなった背中に飛び乗る。
「大人になったら誰にも負けねえよ。戦いたいだけ戦ってこい!」
アルティの毛にしがみついて言う。
「ウオオオオオォォォォォォン」
遠吠えをしてから、走り出す。
「おわっ!?」
神速と言われる意味がわかった。しがみついてないと振り落とされる。
「リヴァア! 【ウォーターキャノン】」
リヴァアがボルケーノタートルの右から水の巨大な玉を放つ。
「クリスタ!」
クリスタのHPがかなり減っていた。やっぱり、火山だとボルケーノタートルの方が有利か。
「無理すんな! 俺達がいる!」
「コオオオオォォォォ!」
クリスタは【アイスタワー】でボルケーノタートルを貫く。
「オオオオオォォォ!」
しかし、ボルケーノタートルは炎の蛇を出現させて、溶かした。
「【三連弾】」
トリガーを引く。三発同時に放つT・Gを、さらに三回撃つアビリティだ。
「【忍法・激水流】」
エアリアが印を結んで、水流を放つ。
「オオオオオォォォ!!」
怒ったように吠える。




