決着
前話であまり進まなかったので、二話更新します。
子供のリヴァアの姿は、大きさで言えば普通のジンベイザメの二倍位の長さだった。腹が青で、それ以外が紺の色だ。陸ではズルズルと動く。
大人になったリヴァアは、子供の頃とは比べ物にならないくらい大きい。さすがに一キロはないだろうが、かなりの長さだ。腹が青、それ以外が紺だが、黒い筋が全体に入っていた。。ヒレが若干増え、目付きも厳つい。身体の周りに水のリングが二つあった。そして何より、宙に浮いていた。
「……いや、何で浮いてんの！？」
俺は思わずツッコんだ。
ーーーーリヴァイアサンが大人になりました。ステータスに変化があります。
ウインドウが出現した。
俺はクリスタとリヴァア相手に邪悪竜が押されてる間にそれを確認する。
リヴァイアサン：世界最長の竜。海で同格は島亀、イカルゴクラーケン、バーサージョーズ、アルフィクラゲ、海王龍以外にいない。その真の姿は、見る者を圧倒する。
名前：リヴァア
スキル
『海の王者』：海に存在する生態系のトップに君臨する。海の生物相手だと全ステータス特大上昇。
『陸に侵食した王者』：海に存在する王者でありながら、陸に上がった王者。陸の同格以外のモンスターの全ステータス大down。
『水の王者』：水系モンスターのトップに君臨する。水系モンスター相手だと全ステータス特大上昇。
『海王類』：イカルゴクラーケンなどに並ぶ海のトップ。海に近い程全ステータス上昇。海にいると全ステータス特大上昇。
『海古竜』：リヴァイアサンの別名。古からいる海の王者。全ステータス特大上昇。
『リヴァイアサン』：大人になり真の姿になった。もはや、その辺のモンスターとは比べ物にならない。水系攻撃特大上昇。
『古代の生物』：古代から存在する生物。過酷な時代を生き抜いた力がある。全ステータス特大上昇。
『生態系のトップ』：食うことはあっても食われることはない。というか、食えるヤツがいたら見てみたい。自身で倒したモンスターを食べる。
『捕食』：食べたモンスターの水系スキル、アビリティを自分のモノにする。食べたモンスターのステータスの1％を自分のステータスに加える。
『神獣』：神の域に達したモンスター。伝説上の生物であり、同格以外に張り合える生物はいない。神獣以外のモンスター相手だと全ステータス特大上昇。
『浮遊要塞』：陸上で常に浮く。落とされることはない。まさに浮遊要塞。空を飛ぶ訳ではないので注意。
アビリティ
【王者の咆哮】：相手モンスターを竦み上がらせる。レベル関係なしに同格以外のモンスターを竦み上がらせる。水系モンスターは気絶する。
【王者の力】：相手に圧倒的力の差を見せつける。全ステータス特大上昇。
【王者の威厳】：相手モンスターを睨みつけただけでびびらせる。レベル関係なしに同格以外のモンスターをびびらせる。相手モンスターの全ステータス特大down。
【王者の風格】：相手はその姿を見ただけで怯む。レベル関係なしに同格以外のモンスターを怯ませる。
【王者のプライド】：格下の生物に傷を負わされると攻撃特大上昇。
【古代の底力】：ＨＰがレッドゾーンに入ると、全ステータスが二倍になる。
【ビックウェーブ】：大津波を起こす。敵を飲み込むが、味方は喰らわない。
【ウォーターウェーブ】：津波を起こして敵を攻撃する。
【アクアヴェール】：自身を水で包み、あらゆる攻撃を遮断する。
【ウォーターヴェール】：自身を水で薄く包み、受けるダメージを軽減する。
【アクアキャノン】：口から巨大な水の玉を高速で放つ。
【ウォーターカノン】：口から水のブレスを放つ。
【ウォーターガン】：自分の頭上から、いくつもの水の弾を放つ。
【アクアミサイル】：ミサイル型の水を放つ。
【ウォーターフォール】：水飛沫を上げ、敵に叩きつける。
【ウォーターウィップ】：水の鞭を使う。
【ウォーターボール】：水の玉を放つ。
【ウォーターウォール】：水の壁を出現させる。
【ウォーターブレス】：水のブレスを吐く。
【アクアタックル】：水を纏って突進する。
【ウォーターストーム】：水の竜巻を放つ。
【波乗り】：どんな大きな波でも乗り越える。
【氷砕】：邪魔するモノは薙ぎ払う。海の氷を砕いて進んでいく。
……こいつもか。ステータス上昇させすぎだろ。まあ、リヴァアの方が理不尽だよな。問答無用に全ステータス特大上昇とか。
「さあ、行け！」
もう少しで倒せる。攻撃しまくってて、あと十分の一ぐらいだ。
「グガアアアアアアアァァァァァァァァァァ！！！」
邪悪竜がめっちゃでかい咆哮を放った。
「なっ！？」
リヴァアも、クリスタも、フレイも動けなくなっていた。有り得ねえ！ あの二体が動けなくなるなんて！
よく見ると、遠目に見ていた他の皆も動けなくなっている。……俺だけかよ、動けるのは！
――――邪悪竜のＨＰが十分の一になりました。全プレイヤー中最高レベルのプレイヤー以外は硬直し、動けなくなります。
俺が最高レベルだから動けるってか。
――――邪悪竜を倒すためにはこの剣が必要です。尚、現在のＳＴＲでは装備出来ませんが、特別に装備出来ます。この剣は最初に手にしたプレイヤー以外は使えません。
そう表示されたウインドウが現れてから、光輝く純白の長剣が空から降りてくる。
「これを使って邪悪竜を倒せってことか」
いいだろう。
「やってやる！」
その長剣を左手で掴む。
――――聖竜剣ホーリードラゴンを一時装備します。
「グアアアァァァァァ！！」
邪悪竜がブレスを吐いてくる。
「はっ！」
ホーリードラゴンを両手で一閃する。邪悪竜のブレスを切り裂いた。
……強いな。今の俺じゃ装備出来ない訳だ。ったく。
「おおおおおおぉぉぉぉぉ！」
邪悪竜の懐に突っ込んでいく。
「グアアアァァァァァ！！」
またブレスを吐いてくるが、ホーリードラゴンを一閃して突破する。
「【聖なる竜の一撃】！」
ホーリードラゴンを装備していると使えるアビリティらしい。
ホーリードラゴンから光の竜のオーラが出て、邪悪竜を切り裂いた。
「グガアアアアアアアァァァァァァァァァァ！！」
邪悪竜は断末魔を上げて、端から光の粒子になって消えた。
強いな、ホーリードラゴン。多分、これ使ったら、邪悪竜十分も持たないぞ。
――――イベントクエスト『邪悪竜を退治せよ』をクリアしました。クリア報酬として参加者全員に10000Ｇが配られます。討伐者には聖竜剣ホーリードラゴンと、邪悪竜のコートと邪悪竜の素材を贈呈します。
おぉっ。俺にぴったりな装備だ。早速装備しよう。
――って、
「「「イベントクエストだったのかよ！！？」」」
間を置いて、全員でツッコんだ。
……いや、エリアボスだったらヤバいけどさ。
……リヴァア、大人になっても活躍してないですね。
また今度活躍させたいと思います。
