調査前
「【エレキサンダー】」
『黒魔法』がLv30になってゲットした下級魔法。高威力でありがたい。
モンスターのシースネークは倒れた。グラインド港の海岸でもいけそうだ。
これで一通り試したな。……『召喚魔法』はサモナーのスキルだってわかったしな。
「リヴァア!」
俺は海に向かって叫ぶ。
「ガアアアァァァァァァァ!」
リヴァアが沖の方から顔を出し、俺の方に向かってきた。
「よしよし。ほら、シースネークの肉だぞ」
撫でてやって、さっき倒したシースネークの肉をあげる。
「グガアァ♪」
嬉しいようだ。
ステータスウインドウを開く。もちろん、リヴァアのだ。
……ふむ。HPがバカ高いな。他もまあまあ。俺より高いのがほとんどだな。
「それだけじゃ足りないよな。ほらよ」
三つシースネークの肉をやる。
リヴァアには成長値ってのがあって、餌をやる毎に少しずつ増えていき、MAXになったら大人になるとか、そんな感じだろう。
今の成長値は200/10000。シースネークの肉一個で50だな。MAXにはほど遠い。あとシースネークの肉196個分の成長値が必要だ。
他の餌もやって、成長値を見てみるか。腹一杯になる数値も知りたいし。
俺は『索敵』で見つけたエラと水掻きのある豚を狩る。
……リヴァアの通常攻撃、突進で一撃だが。
バクッ。
「へ?」
リヴァアが海豚を食べていた。……自分で倒したモンスターは食うんだろうか?
とりあえず、ステータスを見てみる。
スキル
『海の王者』:海に存在する生態系のトップに君臨する。海の生き物相手だと全ステータス中上昇。
『海王類』:イカルゴクラーケンなどに並ぶ海のトップ。その姿は圧巻。海に近い程ステータス上昇。
『リヴァイアサン』:子供でもリヴァイアサン。その強さは通常のモンスターとは比べ物にならない。水系攻撃中上昇。
『生態系のトップ』:食うことはあっても食われることはない。自身で倒したモンスターを食べる。
『捕食』:食べたモンスターの水系スキル、アビリティを自分のモノにする。食べる毎に全ステータス微上昇。
アビリティ
【王者の咆哮】:相手モンスターを竦み上がらせる。相手のレベルが低いと成功率UP。逆に高いとdown。レベル関係なしに海王類以外の水系モンスターを竦み上がらせる。レベルが高いと海王類でも竦み上がらせる。
【王者の力】:全ステータス中上昇。圧倒的な王者の力を相手にわからせる。
【王者の威厳】:相手モンスターを睨みだけでびびらせる。相手ステータス中down。相手のレベルが低いと成功率UP。逆に高いとdown。レベル関係なしに海王類以外の水系モンスターをびびらせる。レベルが高いと海王類でもびびらせる。
【ウォーターウェーブ】:水の波を起こす。
【ウォーターボール】:水の玉を放つ。
【ウォーターフォール】:水飛沫を上げて相手に水を叩きつける。
【ウォーターカノン】:口から激水流をはく。
【ウォーターウィップ】:水の鞭を使う。
【波乗り】:津波が襲ってきても乗り越える。
成長値
350/10000
ふむ。思わず、スキルのとこも見入ってしまった。もうすでに最強だよな、リヴァア。
シーポークの成長値は150か。集中的に狙っていくとしよう。
俺は一日使って魔法使いのレベルアップとリヴァアの成長値アップに集中した。
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夕方には魔法使いがMAXになり、リヴァアの成長値はなんと! ……2000になった。一日に増える量が決まってるらしく、2000からは増えなかった。
リヴァアの『捕食』には、致命的な弱点があった。ドロップアイテムがないのだ。
まあ、リヴァアが成長してくれて嬉しいが。
また転職しないとな。今度は剣士にでもなろう。まあ、南の森の調査がいつになるかはわからないが。
とりあえず始まりの街に戻ったのはいいが、調査がいつになるか聞いてみるか。……アリシャに。
という訳でアリシャの鍛冶屋に来てみた。開いてるのでいるハズだ。
「……いらっしゃい」
いつもと同じようにアリシャがカウンターに立っていた。
「なあ。南の森の調査っていつやるんだ?」
「……一週間後。今は装備の生産を頼まれてて忙しい」
邪魔だったみたいだな。
「そっか。忙しいんだな」
「ん。けど、腕が鳴る」
やる気満々だな。
「んじゃ、俺はそれまでレベル上げに勤しんでるか。じゃあな、アリシャ」
邪魔しちゃ悪いので、さっさと宿に向かう。
そして、その一週間。
俺は職業をレベルMAXにしては転職、職業をレベルMAXにしては転職、の繰り返しをしていた。
リヴァアは成長値9950で止めた。また後でMAXにさせるのと、今回は俺のレベル上げに集中したかったのもある。
アリシャはほぼ徹夜で南の森調査用の装備を造り続けた。隈が出来ていて辛そうだ。
リィナはたまに見かけるくらい。南の森調査に参加するメンバーはレベル上げに専念しているらしい。
姉ちゃんも同様。リィナと同じくレベル上げに専念していた。
ついに、南の森の調査当日になった――。




