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Infinite Abilities Online   作者: 星長晶人
最終章

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153/165

二回戦の模様

 ようやく開始した二回戦。


 初戦はエアリアとフィオナの試合だ。


 共に攻撃力と素早さを重視したプレイヤーだが、エアリアに軍配が上がった。理由は単純に、フィオナがあまり自分よりも速い相手に慣れていなかったから。それでも経験豊富さからなんとか食らいついていたのだが、格上の土俵で戦えば負けるのは自明の理。


 接戦になりはしたがエアリアの勝利だった。


 二回戦第二戦目。

 アリア対ショコラ。


 これに勝てばアリアはエアリアとの直接対決に臨める、という勝負だったがショコラが勝利した。

 ショコラも戦闘スタイルが彼女と酷似していることもあったが、より立ち回りが上手かったショコラに軍配が上がったのだ。


 二回戦第三戦目。

 タケル対ラウネ。


 速度と属性の扱いで言えばラウネだったが、力と技術ならタケルの圧勝だった。テイムモンスターの力を借りているラウネと、どうしたら素手のみで戦えるのかと疑問に思う者も多いが、それがタケルの強さなのだ。


 結果はタケルの勝利だった。


 二回戦第四戦目。

 センゾー対UNNKOWN。


 優勝候補と目されるセンゾーに対するは、まだまだ未知数なプレイヤー。


 ジュンヤを倒した武器の能力は異常だが、その上プレイヤーの保持するスキルまであるとなると厄介だ。

 油断ならない相手には違いない。


 だがセンゾーのやることはいつだって変わらない。


 バトル開始の合図があってから、フィールドで納刀した状態で構え、待つ。

 センゾーが誇るスキル『絶対刀剣区域』を破れる者は、トッププレイヤーであってもそうはいない。


 だからこそ初回の一撃で、相手の実力を見極めることにしたのだ。


 仮面の男はなにも言わず、なんらかのスキルを使用することもなくただ走って接近し、『絶対刀剣区域』の外から鎌を振るってセンゾーの首を狙った。

 鎌の能力はジュンヤとの戦いで一つは判明している。それが、事象の改変だ。攻撃を防いだという事象を逆転させて直撃させる特異な武器。普通なら成す術もなく斬られるだけだが、センゾーの村正はそれ以上に強力な武器であった。


「『明石剣技居合い流』、【三の型・捩じれ花】」


 鎌が『絶対刀剣区域』に入った瞬間、センゾーが動き出す。瞬く間に刀を三度振るい、鎌という一点に向けて捻じれ集束する斬撃が放たれた。それらが直撃すると、鎌が無残にも砕け散る。


「……」


 結果として鎌はセンゾーの首を捕らえることなく素通りしていく。


「動揺もなし。強い武器と見受けられたが、代わりはいくらでもあるということでござるか?」


 センゾーは少しくらい動揺を誘えるかと思っていたのだが、特に気配が乱れなかったことからあの鎌が主力武器でないことを悟った。


「……いや、驚いている。これが四大刀剣の一つ、村正と『絶対刀剣区域』の効果か」

「よく存じているようでござるが、一つ訂正させていただきたく。拙者のスキル名は『絶対刀剣神域(・・)』にござるよ」

「スキルの進化か。そういえば、お前がそのスキルを取得したのは初期の頃だったな」


 区域から始まり、領域を経て、神域に至る。


 それが『絶対刀剣神域』。

 効力が追加され、今では神域内でステータスが大幅に上昇しするようになっていた。速度と攻撃力はおよそ三倍。絶対に攻撃を受けてはならないので、神域を破る他に勝ち目がない。神域が発動されている間は、どんなに速い攻撃ですら一刀の下斬り捨ててしまうのだ。


「よく知っているでござるな。拙者も有名になったということか、それともその当時からいたでござるか」

「……」


 センゾーの言葉に、彼は答えない。代わりに『ウェポン・チェンジ』で素手に変更した。


「答える気はない、ということでござるな。良い良い。その仮面を斬り捨てて、素顔を拝ませてもらうまでのこと。――さぁ、拙者の神域どう破る!?」


 センゾーは再び居合いの構えを取り、相手の出方を窺う。


「『ウェポン・チェンジ』」


 仮面の彼は一言呟いて、無骨な大太刀を両手に握る。刀身が血のように赤く染まった、全長二メートルはある大太刀だ。


「【鬼人化】、【瞬速】」


 続けて発動した強化アビリティにより、全身が赤いオーラに包まれる。仮面の額から赤い光の角が生えていた。


 聞き覚えのないアビリティが発動したとわかった途端、センゾーは警戒を一気に高める。

 そして、瞬き一つの間に顔の真横に刃が迫っていた。


「ッ――!!?」


 驚愕も一瞬のみ、すぐさま後方に跳んで回避する。神域の強化がなかったら勝負は着いていただろう。回避したセンゾーの頰に切り傷が入っていて、HPも僅かに削れている。


 ……まさか、こんな方法で拙者の『絶対刀剣神域』を破りに来るとは。


 すぐ構え直して次に備えながら、内心で驚愕を呑み込んだ。


「これでも避けられるか。流石だな」

「神域を展開した拙者に正面から傷をつける相手に言われたくはないでござるがな」


 流石にセンゾーには敵わないだろう、と予想していた会場もこれには盛り上がる。


「できれば、正面突破をしたいからな」

「なら、してみせよ!」


 大太刀を構えて突っ込んでくる仮面の男を、センゾーは居合いの構えで迎え撃った。

 よく見てみれば、全体的にステータスが上がっているだけに留まらず、移動速度や攻撃速度が著しく上昇している。それこそ瞬く間に接近してきた。豪快に振るわれる大太刀を受ければ威力の高さに隙を作らされる可能性がある。


 センゾーは一太刀目を回避した後、三度刃を振るった。相手は格段に速くなったが、それでも神域内であればセンゾーの方が速い。二撃目を振るう前に三度攻撃してみせた。

 一撃目。村正が持つ『武具封殺』のストックを貯めるためにか刀自体を狙った。しかし強引に身体を捻ることで届かない範囲へと逃げられる。

 二撃目。宣言通り黒い仮面を叩き斬ろうとするが、直撃したにも関わらず弾かれてしまった。村正は攻撃力も高いがなにより斬れ味が凄まじい。それでも斬れないのであれば破壊は不能と思うべきだろう。破壊不能となるとただの装備品ではなく、呪いのアイテムという可能性もある。

 三撃目。装備品が壊せないのならば、とプレイヤー本体を狙う。胴を深く袈裟斬りする形だ。だが振り切った刀を手放して身を引くことで回避されてしまう。咄嗟の判断も早い。刃が通過してから大太刀を掴んで体勢を立て直していた。


 剣術という点では甘いが、それを補って余りある実戦経験がある。トッププレイヤーと正面から渡り合えていることからもわかる通り、相当な経験を積んできたのだろう。


「だが、甘いッ!!」


 何度かの読み合い打ち合いを経て、センゾーの一刀が相手の右腕を半ばから切り落とした。即座に後退して両手武器をしまう。回復魔法で治療して腕を再生させ、調子を確かめるように振るった。

 腕を斬り落とされても平然と対処できるのは、この世界に慣れている証拠だ。


 回復魔法も減ったHPを補充するだけでなく欠けた部位まで再生していた。純粋な近接戦闘力も高いが、魔法もかなりできると見ていいだろう。


 物魔両道、まるでかつて最強を誇ったプレイヤーと同じようなスキル構成だった。しかし使用するスキルや武器も違う。それに二度と戻ってこないことはわかっていた。


「強いが、まだ剣術の扱いがなっていないでござるな」


 おそらく本格的な剣術を、ゲーム外で習ったことがないのだろう。あったとしても剣道くらいか。


「……」


 強化も終わってしまいどうしたものかと悩んでいるのか、彼は動かなかった。


 だが、


「アオォ――――――ンッ……!!」


 透き通るように美しく、しかしビリビリと殺気立った狼の遠吠えが聞こえてくる。出所は仮面の彼の方だ。センゾーは訝しみながらも警戒を強めた。


 やがてUNKNOWNの傍に一匹の狼が姿を現す。灰銀の毛並みは逆立っており、本来持つ神々しさと荒々しさが同居している。牙を剥いて唸る姿は苛立っているようである。

 それよりも、名前に聞き覚えがあった。


「フェンリル」


 やや咎めるように呼ばれると、狼は威嚇するのをやめてくぅーんと声を上げる。男が手を伸ばして首筋を撫でてやろうとすれば、自分から距離を詰めて撫でられるに任せていた。


 そんな様子から相当に懐いていることはわかったが、やはりどうしても名前が気になってしまう。

 フェンリルとは先の第三回グランドクエストで出てこなかった有名な怪物である。神話の中ではオーディンすら殺したとされているほどの、神殺しの獣。それを従えているということが、というよりどこで出会えるのかすらわかっていない。


「そう怒るな。それより、勝手に出てきたらダメだろう」

「グルル……!」

「一緒に戦いたいのか? 仕方ないな」


 そんなやり取りを見て、ようやく彼らの関係を理解した。


「……もしや、テイムモンスターでござるか?」


 センゾーもあまり神話に詳しいわけではないのだが、ロキやフェンリルといった主要な登場人物がラグナロクを模した大戦にいないことを不思議がっているという話は聞いていた。

 『神々との戦争』においてUNKNOWNの姿を見かけた者は、おそらくいない。仮面とローブで素顔と装備が見えないからというのもあるが、ジュンヤやセンゾーと渡り合えるのであればおそらくランキングにも載っていただろう。それこそ上位に名を連ねていてもおかしくない。だが載っておらず、しかも重要そうなフェンリルを仲間にしているのであれば、このプレイヤーに関する推測が一つ出来上がる。


 即ち、グランドクエスト外でロキやフェンリルと遭遇していた。


 となれば彼らがグランドクエスト内で出てこなかったことも、UNKNOWNを見知っていないのも納得がいく。

 とはいえ、どこにもそんな重要そうなクエストが出現したとの情報がないのだが。


「ああ、そうだ。フェンリルは所謂唯一個体だから、名前はそのままだが」


 唯一個体とは言葉の意味そのまま、一体しか存在が確認されていない種類のモンスターのことである。存在が希少故あまり確認されていないが、『双子のエルフ』のエフィとナーシャはそれぞれ唯一個体を所持している。


「それより悪いな、ニ対一になった」

「いや、構うまい。それよりもこれまで手加減されてきたことの方が屈辱でござる」

「手加減していたわけではないが、そうだな。もう少し全力を出してみよう」


 言うと、仮面の男は新たな武器を出現させる。


「【サムライ・スタイル】」


 また聞いたこともないアビリティだった。UNKNOWNの衣装が変わり、サムライ然としたセンゾーと似た格好になる。ただし般若の面に明らかなカツラとわかる長い白髪だったが。黒い和服に身を包み、黒い刀を腰に提げていた。


「拙者に真っ向から挑むでござるか。――面白い」


 センゾーは笑って、普段開いていないように見える糸目をカッと見開く。


「フェンリル。好きに暴れていい。ただ、俺の邪魔はするな」

「グルル……ッ!」


 男も構えを取って、フェンリルがやる気を漲らせて唸った。


「いざ尋常に、参るッ!!」


 センゾーとUNKNOWNが駆け出すのは同時だった。

 ステータスは変わらないのか丁度中間地点で激突し、刃を交える。金属の甲高い音が響き渡った。

 村正の効果によって破壊されないフェンリルの爪や牙は充分な武器となる。いくら速いと言っても所詮一人の人間が振るう一本の刀。プレイヤー単体ですら楽勝とはいかない中でテイムモンスターまで加われば厳しくなるのも自明の理。


「……強うござるな。次は是非、一対一で。それも仮面なしに戦いたいでござるよ」


 勝敗は決し、センゾーが金の粒子となって散っていく。


「ああ、俺もそう願う」


 UNKNOWNも再戦を請う声に応え、二回戦前半が終わり更にUNKNOWNへの注目度が増していた。

 フェンリルを連れていることから、ロキとなにかしらの関係があるのではないかと目され始める。


 二回戦第五戦目。

 メア対メナティア。


 メナティアはソロでも充分通用する強さを持っているが、最強の座に就いたメアに敵う理由にはなり得ない。

 近接戦がどうしても不得手なため、そこを突かれて敗退した。


 二回戦第六戦目。

 ベルセルク対ツァーリ。


 昔から相争っていた二人が、遂に公の場で決着をつける日が来たのだ。


 よく喧嘩する間柄として、そしてそれぞれギルドメンバーによく慕われているため、試合開始直後から怒号のような声援が飛び交っていた。

 二人の因縁はトップ層にいないプレイヤーでも知っているほど有名なため、大いに盛り上がっている。


「いよいよてめえと白黒つける時が来たみてぇだな」

「ええ。今日こそは這い蹲らせてあげるわ」


 二人もやる気満々で構えた。


 片や死地に自ら飛び込む近接命のベルセルク。

 片や遠距離から攻撃魔法で敵を殲滅するツァーリ。


 勝負は如何にベルセルクがツァーリの魔法を掻い潜って懐に入れるかで決まると予想される。


「いくぜぇ!!」


 ベルセルクは自身に強化を施すと、ツァーリへ一直線に駆け出した。ツァーリは杖を構えて魔法を行使する。


「【エスクプロージョン・マインド】!!」


 ベルセルクの進行方向へ爆発する地雷を設置した。わかりやすく赤い光を放つ塊が設置されたため、傍目から見ても罠があるのは一目瞭然だ。

 普通なら地雷を避けて進むので、その先に魔術師が他の罠を置いておくというのが定石だろう。


 だがベルセルクにとってはそうではない。


「甘ぇ!」


 凄惨に笑って地雷の感知範囲に入った直後前方へ思い切り跳躍した。そうすることで爆発により両脚が消し飛んだものの、上半身だけが爆発の勢いを利用してツァーリへと一直線に飛んでいく。観ている者達はこれまでデスゲームで戦ってきたとは思えない行動に驚いていたが、対戦相手の彼女はそう来る可能性を考慮して次の魔法を準備していた。


「【バインドチェーン・クロス】!!」


 ツァーリにしては珍しく、束縛させるためだけの魔法を駆使する。ベルセルクも使ってくるとは思っていなかった魔法だ。と言うより、ベルセルクは相手がどう来ようと乗り越えてやるという構えでいて思考放棄しているだけかもしれないが。


「はっ!」


 面白ぇ、と狂気の滲む笑みを深めたベルセルクは武器を持っていない左腕を下げた。魔法によって上下の空間が歪んでやや斜めに向けてそれぞれ一本ずつ鎖が伸びる。鎖が丁度ベルセルクに当たるよう計算された完璧なタイミングだったが、下げた左腕が鎖に絡め取られて固定されると左腕に力を入れて身体を鎖が当たる軌道上から逸らす。続けて上から伸びてきた鎖も左腕を絡め取ってから、右手の吸命刀で左腕を肩口から切り離した。


 勢いを殺すことなく手際のいい動きで突破してみせたのは流石として言いようがない。


「【マルチプル・マジック】」


 だがツァーリはそう来ると思ったとばかりに不適な笑みを浮かべてMPを半分持っていく途轍もない魔法を行使した。


 【マルチプル・マジック】とは、予め設定した別々の属性を持つ四つ以上の魔法を一斉に放つことができる魔法アビリティである。一度の戦闘における使用回数に制限があり、職業のレベルやスキルのレベルなど様々な要素を統合して設定可能な魔法の上限が増えていく。


 それが攻撃型魔術師最高峰のツァーリともなれば、設定個数は最大の十個である。


 天から審判の光が降り注ぐ【ジャッジメント・ライト】。

 無数の氷塊が左右から襲いかかる【アイスクリスタル・デザート】。

 地面から岩の大顎が生える【グラウンド・クロコダイル】。

 雨粒に当たると当たった相手が受ける魔法の効果が大幅に増加する【カラミティ・レイン】。

 煉獄の炎フィールドを設置して範囲内の攻撃魔法の威力を大幅に引き上げる【クリムゾン・アンプリファイ】。

 影の魔物が後方から高速で迫り攻撃する【シャドウ・ストーカー】。

 とぐろを巻いた雷龍が収縮して圧殺する【ボルテックスドラゴン】。

 一枚一枚が鋭利な刃になっている葉が無数に舞う【リーフ・エスパーダ】。 

 特大の竜巻で巻き込んだ魔法の効果を高めつつ切り刻む【マジカル・タイフーン】。

 そしてそれら魔法の効力を二倍に引き上げる【マルチプル・マジック】専用アビリティ【マルチ・トゥワイス】。


 それら十個の魔法が一度に発動し襲いかかる様は、地獄絵図と言っても良い。観客の中にも絶望を感じて顔を引き攣らせている者すらいたほどだ。


 対するベルセルクは両脚を失って上半身のみで飛んでいる状態だ。真っ直ぐにしか移動できないので、タイミング良く発動された一斉攻撃を避ける術はない。

 ツァーリも、対処方法はないと睨んでいる。だが同時にライバルなら超えてきて欲しいとも思っていた。


 ベルセルクは笑みを浮かべたまま、魔法の爆心地へと踏み込む。複数魔法のエフェクトと魔法が激突して発生した黒煙によって、彼の生死はわからなくなる。少なくともHPはなくなっているだろうが、定かではない。


 警戒するツァーリの目の前に、短刀を咥えたベルセルクの生首が突っ込んできた。


「ッ!!?」


 まるで弾丸のような速度だったため、回避の苦手なツァーリは黒煙から出てきた生首の咥えた吸命刀の刃によって、首を切断されてしまう。一撃死のシステムによってツァーリのHPはゼロになってしまった。


「ハハッ! 今回は引き分けにしといてやる! 次は俺が勝つけどなぁ!」


 勢いを失って地面を転がり、武器を口から放したベルセルクはツァーリに向けて告げ、金の粒子となって散っていく。


「……こっちのセリフよ」


 どうやって突破したのかはわからなかったが、相変わらず予想を超えてくる彼に少し辟易して、大部分で歓喜して、ツァーリも退場していった。


 一応ベルセルクの方が早くHPがゼロになったはずだが、完全に消える前に倒されたこともあってか勝負の結果は引き分けの両者敗退となったようだ。


 二回戦第七戦目。

 エフィ対ナーシャ。


 現プレイヤー最強のテイマーとサモナーの正面対決だ。


 両者試合開始直後に全リソースを注ぎ込んでモンスターの大群を呼び出す。そこから繰り広げられる戦いは熾烈を極めたが。

 『双子のエルフ』ギルドマスター対決は、テイマーエフィの勝利で幕を閉じたのだった。


 二回戦八戦目。

 千代対シンヤ。


 互いに近接戦闘を得意とするプレイヤー同士盛り上がる戦闘が繰り広げられたのだが、単体でも屈指の強さを誇るシンヤが勝ち残ることになった。


 よって、三回戦の対戦表は以下の通り。


 『SASUKE』エアリア対『闇夜の黒猫(ナイト・キャット)』ショコラ。

 『格闘国家』タケル対UNKNOWN。

 メアは対戦相手が引き分けにつき不戦勝。

 『双子のエルフ』対『一夫多妻(ハーレム)』シンヤ。


 これまでトップギルドでなかった『闇夜の黒猫(ナイト・キャット)』のギルドマスター・ショコラが組み合わせの問題とはいえベスト8にまで勝ち上がっていること、そして正体不明のプレイヤーに注目が集まる中。


 最強プレイヤー決定戦も終盤に入りつつあった。

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