表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Infinite Abilities Online   作者: 星長晶人
南の森の異常編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/165

東の海岸

「とりあえず、街に帰って整理するか」


 安全圏でゆっくりやりたい。


 ▼△▼△▼△


「さてと、整理するかぁ」


 俺は椅子に座って陽気に言う。


「……何でウチ?」


 そう。ここはアリシャの鍛冶屋だ。


「いいからいいから。ちょっとだけだし」


 俺はそう言ってステータスウインドウを開く。


「えーっと、スキルスロットがいっぱいになるな。どうしようか」


「サブスキルスロットがある」


「おっ、サンキュ」


 とりあえず、『片手剣術』と『黒魔法』と『索敵』はここがいいから、『殴術』を外して、二つをセットするか。


「よしっ」


 整理完了。


「んじゃ、アリシャに聞きたいことがあるんだが」


 さっさと本題に入る。


「……何?」


「エリアボスって何だ?」


「各エリアにいるボス。倒すと隣街への鍵が手に入る」


「その鍵ってのは何なんだ?」


「広場の近くにある転移ゲートに差し込んで、開けるためにある」


 なるほど。


「じゃあ、これもか?」


 俺はアイテムウインドウからカリムタウンへの鍵を出す。


「っ!?」


 アリシャは驚愕に目を見開いた。


「アリシャの武器と防具のおかげで西の草原のエリアボス、倒しちゃったんだよな」


 半分得意気に、半分苦笑して言う。


「……凄い。けど、一人で?」


「ああ。でっかいゴーレムだったな。これがその素材」


 ジャイアントゴーレムからゲットしたアイテムを出す。


「首の防具、巨石像のネックレスが造れる」


「いいのか?」


「うん。エリアボスの特殊素材で造られた装備にはスキルが付く」


 おぉ、いいな、それ。


「造るけど、お代はいい。エリアボス限定防具を造れるのは鍛冶屋の名誉」


 そうなのか?


「まあ、ただでやってくれるんならよろしく」


「うん。『防具生成』、巨石像のネックレス」


「……」


「巨石像のネックレス。効果は、DEF、MDF中上昇」


 中、か。いいな。


「ありがとな。何か、アリシャには世話になってばっかだな。何か俺が手伝えることないか?」


 いい装備造ってもらったし。


「別に、ない」


「何でもいいからさ」


 お礼がしたい。


「……じゃあ、一つだけ」


「おう。何だ?」


 何でも来い。


「私とパーティーを組んで。やりたいことがある」


「オッケ」


 俺は即答する。


「んで? やりたいことってのは?」


 それが重要だよな。


「……魔法使いになる」


「なればいいじゃん」


「……鍛冶職がMAXにならないと転職出来ない」


「今は?」


「もうなった。だから、あとは転職して魔法使いになるだけ」


「じゃあ何に困ってるんだ?」


「魔法使いになっても、今まで鍛冶職だった私には魔法系スキルがない」


 ああ、そういうことか。


「スキル販売店に行けば買えるけど、私は近接系だから」


 魔法で攻撃しても戦力にならない、と。


「まあいいさ。じゃあ、いつからやる?」


「えっ? いいの?」


「別にいいじゃん。俺なんか、魔法戦士やってから魔法使いやろうとしてんだぜ?」


 こっちの方が酷いだろ?


「……じゃあ、よろしく」


「ああ」


「私の今の職業は鍛冶職人。転職して魔法使いになる。今から、でいい?」


「いいぜ。……店の方は大丈夫なのか?」


「大丈夫。夕方には帰ってきて、開ける。それまでは閉店」


「そっか。でも、魔法使いに鍛冶が出来るのか?」


「それも大丈夫。一度MAXになった職業にはいつでも転職出来る」


 そういうシステムか。


「じゃあ、転職していいぞ」


「うん。……魔法使いへ、転職」


 ステータスウインドウをいじりながら呟く。すると、アリシャの身体が光に包まれた。


「っ」


 眩しくて目を閉じ、光が収まってから目を開けると、……全然変わってないアリシャがいた。


「……ん。装備を整えないと」


 鍛冶屋だけあって、かなり様になった装備だった。杖はマジックロッドだった。


「スキル販売店に行くか」


 言って、スキル販売店に向かい、『白魔法』と『黒魔法』を選んで買った。


 『黒魔法』は攻撃、『白魔法』は回復と補助らしい。道理で回復がないと思ったら。


 こうして、俺達は初めてのフィールド、東の海岸へと向かった。


 ▼△▼△▼△


「おーっ。綺麗な海だな」


 えーっと、エメラルドブルーというヤツだ。


「綺麗。モンスターは魚介類が多い?」


 海岸の上にある丘から海を見下ろして言う。


「とりあえず、狩るか」


 ここは、北と西の間ぐらいの難易度らしい。


「よしっ。はっ!」


 俺は丘を駆け降りて、蟹っぽいモンスターに斬りかかる。


「ギ……」


「へ?」


 アヴァロンソードで斬ったら一発だった。


「強すぎ」


 だよな。


「エリナソードでやるか」


 杖もマジックロッドで。いや、とりあえず『魔杖剣』を試すか。


「んじゃ、とりあえず一人でどこまで出来るか見せてくれ」


「……うん」


 アリシャはマジックロッドを構えて、さっきの蟹、ウォータークラブに狙いを定める。


「【サンダーボール】」


 杖から雷の玉が放たれ、ウォータークラブに直撃した。


「ッギィ……」


 雷は効くのか、よろけた。三分の一は喰らった。


「【サンダーボール】」


 もう一回【サンダーボール】を放つ。


 今度も直撃し、もう瀕死状態だった。


「【サンダーボール】」


 三度目。レベルの低い魔法使いでも、効果がいい【サンダーボール】を使えば三発で倒せるのか。こっちの方が簡単だな。


「――まあ、モンスターが密集してるのが難点か」


「えっ?」


 アリシャはきょとんとしていた。


「ほら、集まって来た」


 蟹と海鳥、あと空飛ぶ魚がいるな。


「あっ……」


 まあ、大丈夫だろう。


 アヴァロンソードとブレード・オブ・ロッドを構える。


「アリシャ、俺の後ろにいろよ。隙を見て攻撃してくれ」


「……わかった」


 アリシャは大人しく俺の後ろに来て、杖を構える。


「こういう時こそあれだよな。【サンダーストーム】」


 敵四体を雷の竜巻が包む。四体同時に倒した。


「ッフィ!」


 海鳥が上空から襲ってくる。


「近接はありがたい。【スラッシュ】!」


 タイミングを計ってアヴァロンソードを一閃する。


 海鳥は一撃で倒した。


 その調子で、片っ端からモンスターを一掃した。


「……ふぅ。大丈夫か、アリシャ?」


 一息ついて、アリシャの無事を確認する。


「……大丈夫」


 アリシャの返事が聞こえた後、レベルアップのファンファーレが聞こえた。


「レベルが上がったな」


「うん。あれだけ倒せば上がる」


 話しながらステータスウインドウを開く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ