表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Infinite Abilities Online   作者: 星長晶人
南の森の異常編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/165

プレイヤー鍛冶店

「とりあえず、試しに使ってみるか」


 威力も知りたいしな。


 ビックボニーを探しては魔法をぶっ放し、探しては魔法をぶっ放しの繰り返しをしていた。


 ストーム系の魔法は、単体攻撃魔法ではないらしい。二体以上を相手にしてないからわからないが。


 ボール系三発分のMP消費に、ボール系二発分のダメージ。約、だけどな。全体攻撃魔法だとすれば、かなりいい。


 【クロススラッシュ】は、【スラッシュ】よりダメージが多いからいい。まあ、当たり前だが。

 MPは魔法を使うのに消費するため、『剣術』などは得だ。まあ、使った後に数秒使えないが。魔法は連発出来るけどな。


 ……のはいいが、ボス級モンスターとやらにはいっこうに会えない。もうすぐ昼だし、一旦街に戻るか。


 ボス級モンスター討伐を一旦諦めて、街に向かう。


 ▼△▼△▼△


 金も素材も結構ゲットしたし、鍛冶職のプレイヤーでも探すか。


 とりあえず街をブラブラ歩いてみる。


「おっ? 『プレイヤー鍛冶店・knight 』か。入ってみるかな」


 カランカラン。


「……いらっしゃい」


 中は鍛冶屋だけあって殺風景だった。カウンターの向こうに無表情な美少女が立っていた。……プレイヤーらしい。


 長い黒髪に黒い瞳。無表情だが、顔は整っていて、美少女だ。


「店がもう建つなんて、早いな」


 とりあえず話しかけてみた。


「……まあ、女性プレイヤーは重宝されるから」


 照れているらしい。要するに、女性プレイヤーで鍛冶職が貴重で、多くの人から武器生産を頼まれたりした、ってことか。


「買い取りもやってくれるのか?」


 アイテムを確認してないが、売れば金になるハズだ。


「……うん」


「じゃあ、とりあえず全部出していいか?」


「……うん」


 よしっ。んじゃ、これとこれとこれと……。


「これで全部だな」


 カウンターにどっさりアイテムが積み上がった。


「……凄い。これ、全部売るの?」


 少し目を見開いて言う。まあ、今まで売らなかったからな。


「いや。武器か防具に出来そうだったら造って貰おうと思うんだが」


「ちょっと待って。【鑑定】」


 【鑑定】? 鍛冶職のスキルだろうか?


「……欲しい武器の系統は?」


「片手剣と杖だな」


「……。これなら、かなりの武器が造れるかもしれない。特に、ゴブリンの素材は武器にいい」


 なるほど。


「じゃあ、それで武器を五個ずつぐらい造れるか?」


「余裕」


「じゃあ、頼む」


「武器計十個で3250」


「はいよ」


 アイテムウインドウから3250Gを出現させ、渡す。


「『武器生成』、エリナソード」


 片手剣はエリナソードと言うらしい。少女の手にある素材が光り、武器が生成される。


「あっ。一つだけ、大成功した」


「大成功?」


 何だそりゃ?


「大成功。通常より強い武器が生成される」


 それは凄いな。ラッキー。


「エリナソード四つと、アヴァロンソード一つ」


 それらがカウンターの上に置かれる。


「おぉ……。強そうだな」


 黒い光を放つ、長く細い片手剣。


「これは貰おう。エリナソードも一つ。あとは売るから」


「……ありがと。結構強い武器だから、売れる」


 そう言って、少し微笑む。


「そりゃ良かったな。次は杖を頼む」


「うん。エリナソード三つだから、防具と杖のお代はいらない」


「いいのか?」


「それが普通」


 そうなのか。よくわからないが。


「『武器生成』、マジックロッド」


 杖の方はマジックロッド、か。


 そうして、マジックロッドが生成される。


「っ~~~~!」


 完成した杖を見て、少女が驚愕に目を見開く。


「どうした?」


「……これ、激レア」


 マジか!?


「ブレード・オブ・ロッド。杖の上級、魔杖剣の一つ」


 魔杖剣? 何だそりゃ?


「杖を起動すると、杖の先から刃が出てくる。魔法戦士系専用武器」


 何つう幸運だ。俺、魔法戦士じゃん。


「マジでありがとうな」


 めっちゃ嬉しい。


「……うん。マジックロッドは一つだけ貰う?」


「ああ」


 それでいい。


「防具の生成をするけど、どういう防具がいい?」


「う~ん。そうだな。アクセサリー系一種、黒いコートがあれば二着ぐらい、ズボンも靴も黒がいいな」


 黒で統一したい。


「大丈夫。それならこの素材で造れる」


 少女が取り出したのは、昨日の夜にやたらと出てきたバットバットの素材だった。蝙蝠っぽいから、夜行性だったんだろうな。


「じゃ、頼んだ」


「うん。『防具生成』、【一括生成】」


 一括でも出来るんだな。鍛冶職のアビリティだろう。


「出来た。今の装備よりはいいハズ。大成功はなかったけど」


 そりゃそうだ。大成功が毎回あったら攻略が簡単になっちまうからな。


「サンキュ。んで、これはどんな効果が?」


 俺はアクセサリー、ブレスレットを持って言う。


「INT、MDF微上昇、魔法命中率補正」


 俺にぴったりだな。


「そこまで気を遣ってくれてありがとうな」


 俺に合う防具を選んでくれたみたいだし。


「ううん。喜んでくれたら、いい。……あとは全部売却?」


 少女が聞いてくる。素材は武器と防具で三分の一ぐらいに減っていた。まあ、頑張れば取り戻せるけどな。


「ああ」


 俺は頷く。黒魔法には回復がないからな。回復アイテムを買いたい。


「全部で2810G」


 少女から2810Gを受け取る。高いのは装備に使ったんだな。あんまり多くない。


「サンキュ」


「フレンド登録、しない?」


「ああ、はいよ」


 俺は少女、アリシャとフレンド登録してから、道具屋に向かい、HP回復とMP回復のアイテムを買い込んでから、西の草原のボスを探しに出掛けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ