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Infinite Abilities Online   作者: 星長晶人
幻想世界の異常編

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UUUとジズ

主人公のチート化が激しいw


……他のプレイヤーは追いつけるのか


更新はまた二週間に一回くらいのペースに戻します


年末年始は色々とあって他があまり更新出来ません

 ただの人間から魔獣人へ。そして今、獣魔王へと変貌を遂げたテアロドスに立ち向かおうとしたリューヤに呼応してか、美しい女性の声が響いた。


「ん? ジズか?」


 リューヤだけはその声を知っているようで、辺りをキョロキョロ見渡した聞いた。


『はい。あなたの決意、受け取りました。幻想世界を統べる私達はこの戦い、リューヤに全面協力することを誓います』


「……ジズ……! 幻想世界を統べる四体のモンスターの内の一体で、鳥系モンスターの頂点に君臨する最強のモンスター……!」


 ソロプレイヤー連合の一人として幻想世界に来ていた物知りアリシャが無表情を崩し、驚いて目を見開き言った。


「……協力するって言ってもな。どうせ棲家からは出ないんだろ?」


『はい。ですからこうして、思念体としてお話させていただいています』


 ジズはそう言うと、その思念体という姿を見せる。大空全てを覆う程に大きい、朱の鳥。しかし思念体だからか少し透けている。


「……そうか。まあ、こいつを倒すのを手伝ってくれるなら何だっていいか」


「お、お兄ちゃん! こ、この凄いの知り合いなの!?」


 あまりにも巨大な姿に圧倒される者が多い中、さも普通のように受け答えするリューヤをリィナがツッコんだ。


「ああ。幻想世界でこいつら四体を祀ってる祠があってな? それを全て回ると力を貸してくれるっていう話なんだよ」


 だが驚くリィナに対しても普通に返すリューヤ。


『じ、ジズだと!? 貴様ら四体は俺が今まで塔の建設しようが『黒の兵団』を差し向けようがシカトしてきた貴様が今更何で人間に手を貸す!?』


『……確かに私達は幻想世界を統治する役割を維持し、無闇に人間であるあなたと接触することを拒んできました。しかしそれではダメだと気付かされたのです』


 ジズはテアロドスを見ても落ち着いた声を崩さない。


『……ハッ! だがたかが人間に貴様らの力を受け止められると思ってるのか?』


 テアロドスは眉をピクリとさせたが気を取り直して笑うと言った。


『ええ。無論、普通の人間では無理ですが。リューヤなら出来ると思ったからこそ力を貸したのです。リューヤこそ、我らモンスターと共に戦い生きる道を見出した者。リューヤ、いいですか? 私が言った言葉を復唱するのですよ』


 ジズはリューヤに対する信頼を表すと、テアロドスを無視してリューヤに話しかける。


『させるか!』


 テアロドスはジズの狙いを知ってかリューヤに向かって突っ込んでいく。だがそれをリューヤの仲間であるモンスター達とプレイヤー達が阻む。


『ではいきますよ。――ユニオン・ユニバース・ユニゾン』


「ああ。――『ユニオン・ユニバース・ユニゾン』!」


『慈愛朱鳥扇師・ジズ』


「……えっと? 【慈愛朱鳥扇師・ジズ】!」


 リューヤはジズの言う通りに復唱する。途中迷ったようだが、しっかりと復唱した。


 するとリューヤの身体が朱色の綺麗な炎に包まれる。


「――」


 朱色の炎が収まると、そこには全く格好の違うリューヤが立っていた。


 髪と瞳が朱色になり、朱色主体で鳥の紋様が描かれた和服を着込み、両手には緋扇を持っていた。背中には朱色の綺麗な鳥の翼が生え、全身から朱色の火の粉を散らしている。足には草履と足袋があり、完全に装備が変わっていた。


「……おぉ、凄いな」


 これにはさすがにリューヤも驚いていたが、他のプレイヤーの驚きはもっと凄かった。


『やはりリューヤを選んでよかった。それは私の力が元になっている装備です。存分に力を使って下さい』


 ジズの思念体はそう言うと、消え去った。


「……ああ。これならこいつにも、ダメージをくらわせられそうだ! 【ジズヒール】!」


 リューヤはニヤリと不敵な笑みを浮かべると、右手を上に掲げて唱える。すると上空に超巨大な朱色の魔方陣が描かれ、朱色の火の粉が降ってくる。すると味方全体のHPとMPがかなり回復した。


「……す、すげえ」


「……温かい」


 その恩恵を受けたプレイヤーもモンスターも、皆驚いた。特に鳥系モンスターなどは片翼を胸に当て頭を垂れていた。ゴールデンフェニックスのフレイでさえ、そうしてジズの恩恵に感激している。


「まだまだいくぜ、【ジズ・オーバーヒート】!」


 リューヤは言って新たなアビリティを発動させる。緋扇を一振りする度に朱色の綺麗な、しかしとんでもない破壊力を持った炎が舞い、テアロドスを襲う。もちろん味方には一切のダメージがない。


「……最後だ。【ジズ・スカイハイスピリッツ】」


 リューヤは左手を上に掲げ、呟く。すると天高くに巨大な魔方陣が展開され、そこから朱色の炎で出来た超巨大な鳥が真下にいるテアロドスに向かって急降下し、


『グアアアアアァァァァァァ!!!』


 焼き尽くす。


 これぞ慈愛に満ちたジズの、温かく優しい、しかし敵にはとても残酷な炎。慈愛と無慈悲。一見矛盾する二つの炎が混ざり合ったのが、ジズの炎であった。


 ジズの力を手に入れたリューヤの攻撃で、テアロドスのHPが一本分消し飛んだ。それに、HPとMPも回復している。


「……さあ、次々いくぜ」


 ジズの力が消えたリューヤが笑い、


『ああ。リヴァアも見ておくといいよ。僕の本気の力、見せてやろうか』


 突如として現れた超巨大な青い四肢のない竜が穏やかな口調で応えた。

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