第6話 「リインカーネーション ユミコ」
12月31日になりました、大晦日です。
私と由美子の両親は、 病院へお見舞いに行きました。
年末ってことで病院の中は結構、 入院されている方の家族がお見舞いに来られているようで混んでいます。
でも、 にぎやかなことはいいですよね……
おばあちゃんがいる部屋に着いた。
おばあちゃんは、 一人用の個室に入っている。
主治医の先生と看護婦さんが巡回検診で在室していた。
私達は、 先生達と挨拶をした。
話の内容からすると、意識はあるけど、はっきりと対応できないということだった。
先生達は退室した。
しばらくして、 私達はお昼になったので病院を後にしたのでした……
1月になりました。
お正月ですね~、 みなさんはお年玉をもらいましたか?
えっ!?
もう高校生になったから、 貰うのはおかしいって?
そうですよね、 普段アルバイトで稼いでいたら、 お年玉なんてちっぽけですもんね。
人によっては、 「すずめの涙だ~」 って言う方もいますけど、 高校・大学って結構お金がかかるんですよ。
ということで、アルバイトでもして、好きな人でも見つけようね~
ん? 私はどうなのかって?
私はあれですよ、 由美子は中学生ですから当然もらっちゃいますぅ~
いいでしょ~ (笑) おばあさんのときは、 貰えなかったのにね (爆)
2月になりました。
雪が降って、 学校のグランドは一面真っ白です。
今日の体育の授業で、雪合戦をしました。
当たると、結構痛いです。
打ち所がわるいと、 冬眠に入ってしまいますよ。
あっ 話し忘れていましたけど校内では、 男子は青のジャージ、 女子は赤のジャージを着ています。
ラインが入っているので、 学年によって色が違うこともあり、 一発で誰が何年かってわかるんですよ。
3月になりました。
卒業のシーズンですね。
大学の卒業生とかは、会社の新入社員教育(研修?)があるそうです。
学校という、猶予期間が終ったので、結構辛そうな人達が多いように感じられます。
お給料は、 自由に使えますので、 楽しんでくださいね。
「ただいま~」
お父さんが、 帰ってきました。
「みんな 集まってくれ」
みんな…… といっても、 全員で3人なのですが……
「今日、 会社から異動の内示がでた」
異動?
「どこに 転勤するの?」
「沖縄の支店に行くことになった」
沖縄か、完全な引越になるよね……
「そうなの…」
お母さんが、ため息まじりに言った…
「で、いつ行くの?」
「それがだな、 由美子の終業式の次の日なんだ」
終業式の日…
「それじゃあ あと5日間しかないじゃない」
私は、気が重くなった…
「おじいちゃんと おばあちゃんはどうするの?」
「うん、おじいちゃんと おばあちゃんは、ホームに入ってもらうことにした」
「まあ、 会社の系列が経営しているから、 大丈夫だと思う」
ホームに入ってしまうのか…
「さっ 今日はもう遅いから寝ようか」
「うん……」
あの衝撃的な一日が過ぎ、 終業式も無事終った。
放課後、私ともう一人転校する生徒がいたので、簡単だけどお別れ会を開いてくれた。
帰り道、 タカシくんが家まで送ってくれた。
今日でタカシくんと離れるけど、 別れたわけではない。
この間の誕生日に、 携帯電話を買ってもらえたので、夜中でも両親に隠れて電話ができるようになったの。
沖縄に引越しても、いろいろ話せるもん
昔に比べたら、 すごく便利になったと思うよ……
いよいよ引越の日になった。
近所への挨拶まわりが終り、ホームへ向かった。
ホームには、 おじいちゃんとおばあちゃんがすでに入所していた。
お父さんとお母さんは、 事務室に挨拶しに行った。
おじいちゃんは、 出かけていた。
私は、 おばあちゃんになった由美子と二人になった。
「由美子 ごめんね。私は、お父さんとお母さんと3人で、沖縄に行くことになったの」
由美子は、ボーっとして聞いていた。
「沖縄は、 ここから遠いし、 一人では来させてもらえないの」
「だから、 私は……」
……………
「これからは 由美子として……」
「生まれながらの 由美子として、生きていくね……」
「さようなら 私になった 由美子……」
パタン……
個室から出ていった、 由美子になったおばあちゃんを うっすらと涙を流して見送っていたのだった……
4月になりました。
あたしは、中学2年生になりました。
お父さんが沖縄に転勤したので、 あたしも沖縄の学校に転校したんですよ。
沖縄は、 温かくて、 自然がいっぱいあるので好きです。
あっ 新しい制服が出来あがったの。
セーラー服で、 少し薄い水色のカラーなのよ。
気候が暑いから、服だけでも涼しくしようってことからなのかしら…・
ん?
あっ いっけない
始業式に遅れちゃうよ~
「お父さ~ん! 車で会社に行くのなら、あたしを学校まで送ってよ~ おねが~い!」
最終話です。
他のHPで公開した際に、感想をいただいた方にお礼としてプレゼントしていた第7話もありますが、限定作品としています。
何々記念とか、何周年記念とかいうときに時間制限で、公開してますので、お待ちください。