第5話 「彼とクリスマス」
私になった由美子は病院へ運ばれた。
担ぎ込まれた病院には、 私の主治医の先生がいる。
私のことをよく知っているから大丈夫だとは思うけど……
あっ 診察室から先生が出てきた…
「先生 うちの母はだいじょうぶなのでしょうか?」
お母さんが、 先生に尋ねた。
「いえ 危険な状態です。 よくても、記憶障害・脳死状態になるかもしれません。覚悟はしておいてください」
お母さんが 気を失った……
当然かもしれない。
ついさっきまで、 元気だったのに……
その後、 お母さんと私は病院へ泊まった。
「ねえ ゆみ…… いや おばあちゃんは、大丈夫だよね?」
お母さんは、 まだショックから立ち直れていない……
「そ そうね」
楽しかった一日が、 一転して暗い日になった一日だった……
12月になりました。
巷では、クリスマスシーズンに入り、商店街ではセールの催しがありました。
私になった由美子は、 まだ入院しています。
今日は、彼 とデートです。
でもね、 親にはみんなでパーティーするって、 話してあるの。
だって、そうしなきゃ 彼とよる遅くまで一緒にいられないじゃない……
「ふに~ 外はすごい風だったね」
外でのデートは寒かったので、 タカシくんの家にやってきました。
「ねえ? おじさんや おばさんたちは?」
「ああ クラスのみんなとパーティーやるって話したら、 2人で旅行にでかけたぞ」
うっ それって この家ではいま ふたりっきりってことだよねぇ?
いつかは 私も由美子としてタカシくんと結婚できるのかな……
実際 私は結婚していたけどね。
50年以上も前に……
あのときは結婚式なんて 時節柄やっても簡単なものだった。
いまのように 派手で綺麗なものは一切なかったものよ。
な~んって考えているうちに、 私がボーっとしているのを見て彼が……
「な~に ニヤニヤ しているんだよ」
「えっ そ それはね…」
うっ タカシくんが急に…
「由美子……」
バタッ……
私はベットの上に仰向けになって倒れ、彼と私は一つになった・・・・・・
バタン
気がつくと、ドアの音がした……
あっ お父さんたちが帰ってきた……
「タカシくん お父さんたちが帰ってきたみたいだから 私帰るね」
「そうか もう夜遅いし、 そのほうがいいかもね」
私は、 タカシくんの家をあとにすると家に帰った。
ガチャ
「ただいま~」
「おう! おかえり~」
奥のほうから、 お父さんの声が返ってきた。
「パーティーは、 楽しかったかい?」
にゅ
「うん 楽しかったよ」
楽しかった って聞いて、 お父さんは気分がいいようだ……
「そうだそうだ、 一ついい知らせがあるぞ」
なんだろう…?
「おばあちゃんがな 意識を取り戻したそうだ」
「え~ よかったじゃん」
「これで まあ 一安心ってことだな……」
「そうだね……」
お母さんが、 ケーキを持ってきた。
その間に、 私はお皿とフォークを並べている。
お父さんは、 ご自慢の紅茶を入れてきた。
お母さんはミルクティーが好きだけど、 私とお父さんはレモンティーが好きです。
こうして、 少し早いけど我が家のクリスマスパーティーが行われた……
18禁の描写を含めるともう少し長いのですけど、全年齢向け?なのでカットしました。
沖縄のクリスマスパーティーでは、英語が飛び交ってました。