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ウサギ狩り 後編

MMOゲームの攻略といえばパーティメンバーが付き物だ。特に自分より強大で巨大なボスが相手なら尚更だ。自分より強い相手と戦う時はどうするか?答えは単純だ、徒党を組めばいい。その点俺は幸運だった。最初に取り巻きを処理出来たことは大きい。1対多数で実力が拮抗するのは多数の方が弱い時であり1の方が弱いとただのリンチだ。このボスの適正レベルを俺は知らないがパーティ戦が基本のこのゲームに置いてソロでやるなら上げすぎくらいが丁度いいのかもしれない。


ボスウサギの戦闘モーションは蹴りや噛みつき等のウサギ特有なモーションではなくヤンキーの喧嘩のようなステゴロだった。動き自体は人間に似ている。特筆して違う点は脚力を活かしたパンチであり人間のそれよりもリーチが長くいつもの感覚で避ければ当たってしまうだろう。


事実、あと数cmズレていたら当たっていた事が何回もある。パーティなら他のメンバーが取り巻きを抑えて擬似的なタイマンや2対1の構図が作れたがソロの俺は最初に取り巻きを処理出来て本当に良かった。


ヒットアンドアウェイを徹底していたため、俺とボスのHPに次第に差がつき始めた。俺のHPはまだ満タンだがボスのHPはもうすぐ2割を切ろうとしている。


「そろそろ勝負を決めさせてもらう!恐らく、お前の弱点は取り巻きと同じ心臓部!喰らえ!『致命じっっっ!?』」


敵の残りHPを消し飛ばそうとスキルを発動しようとした瞬間世界が落ちた。正確にいえば足元の何かから突然の膝カックンを受けバランスを崩し実質的なスタン状態に陥った。と、同時にボスの攻撃がクリーンヒットし、今までこの戦闘で減ることの無かったHPが一気に4割まで削れた。


俺はすぐにその場から飛び退きボスから距離を取る。


「なんだ…何が起こった!?何とぶつかった…!」


飛び退いた場所を見てみるとそこには耳の無いウサギの姿があった。俺は戦闘開始時に耳を切り落とし蹴り飛ばした取り巻きの最期を確認していないことに気がついた。


「しまった…とどめを刺すのを忘れてた…次クリーンヒットしたら死ぬしより慎重に行かなきゃかもな」


相手はどちらともHPが削れているとはいえこちらのHPも安心とは言えない程に削られており数のアドバンテージも取られてしまった。


「そういや、レベルアップで習得したスキルに集団戦に向いてるスキルがあったような…使ってみるか。」


近くにあった石を2つ拾い、投げた。ひとつは取り巻きの近くに投げ意識を逸らす為に、もうひとつはボスの顔に投げ回避行動をとらせる為に。


『?』『!?』


成功したみたいだ。その隙を見計らって2匹の間にダッシュで割り込む。


「耳刈り取って放置して悪かったな。お詫びに首も刈ってやるよ!『リボルビングスラッシュ』!」


これはその名の通り、回転しながら周囲360°攻撃するスキル。不意を突かれた2匹は避けることも叶わずクリーンヒット、耳を刈り取られていた取り巻きは首を跳ねられエフェクトになって消え、ボスにも大ダメージ、HPは残り1撃で削りきれるラインまで減っていた。


『キィァアァァァ!!』


ボスが最後の力を振り絞り裏拳を振り抜く。武器でガードしたが、ノックバックで距離を取られてしまった。その後隙を狩るようにこちらに突進してくる。


「バカめ!直線突進なんて攻撃してくださいって言ってるようなもんだ!くたばれぇ!」


俺は右手に持っていたメイン武器の短剣を投げた。

その短剣は吸い込まれるようにボスの脳天に突き刺さった。ボスが粒子のエフェクトとなって消えていく。戦闘に勝利した。


「やったー!勝った!初見攻略だ!」


ボスのドロップアイテムを拾う。『野ウサギの首魁(リーダーヘア)の毛皮』『野ウサギの首魁(リーダーヘア)の肉』『野ウサギの首魁(リーダーヘア)の尻尾◎』


『お、レアドロップまで落ちてんじゃん!よし、さっさと第2の街に行くか。今日中にどこまで行けるかな』




「今の子…装備的に初心者みたいだけど動き良かったな…アバターも声も可愛かったし、後で声掛けよ♪」


ナギは自分がストーキングされてたことを知らない。

ボスウサギの発狂行動は単純に強い突進。

初心者帯ならよほど耐久特化でもない限り一撃でHPが吹き飛ぶくらい。

対処法は発狂がHP1割未満だから2割弱のとこで一撃で削るか直線突進だから避けるか。

発狂の時に取り巻きが生きてると掴んでぶん投げてくる。


ドロップアイテムの◎はレアアイテムの証

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