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第12話 おじさんは今後について話す。ギルドかぁ

「それでどこに行くのか決まったんですか?」


 クロが体をふいているときにジェルが俺に聞いてくる。


「う~ん、マジカル王国に行くのだけは避けたいかな。

 いくら俺とジェルがカロザス国の騎士団の一員だからとはいえ、向こうの陣地に自ら入っていくのはやめといたほうがいいとおもう」


「同感です。あと、我々二人はある程度社会的地位があるので、身の保証がされていますがクロはされていません。クロ一人でも大丈夫なように何かしらの資格を取るべきでしょう」


「いいね。俺たち二人がずっとついていられるとは限らないしね。

 それで、何を取らせるんだい?俺たちと同じように騎士団かい?」


「いいえ。彼女はまだ幼いので、騎士団の入隊条件の一つである15歳以上を満たしていません。

 なので、冒険者にしようかと思っています」


「冒険者か……」


 冒険者。

 ギルドが出している任務をこなす者たち、いわゆる何でも屋だ。

 任務はよっぽどの緊急時じゃない限りは基本任意だそうだ。


 その任務のレベルは1から9までの9段階評価。

 それに対応する冒険者のランクも1から9まで分かれているそうだ。

 どちらも数が多いほど、レベルも高くなっていく。

 冒険者のいいところは世界共通であるところだ。

 俺の所属している騎士団はこの国ではすごいとなるが、ほかの国ではあまり意味をなさない。


 それに対して冒険者であれば、意味を成す。

 例えばランクが8ですというと、この国でもほかの国でもすごいとなるのだ。

 ギルド自体が国ごとに支部が置かれており、世界規模の団体だ。

 どこの国からの干渉も受けない、しない、世界で唯一の団体である。

 冒険者の数は全世界で100万人を超えると言われている。


「いいんじゃないか。確か冒険者には年齢条件とかもなかったよね?」


「ええ、実力至上主義です。

 確か、最低限の受験料を持って行ってしたい任務を選びます。

 そのランクの任務を単独で受けて3回達成出来たら、そのランクの実力があると認められるはずです」


「なるほど」


「ただ、例外で受けたランクにおいて圧倒的な実力があると判断された場合は一回でそのランクがあると認められるそうです」


「そうか。じゃあ、ギルドに行こうか」


「そうですね。

 ですが、そうなるとこの国を出発するのはどんなに早くても明日になりますが、よろしいんですか?」


「別に構わないよ。

 特段、急ぎの用事が入っているわけでもないし、クロのことを考えるとギルドに行くことが一番重要だよ」


「とうことだそうです。わかりましたか、クロ?」


 俺との会話が終わると、ジェルはクロの方を向いて尋ねる。


「ああ、わかった」


「それなら、今は体を休ませておきなさい」


「はい」


 そう言ってクロは自然に俺のベットの上にゴロンとなり、寝始める。

 事情を説明するのも面倒だし、俺以外の部屋で寝かせるわけにもいかないか。


「それでクロは俺たちの何にしておく?」


「何とは?」


「関係性だよ。傍から見れば、おっさんがうら若き乙女を二人侍らせている状態なんだ。

 何かやましいことがあるんじゃないかと疑われるかもしれない」


「そうでしょうか?」


「そうだよ!」


 彼女は首を傾げており、事の重大性をわかっていないようだ。

 俺も若い時はそんなことを特に意識しなかった。

 だが、年を取れば徐々に世間体を気にするようになる。


 前世でも近所の人に挨拶をしなかったら不審がられた。

 小学生に笑みを浮かべたら笑われながら逃げられた。

 小学生の姪と出かけたら、周りから訝しがられた。

 そんな経験があるので、俺はこんなことを彼女に聞いているのだ。

 もちろん、本当のことを言うわけにもいかないという理由もあるが。


「でしたら、師匠の遠い親戚関係ということでいいんじゃないでしょうか?彼女が様々な所を回りたいと言って師匠が連れて回っているってことでいいんじゃないでしょうか?」


「そう、だね。うん、それでいこう」


「ギルドで何かしらの事情を聞かれるということはないと思いますけどね」


「何があるかわからないでしょ。道端で声を掛けられたりするかもしれないし」


「まぁ、可能性の話を切り出したらきりがないですが……」


「それで、その冒険者のランクはどれぐらいを受けるつもりなんだい?」


「そうですね。彼女の実力を直接見たわけではないので、何とも言えませんが3ぐらいでいいのではないかと思っています」


 ランク3といえば、冒険者のランクの中で一番ボリュームゾーンのところだ。

 妥当といえば妥当だな。

 あまり大したことがないと思うかもしれないが、あの若さだと大した逸材である。


「賛成だ。確実に受かる最高のランクとなると、多分それぐらいだと思う」


「一度やりあった師匠が言うのであれば間違いありませんね」


「あまりプレッシャーをかけないでよ」


 おじさん不安になっちゃうじゃん。

 さて、今からどうしたもんか。

 まだ夜中なので試験まで時間がある。

 特にすることがないな。


「じゃあ、俺も寝させてもらおうかな」


「ええ。それがいいと思いますよ。時間が来たら私が起こしますから」


「ありがとう」


 そう言って俺は自分のベットに入る。

 すでにクロが俺のベットに入っていたので、クロの方に背を向けて。



 日光が差し込んだ来たのがわかり俺は眩しく目を余計つぶる。

 そのまま寝ようとするが、俺は二度寝したことを思い出す。

 そこで意識が覚醒して飛び起きる。


「今って何時?」


 部屋にいるであろうジェルに聞く。

 だが、部屋にジェルの姿がないことに気が付く。

 どうやら、自分の部屋に戻ったようだ。


「うん?」


 フニフニしている何かがある。

 俺の右手のあたりだ。

 なんらかの肉塊であることがわかる。

 うすうす何であるかは予想がついている。

 このベットで寝ているのは俺とクロしかいないんだからな。


 バッと自分の右手の方を見る。

 そこには、クロの胸があった。

 そして、それをしっかり握りしめている手も。

 そこにはおっさんが10歳ぐらいの女の子の胸を握っている姿があった。


 というか、俺とクロだ。


「うわっ」


 俺はバッと手を離す。

 こんなところ誰かに見られたら……

 俺の肩書はロリコン変態になってしまう。


 俺の声に反応して彼女はもぞもぞと動く。

 そして、俺の方を見ながら言う。


「急に叫ばないでよ。びっくりするから」


「あ、ああ。すまないね」


「ん。別にいいよ」


「ってそんなことを言っている場合じゃなかった。今って何時だ?」


 俺は自分の持ってきていた時計を見る。

 どうやら今は10時のようだ。


「やばっ」


 まずいな。

 いつから試験が始まるかわからないが、これは遅刻だろう。

 しょっぱなから、遅刻というのは印象が悪い。

 試験で不利になる。


 そう思い俺がいそいそと支度を始める。

 チラッとクロの方を見る。

 当人のクロはというと、のんびりとしている。


「えっ、なんでそんな余裕なんだい?明らかに試験に遅刻するんだよ?」


 クロの様子を見て少しイラっとしてしまった。

 だが、苛立ちは抑えてなるべく優しく彼女に問いかける。


「うん。でも、昨日聞いた限りだと試験の性質上、急ぐ必要はないはず」


「うん?あれ、もしかして俺何か勘違いしているのかな?」


「たぶんそう。思い出して、どんな試験内容だったのかを」


 えーと、確か任務を受けるっていうのだったよな。

 って、ああそうか。

 俺は思い返してここで理解する。


「そういうことね」


「そ。ギルドが空いていればいつでも任務を受けることができる。

 だから、今急いでいくよりも万全の準備をしてから行く方が効率的」


「そうだね。クロ、よくわかったね」


「エッヘン」


 恥ずかしい話だ。

 俺よりもクロの方がしっかりしているだなんて。

 起きたばっかりで頭がしっかり回っていないのかもしれない。

 少しはやちとりしてしまったな。


「それじゃ、朝昼兼用でご飯を食べようか」


「うん」


「今から食堂に向かうけど、クロは俺の遠い親戚って設定だから。分かったかい?」


「うん」


 そう言って俺達は食堂に向かう。

 流石に子供連れだと目立つと思ったのだがそうでもなかった。

 というのも食堂にいる人が少なかったからである。


 おそらく、時間がずれているからだろう。

 食堂のおばちゃんは嫌な顔一つせず、クロの分のご飯をよそってくれた。


 そして俺たちはご飯を食べる。

 黙ったままでいるのも気まずいと思い、彼女に声をかける。


「今日の試験は緊張してる?」


「そこそこ」


「そっか。そこそこか……君の実力は俺がよく知っているけど、そこら辺の冒険者になら勝てるレベルだから自分の力をできるだけ出せばいいよ」


「わかってる」


「それとこれ、君が持っていた武器。

 下手に新しいものよりも使い慣れている方がいいと思って」


 そう言って私は彼女からとっていた武器の入った袋を渡す。

 彼女はそれを受け取る。


 そこで俺たちの会話は終わり、食事に戻る。

 そして、外で黙々と剣を振っているジェルに声をかける。

 彼女はマントを羽織っており、鎧を身に着けていた。

 鎧と言ってもフルフェイスの全身に着込むようなものではない。

 もっと軽装なものだ。


 胸から腰のあたりまで銀色の鎧で覆われており、赤色のマントを羽織っている。

 胸の部分を開けているので目のやり場に困る。

 他は普段の服装だ。

 ジェルの戦い方はスピードも必要とするので重装備よりも今の姿の方が彼女の戦闘スタイルにあっているだろう。


「ジェル、食事をとれたし、そろそろ行こうと思っているんだけど、どうかな?」


「いいと思います。準備をしますから少し待っていてください」


 そう言って彼女は鍛錬をやめ、服を着替える。

 見慣れているし服に彼女は着替えて俺達は冒険者ギルドに足を運ぶ。


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