16、vs副隊長+部下 part1
ステータスやスキルを封印しながら、仮面をかぶる。
仮面は顔をすべて隠せるぐらいの大きさの狐面である。意外とこれが可愛くて愛用している。
とそんなことをしつつ、副隊長たちについていく。
外から少し声が聞こえ始める。
うん、もう少しで目的地につくかな?
「この先です。」
と副隊長が言ってくれる。
魔族達の話題は大体、どんな人が魔王様たちを倒したんだろ?とかほんとに魔王様たちを倒したのか?とか、男?女?の疑問とか、可愛いのかな?や、かっこいいのかな?とかばかりである。
「総員注目ッ!」
と、副隊長が声を張り上げると、
あたりが"シーン" と静まり返りそれとほぼ同時にまるで軍隊のように"ザッ"という音がした。
そう、皆が気をつけのポーズを取ったのである。
副隊長が声を張り上げるたときに静かになるだけの腐れ集団ではないようだ。少し安心した。
「この方が、神様の使徒であり、魔王軍0軍担当のシエラ・S・ヴァーミリオンである!どうぞ」
と一歩下がって、副隊長が私に話しかける
「ありがとうね」
と、そう答えつつ前に出る。
「いま、紹介させてもらったシエラです。皆さんの思っていることや考えていることもよくわかります。」
と落ち着いた声で淡々と言葉を紡いでいく。
そして、私は一息おいたあとに
「私がニコラたちを倒したと言うことを信じられていないのでしょう。なので一つ提案があります。」
そしてまた一息をおき、
「私の実力に不安のある人は手を上げてください。手を上げた人全員を一人で相手してあげますよ。」
とてもいい笑顔でそう答えてやった。副隊長達は強制参加させるか。
「副隊長達はもちろん私と戦いますよね?」
私は言ってあげた。
そう、断るってことは私と戦うことビビってるんですか?
という煽りも込めて。
副隊長が出るならと言うことなのだろう。
ぽつぽつと手が上がり始める約3分の1程度が上がっただろう。約20人ぐらいいる。か
「結界はるので、手を上げてない人は離れてください」
声をかける。
手をあげなかった軍の部下たちは少し距離をおく。
そして私が無詠唱で、内部と外部からの干渉不可の結界を展開する。
「じゃあ、かかってきてください。あ、あといい忘れてました。殺さないように全力で手加減するのでそっちも全力で、私を潰しに来てくださいね?怪我したら直してあげますから。」
副隊長達が意を決したように、部下たちはキレたかのように襲ってくる。そこでキレるようではまだまだだね。
「まずは落ち着けッ!」
2軍副隊長が声を張り上げる。
一部はそれによって気を取り戻したようだが、それではもう遅い。戦場では一瞬の隙ですら命取りなんだよね。
約3名の反応の遅れたやつを首をトンってやるやつで気絶させて、結界の外へ投げ捨てる。
基本的に結界に出入りはできないがこの結界をつくった私には管理ができるため、外に投げ飛ばすことができる。
そして、一瞬でやられた仲間を見て周りの部下と副隊長が気をより引き締めるのがわかった。
連携を取るのだろう。
前衛と後衛に別れて戦闘をしてくるようだ。
前衛が物理で、後衛が魔法師だろう。
さて、これどうやってぶっ潰そうか。
3通りのうちから考えるとするかぁ
一つは魔法防御の結界をはり、その後に前衛を殴り飛ばして、次に後衛をぶっ飛ばすなんとも脳筋ゴリ押し戦術である。正直これが一番楽しい。近接戦だからね仕方ないね。
2つ目は私の魔眼を用いた撹乱である。これは正直おもしろみの何もかけないが、一番早くて確実性のある戦い方である。私の魔眼によって幻覚をみせ、同士打ちさせるだけのなんとも簡単な戦術である。これは一番楽だが、つまらない。
3つ目は魔法師の魔術や前衛の物理の攻撃をいなしつつ、魔法と物理を同時に戦闘に組み込んで行う戦術だ。
これは一番、戦闘での経験値自体は多くなるけど、私は戦闘経験も魔王たちで十分やれてるんだよね。
だって魔王たちだってこの世界ならそうとう強いからね。
うーん、どうしよ…。
少しでも練習は多いほうがいいかなぁ…
魔眼は私の力がバレるかもだからほぼ却下に近いかなぁ…
まじでどうしよ…