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癒しのパン

余談ですが書いていてクロワッサンが食べたくなりました。

「ベリアルさーん」

 お店の方に顔を出す。


「美琴さんこんにちは、お邪魔してます」

「ゼファイルさんこんにちは、今日もいらしてたんですね」

「私が呼んだのよ、だってみこちゃんが張り切ってパンを作るってさっさと台所に籠っちゃって。今後のこともあるからゼファイルにも話しておこうと思って」


 あははっ思いついたら楽しくなって何も考えずに行動してた、恥ずかしい~。


「ふふっ、それにしてもいい香りね~」

「そうなんです。パンが焼けました!もうすっごく美味しくって早くベリアルさんにも食べてもらいたくって!」

 早く食べてほしくてソワソワする。

「あら、みこちゃんだけ食べてズルいわ。ちょっとお昼には早いけど、いまから昼食にしましょうか」


 昨日と同じテーブルに昼食の準備をしていく。可愛いランチョンマットの上にクリームスープ、グリーンサラダ、ドレッシングはフレンチにした。真ん中にカゴに入れた丸パンを置く。


「パンもそうだけどスープもまた美味しそうね、ありがとう。みこちゃんが来てから食事が美味しくなったから嬉しいわ」

「美琴さんありがとうございます。お料理上手なんですね。昨日のケーキも美味しかったですが、この食事も本当に美味しそうだ。ベリアル様の作る料理ときたら、試食といいながら何度完食させられたことか...」

 ゼファイルさんもベリアルさんの料理食べたことあるんだ。あははっ

「そんなこと言っているなら、ゼファイルはみこちゃんの料理食べなくていいわよ」

「いえ、それとこれとは話が別です」


 ふふっ、二人のそんな会話を聞きながら、準備を終えて席につく。

「さてと、パンを食べてみてください。味もそうですが癒しの効果がどうなのか気になっていて」

「そうね、まずは食べてみましょうか。いただきます」

「いただきます」

「にゃふー」


 私はジルの取り皿に、パンを乗せる。ちぎってあげなくても前足を使って上手に食べている。

 二人は、あれれ?パンを見つめて微動だにしていない?


「えっ大丈夫ですか?美味しくなかったですか?」

「みこちゃん!最高よ、何なのこのパン。美味しいなんてもんじゃあないわよ、美味しすぎる~。しかも癒しの力もちゃんとある。ゼファイルはどう感じる?」

 ベリアルさんのテンションが高い。


「...これはまた、すごいですね。すごく美味しくて、これなら心が闇に囚われてしまった人達を救えると思います」


 やったー!すごく嬉しい~。

「本当ですか!?よかった~。ベリアルさん、これなら大丈夫ですよね?」

「...そうね、みこちゃんありがとう。だからなのね、このパンにはみこちゃんの想いが入っているのね...」


 そのあと私たちは昼食を続けた。

 クリームスープも美味しくできてるし、パンとよく合っていい感じ。


「それで、このパンをどうやって街の人達に食べてもらうかなんですけど」

「そうねぇ、みこちゃんこのパン1日にどの位作れそう?」

「通常よりも早いスピードで発酵するので時間はそこまでかからないのですが、手で捏ねているのでそんなに一度にたくさんは作れないですかね。この世界にはパンを捏ねる調理器具ってありますか?」

 

 ホームベーカリーがあれば断然お手軽になるけど、どうなんだろう。


「いいえ、パン職人はみんな手で捏ねているわね。そうねぇ、まずは作れる範囲で作ってもらって、近いところから食べてもらって、徐々に範囲を広げていく感じかしらね」

 時間はかかってしまうけど焦らず少しづづ進めていけばいいよね。


「それと同時進行で、美琴さんには王宮の料理人に作り方を教えていただき、誰が作っても効果があるのかも試したいですね」

「王宮の方に...私で大丈夫ですか!?」

 料理が本職の人に素人が教えるっていいのかな。


「美琴さん、ぜひお願いします。とりあえず王宮で働く人達に、美琴さんのパンを食べさせたいので作っていただきたいです」

「わかりました。じゃあ早速作りますね。そうだゼファイルさん、この後フルーツタルトも作る予定だったので、パンが出来るのを待つついでにお茶もしていってくださいね」

「美琴さんありがとございます。魅力的なお誘いも嬉しいです、お言葉に甘えさせていただきます」

「ゼファイルも顔に似合わず甘いもの好きよね」

「ベリアル様ほどじゃあありませんよ。それと顔に似合わずは余計です」


引き続き読んでくださってありがとうございます。

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