003 シュナイダーCA、サン・シャモン
どもチャーチル歩兵戦車が大好きなカトユーです。菱形戦車っぽい無骨さと現代戦車みたいな先進性のゴチャゴチャ感が堪らない!あ、自分は重戦車スキーです。
さて、今回はフランス戦車。正直戦後のルクレールとか戦間期のルノーB1くらいしか知らない僕ですが勉強しながら書きました。やっぱりWWⅠはよくわからん……
「さて、今回からはフランス戦車だな」
「エスカルゴ!」
「戦車の話だろ……」
「で、フランスって言われてもパッと思いつく戦車が居ないなあ……、ルクレールとか?」
「一気に現代MBT……」
「だってWWⅡではドイツにあっという間に占領されたよ?」
「それは事実だが……
でも大陸軍と言ったりするだろ?」
「大陸軍……なんか強そう」
「実際WWⅠ期のフランス軍は結構強かったんだよ」
「なんだかんだ言って戦勝国だからね〜
で、そんなおフランスの戦車はどんな感じだったの?」
「大体はイギリスと同じだな」
「あれ、じゃあ解説はあっさりめかな?」
「いや、そう簡単には終わらせられない。フランスにはフランスなりの理由とかがあって戦車が誕生したんだ」
「へえ〜
じゃあ、フランス戦車の始まりをどうぞ!」
フランス戦車の始まり
「WWⅠの塹壕戦については何度も学んだよね?」
「塹壕でステイホームして膠着状態になったんでしょ?」
「そんなゆったりしたものでは無かったが、まあそんな感じだ。しかしイギリスと比べるとフランスはより強い危機感を持っていた」
「なんで?」
「WWⅠの塹壕はどこからどこまで繋がっていた?」
「ええと、ドーバー海峡からスイス国境まで……あ、独仏の国境地帯とかだね!」
「そう。塹壕はフランス国内にもあったんだ」
「自国内が最前線って恐ろしいね……」
「ちなみに戦線が一番危なかった時にはパリから直線距離で数十kmのところまで敵がやって来たんだ」
「ひえっ……
目と鼻の先くらいじゃないですか!」
「そんなこともあって国民の怒りは無策な軍部や政府に向けれていたんだ」
「戦争中なのに…?」
「戦争中だからだよ。皆我慢だの努力だので色々と頑張ってたんだ。WWⅠだって最終的にはドイツの内乱みたいな形で終わったでしょ?」
「確かに……
ロシアもロシア革命で戦線を離脱したね」
「そうだね。で、話を戦車に戻すとこの頃ある男が新兵器である戦車を発案したんだ」
「イギリスの影響ではなく、フランス人が思いついたんだね」
「男の名前はジャン・バプティスト・ウージェーヌ・エティエンヌ大佐。彼は砲兵の将校だったよ」
「おっ!陸軍の人だったんだ!海の向こうでは何故か海軍が造ってたからねぇ……」
「ただこっちもこっちで、陸軍だからこその厄介なことになるけど……」
「え?」
「それはともかく、彼もまたホルト社(現キャタピラー社)のトラクターを見て装甲戦闘車両を思いついたらしい」
「アメリカ製のトラクターが大きな影響を与えたんだね……
イギリスでは海軍大臣のお墨付きを得て開発が進んだけど、フランスの場合はどうだったの?」
「こっちも偉い人のお墨付きを得て開発が進められたよ」
「偉い人とは?」
「伝統ある大陸軍のトップであるジョゼフ・ジャック・セゼール・ジョフル中将だよ」
「ジョゼフ……ええと、何だっけ……
フランス人って名前長くない?」
「まあまあ……」
「でヨシフに何をしたの?」
「ジョフルだよ……。どこぞの独裁者になってる。
エティエンヌはジョフルに対して塹壕戦を打開出来る新兵器を開発させて欲しいと手紙でお願いしたんだ」
「一人の砲兵将校の話が陸軍総司令官に届いたの?」
「届いたんだね。まあ、その頃は藁にもすがる、そんな感じだったかもね。
エティエンヌの手紙を見たジョフルはゴーサインを出しフランスでの戦車開発がスタートしたんだ」
「いよいよだね!」
「……ところが早速面倒なことになる」
「あれれ?」
「この計画を面白く思わない集団がいたのだ」
「集団?」
「陸軍の自動車運用管理局だね」
「自動車運用管理局?」
「陸軍の内燃機関で動くもの全てを扱う部局だよ」
「ああ、戦車もエンジン使って動くもんね」
「彼らにとっては畑違いの砲兵が自らの手で戦車を作ろうとしているのだ。そりゃ面白くないよね」
「うへぇ、面倒臭い……。じゃあ戦車は自動車運用管理局主導で開発されることになるの?」
「いや、そうはならなかった」
「え?じゃあ計画は白紙に?」
「それぞれが独自に戦車開発を進めたんだよ」
「マジか。すごく無駄なことしてる気が……」
「まあまあ、その辺りはお互いのプライドがあったんだろうね。それにエティエンヌは陸軍総司令官のジョフルのお墨付き。邪魔をすれば反逆者扱いされるかもしれなかったんだよ」
「軍隊って面倒臭いね」
「それはいつの時代も変わらんよ……」
シュナイダーCA
「話をエティエンヌの戦車に戻そう」
「砲兵が作る戦車だね!」
「エティエンヌはシュナイダー社と共同設計を行った」
「シュナイダー社?」
「フランスの有名な兵器メーカーだね」
「聞いたことがないなあ……」
シュナイダー社とは?
「今でも残る総合メーカー。東芝シェネデール・インバータ株式会社とかがあるよ」
「東芝と聞けば少し身近に感じるけど……」
「じゃあ戦前の日本陸軍に列車砲を売った会社」
「例えばどんなの?」
「九〇式二十四糎列車加農。大和型戦艦の四十六糎砲を上回る射程を持つ、日本唯一の列車砲だったよ」
「へぇー、そんな兵器があったんだ」
シュナイダーCA
「だいぶ脱線したけど砲兵と火砲メーカーが共同してつくった戦車。気になるよね?」
「めちゃくちゃ気になる!」
「まずは名前から。シュナイダーはさっき説明した開発・生産元のシュナイダー社から」
「CAは?キャビンアテンダント?」
「そんな訳ないでしょ……
CAはフランス語の「Char d'Assaut」の略。つまり突撃戦車ってことだね。そこからシュナイダー突撃戦車って呼ばれたりもする」
「突撃戦車、ドイツの突撃砲みたいだね!」
「割と似てるんだよなあ……」
「名前のことはよくわかった!実際の車両はどんな感じなの?」
「シャーシはホルト・トラクターのものをそのまま流用している」
「てことは装甲化したトラクター?」
「そんな感じだね。11mmの装甲で覆われた戦闘室の右側に短砲身75mm砲を乗っけている」
「75mm砲!イギリスより強いってことだね!」
「単純な弾の大きさは大きくなったが、それ以外は……」
「あれ?雲行きが怪しくなってきた」
「シュナイダーCAに搭載された榴弾は野砲流用の9.5口径の75mm砲だったんだ」
「はっ!?短い!」
「射程も600mくらいだった」
「なんてものを載せてんだ……
反対側はどうなの?」
「機関銃のみ」
「……マークⅣ戦車の雄雌型みたいだね」
「ちなみに機関銃は8mmのオチキス重機関銃だった」
「車体以外はフランス純正だったんだね」
「性能はともかくこうして世界で2番目に生み出された実用戦車が完成した。
ちなみにシュナイダーCAはいくつかの改良型もあるが370〜400両程度が生産された」
「フランス初の戦車も微妙だったんだね……」
スペック
重量 14.6t
乗員 6名
全長 6.32m
全幅 2.05m
全高 2.30m
エンジン 直列4気筒水冷ガソリン
55hp
出力重量比 3.77hp/t
サスペンション コイルスプリング
装甲圧 5〜11.5mm
最高速度 7.5〜8km/h
航続距離 48km
サン・シャモン
「自動車運用管理局がつくった戦車はどんな感じだったの?」
「これも砲兵大佐が設計した」
「は?また砲兵?」
「自動車運用管理局に籍を置くエミール・リメイロー大佐だね。彼が設計を行ったのをFAMH社で生産した」
「生産した会社も違うんだね……」
「まあ同時期に進めてたらからね。
ちなみにサン・シャモンは製造メーカーの所在地に因んだものらしい」
「こっちは会社名じゃないんだ……」
「構造はシュナイダーCAと同じようにホルト・トラクターのシャーシを流用したものだった」
「あれ?じゃあかなり似たようなものに出来上がったのかな?」
「いやだいぶ違う外観だよ」
「おお、ちゃんと違うものになったんだね」
「具体的には武装が車体正面に配置された」
「ホントにドイツの突撃砲みたいな配置……」
「搭載されたのは12口径の75mm砲だね」
「シュナイダーCAよりかはマシなものですね」
「それに加えてサン・シャモンは武装強化も施された」
「おお!」
「生産途中で36口径の75mm野砲に変わったんだ」
「おお、随分強化されたね」
「しかもこの野砲、M1898という有名なものなんだよ」
「1898?かなり古いものだよね?」
「そうだけど、世界初の液気圧方式駐退復座機を搭載したものだったんだ」
「へえ〜」
「日本と関わりがあるとすればアメリカ軍のM3GMCだろうね」
「M3…軽戦車?」
「GMCとあるから対戦車自走砲だよ」
「知らない……」
「某惑星(戦車ゲーム)にも実装されてるよ」
「もっと知らない()」
「……まあ、これはM3ハーフトラックの荷台にM1898をポン付けしたもので、太平洋戦争時にはフィリピンに配備されていた」
「ああ、敵方なのね」
「しかもこいつに結構苦しめられた」
「ええ……」
「M10GMCやM7プリーストが来るまで、サイパンやペリリュー、硫黄島や沖縄で使用された」
「ふーん……」
「話がそれたがサン・シャモンはかなり有力な戦車だったんだ」
「つまり大戦果を上げたと…?」
「……これまた上手くいかないんだよなあ」
「なんで?」
「そもそも信頼性が低く故障が多かった。それに加えて、根本的な設計が悪かった」
「設計?」
「さっきホルト・トラクターのシャーシを流用したと言ったが、戦闘室はかなり手が加えられていた」
「そうなの?」
「サン・シャモンは走行装置の上に装甲ボディを載せた構造なんだ」
「2つの物が別々なんだね」
「そしてその装甲ボディがよろしくなかった」
「何かあったの?」
「画像を見れば分かるがキャタピラの長さに対して車体が大きすぎたのだ」
「うわ…ホントだ。アンバランス過ぎて見てて心配になる……」
「そしてこの車体が悪さをするんだ」
「やっぱり……」
「車体が塹壕に引っかかったりと超壕能力が低下、更にバランスが悪くて走行性能もイマイチ」
「もはや戦車としては失格では…?」
「軍もそう思ったんだろうね。シュナイダーCAと同等かそれ未満の377〜400両程度が生産されなかった。しかも初期発注分だったようだ」
「ダメダメじゃないか……」
「まあフランス2番目の戦車だからね。時代的には初めての戦車的な感じだけど」
小話?
「他にサン・シャモンに関する話はある?」
「面白いの話としてはこの戦車、黎明期のものの癖にして電気モーターで無段変速機付というね……」
「なんでそこは進んだ感じなんだ……」
「まあ、故障が多いってのはコイツのせいでもあるんだが」
「言わんこっちゃない」
「最後にスペックを書いておく」
スペック
重量 22乃至23t
乗員 8名
全長 8.7乃至8.82m
全幅 2.7m
全高 2.4m
エンジン 直列4気筒水冷ガソリン
+発電機
90hp
出力重量比 4.09hp/t
サスペンション コイルスプリング
装甲圧 5〜17mm
最高速度 8〜8.5km/h
航続距離 60km
フランス軍での戦車運用
「フランス軍では戦車をどのように扱おうとしたの?」
「フランスの戦車運用思想はイギリスと違ったんだ」
「イギリスは塹壕突破のきっかけとなるものだよね」
「そうだね。それに対してフランスでは戦車を平押しローラーとして扱おうとしたんだ」
「具体的にはどんな感じ?」
「2種類の戦車は歩兵と共に前進し、その火力を使って歩兵を支援する。そういう感じだな」
「だから最初から75mm砲を積んだのか」
「先に紹介したM1898の登場により、フランス軍では歩兵支援に75mm級の火砲が必要だと考えられたんだ」
「はえー、そんなことがあったんですね」
「その辺りはイギリス軍とだいぶ違ったようだね」
終わり&次回予告
「シュナイダーCAとサン・シャモン、フランス初の戦車について学んだけどどうだった?」
「なんかイギリスとは違うな〜って。開発の流れからして全然違うし、2つの計画が進んだ時はびっくりしたよ」
「同じ陸軍の中で2つの計画が進んでたからねぇ……」
「同じ戦場で戦ってるのに運用思想も違ったし、これからどんどん国家間の差が広がっていきそう」
「そうだね。でもフランス軍での戦車運用思想の根っこは今日紹介したところだと思うよ」
「これがWWⅡまで繋がるんだね」
「そうだね」
「じゃあ次のお話だ!
どんな戦車の話をするの?」
「次はルノーFT17についてだ」
「おお!遂に近代戦車始祖がやってくる!」
「そうはいってもまだ4回目だけどね」
「確かに。まだ米露独の戦車は触れてないね……」
「今は国家ごとにやってるからね」
「まあ、いいや。とにかく次は長くなりそうだね。楽しみにしておくよ!」
サン・シャモンも今でも残ってるんですよね。カラー写真見たけどインパクトが凄いw
この頃からフランスの独特な完成が芽生えていたんですかねー(白目)
今回まで気分が乗ってたので毎日投稿でしたが、次回以降は未定になります。そろそろ本編も進めないと兵器集も進まないのでね…
以下のアカウントで情報発信、要望を受け付けています。
小説垢のお知らせ
カトユー (小説家になろう)
@RVdX8yzugRufoNT
https://twitter.com/RVdX8yzugRufoNT?s=09




