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戦車の歴史 「 ミリオタ高校生が異世界へやって来た!」番外編  作者: カトユー
第一次世界大戦期の戦車
1/4

001 リトル・ウィリー、マークⅠ戦車

 ども、にわかミリオタのカトユーです。

 いきなりですが、この作品を書こうと思った理由についてです。自分は兵器についてウェブベースで調べているのですが、幾つものウェブを探すのが面倒で嫌だなあと思ってしまいます。もちろん新発見があったりしてワクワクすることもありますが、内容が重複していることの方が多いです。そこでWikipediaメインにその他のサイトから集めた情報を集約してみようと書いてみたのが本作になります。割とあっさりめな内容なので既知の情報が多いかもしれません。でも、自分はこのミリタリー界隈に新たに入ってきた人達に、色んなことを伝えられたらなと思います。あとは学生の調べ物とかに引っ掛かればとか。


 前置きが長くなりましたが、最初の今回は戦車の始まり、マークⅠ戦車について書いていきます!

戦車の研究を任されたルークは、戦車の歴史について調べることから始めた。


 そもそも戦車とは何か?

 辞書的な意味は「装甲・武装した車体に無限軌道(=キャタピラ)をつけた攻撃用の兵器。タンク。(Oxford Languages)」である。まあ、誰もが思い浮かべるものだろう。


 では戦車が生まれたのはいつなのか?チャリオットのような古代の兵器を除いた初めての戦車は、1916年に実戦参加したイギリスのマークⅠ戦車である。



 そもそも戦車は何故必要とされたのか?

 それは塹壕戦を打開するためだ。

 ご存知の通り、戦車が登場した第一次世界大戦は、これまでとは違った戦争であった。長大な塹壕に歩兵が籠もり、戦線は膠着状態に陥った(西部戦線の塹壕はドーバー海峡から中立国のスイス国境まであった)。機関銃や大砲が数多く配置され、歩兵が突撃すればまたたく間に死体の山に変わった。戦争に勝つためには、この厄介な塹壕を突破しなければならなくなったのだ。

 それを認識した国はすぐに塹壕を突破する方法を考え始めた。

 イギリスもそのような国の一つだ。イギリス陸軍のアーネスト・ダンロップ・スウィントン中佐が、無限軌道式のトラクターに装甲を施し、戦闘室を備えた戦闘車両を思いついた。ちなみにこのトラクターというのはアメリカのホルト社(現在のキャタピラー社)のものである。

 この素晴らしく、そして画期的なアイデアは……却下された。


 だがこれに目をつけたのがイギリス海軍。何故だ()


 海軍大臣のウィンストン・チャーチルにより「陸上軍艦委員会(Landship Committee)」が創設された。1915年3月のことである。ちなみにトップは海軍設営長官である。


 7月に設計が開始され、9月には試験車両のトリットン・マシンが完成した。この車両は軍が要求した超壕能力はあったものの、足回りのトラブルなどがあった(2.4mの塹壕を横断)。



トリットン・マシン(リンカーン・マシン ナンバー1前期型)

ウィリアム・フォスター農業機械会社が開発。

トリットンは同社の取締役のウィリアム・アシュピー・トリットンから。

予定されていた武装は2ポンド砲であった。



 その後、足回りを改良して生まれたのがリトル・ウィリー(リンカーン・マシン ナンバー1後期型)である。だが無限軌道の性能がイマイチ良くなかった。

 ちなみにリトル・ウィリーはドイツ帝国のヴィルヘルム皇太子を茶化した名前である。


 その次に製作されたのがビッグ・ウィリー(試作2号車)だ。

 HMLS(国王陛下の陸上軍艦)、ムカデ、マザーと呼ばれた。

 これが資料集なんかで見かけるマークⅠ戦車に近いものとなった。菱形の車体、側面にスポンソン(張り出し)などである。スポンソンに武装が配置される。

 そしてこの時「タンク」という名称がつけられたのだ。元々の秘匿名称は「水運搬車」であった。

 ちなみにビッグ・ウィリーはヴィルヘルム2世のことである。


 完成した2つの車両は早速試験が行われた。

 まあ、結果は明らかだろうけど。


 結果が良好だったのはビッグ・ウィリーの方である。

 1月のトライアルの後、2月には人々の前でデモンストレーションを行った。そこでは丘、小川、鉄条網、塹壕等の課題をクリアした。

 その後、ビッグ・ウィリーの量産が決まり、マークⅠという制式名称が与えられた。

 40両の生産が決まったのだ(後に100両に増加)。



マークⅠ戦車


 ビッグ・ウィリーと同じ菱形の車体。2本の履帯を備えている。

 車体前面に車長用、操縦手用のキューポラが飛び出ている。武装は2パターンあり、雄型は6ポンド砲2門と雌型の7.7mm水冷機関銃である。

 2パターンあるのは塹壕突破用と歩兵撃退用という異なる運用が想定されたからである。

 装甲は8〜10mm。側面が8mmの鋼板である。

 エンジンはダイムラー ナイト水冷直列6気筒ガソリンエンジン(105hp)だった。これで28トンもの巨体を動かした。

 乗員は8名。半分が武装関連であり、もう半分が操縦関連である。操縦手、ブレーキ手(車長)、ギア手2人といった感じだ。こんなに大掛かりな操縦だったのに、進路の変更は極めて困難であった。ちなみにサスペンションはなく乗り心地は最悪だった。また、いずれ出てくるルノーFT17以降の戦車とは違い、エンジンルーム(機関室)と戦闘室が一緒で轟音と熱気に悩まされた。また、熱々のエンジンに触れて火傷をすることもあった。


 改良型についてはまたどこかで……

 意外とわかりにくい…

 ぶっちゃけ要点はチャーチルが絡んでる、海軍がつくった、そんな感じですかね。

 次回はマークⅣ戦車等の派生型を予定してる。


……もしかしたら突然戦中戦車に飛ぶかもだけど。

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