ガーディアン戦のアイテム確認
《種族レベルが上がりました。任意のステータスに2ポイント追加してください》
《職業レベルが上がりました。スキルポイントが2ポイント追加されました》
《従魔『アシュリー』の種族レベルが上がりました》
《従魔『ベル』の種族レベルが上がりました》
……
ガーディアンがいた場所を見つめ、完全にメッセージが鳴り止んだ後に、深く息を吐いた。
「はぁー。倒せたわ」
すると皆も寄ってきて、あれやこれやと声を掛けてくる。
それに応えつつ、改めてこの空間の中央にある台座に目を向けると、そこには戦闘中無くなっていたはずの球体が再度現れ浮かんでいた。
拳大のその球体は、怪しくだけど宝石のように綺麗な真紅の輝きを放っている。
「これが手紙にあったアイテムなのかしら?」
「おそらく。何だか強い力を感じます」
「そうなの?」
「はい」
アシュリーはそう言うが私には全くわからない。でも他の子も頷いているから嘘ではない様だ。
それでも嫌なものではないのか止めるようには言ってこないので、私はそれを手に持ち鑑定した。
【素材】純血魔結晶 レア度7 品質A
一種類の血液を元に作られた自然界では決して存在しない魔結晶 この一つで人種一人分の血液と魔力が込められている 込められた血液により魔結晶としての効果が異なる
(ドクン、ドクン)
「……。ふーん、純血魔結晶、ねぇ」
鑑定結果はご覧の通りだけど、手に取って初めて私も何となくだがその力のようなものを感じることが出来た。まるで心臓の拍動のように脈打つ魔力がこれから伝わってくる。
そこはいいのだけれど、問題は説明文だ。
一種類の血液から造られているのに、人種一人分の血液と魔力が込められているって事は、もしこの純血魔結晶の元となっている血液が人種に近いサイズの種族から採っていたとすると……、そういうことなのだろう。
「この輝きは、命の輝きなのかしらねぇ」
まぁそれでも、手紙には貰ってもいいと書いてあったから遠慮なく貰ってしまおう。
どう使えば正しいのかはわからないが、もう私の物になったのだから私が思いついたように使ってしまおう。
さて戻るか、と考えていたら、グレンがあることに気付いた。
「クリス様、モンスターって倒したら普通全て消えますよね?」
「あら? そのはずだけど。どういうこと?」
「あれ、残ってます」
「あれ?」
グレンが指差す方を見てみると、戦闘中に取られないように端まで投げていたレイピアが、ガーディアンが持っていたレイピアが消えずに残っていた。
それだけじゃない。言われた後に見渡してみると杖と盾も残っていた。
大剣はこの目で光となっていくのを見たので当然残ってなかったが、何故これらが残ったのかは謎だ。
倒したときに近くになかったから残ったのか、部位破壊をしたからその報酬として手に入ったのか、でも大蜘蛛の足を切断して倒しても足は手に入らなかったのでイマイチ基準がわからない。
武器限定ということだろうか。
「それらも貰っていいのかしら?」
「ガーディアンは倒しちゃったんだしいいんじゃないですか。ここに置いといても勿体ないし」
「……それもそうね」
フランクにそう言われ、使えそうな武器をみすみす見逃す必要もないので、とりあえずしまっておくことにした。
うん、ちゃんとアイテムとして回収できた。
その後改めてこの広間を見て回ったけど、秘密の扉やさらに地下へ続く階段などもなく、これで終わりのようだ。
「さて。ここでのやることも終わったことですし、早速あのアイテムを試してみたいから部屋へ戻りましょうか」
『はい』
手紙のアイテムだけでなく思わぬ収穫も手に入った私は、作戦が上手く行き皆が無事であったこともあり、喜ばしく思いながら部屋へ戻った。
~~~~~~~~
「皆お疲れ様。私は手に入れたアイテムを見てみるから、皆は自由にしていいわよ」
「控えています」
「「はーい」」
『わかりました』
部屋に戻り一息ついた私は、皆を労った後にガーディアン戦で手に入れたアイテムを【鑑定】して、これからやることに使える物がないかインベントリの中も整理することにした。
まずはガーディアンが使っていた三つの武具から。
【武器:剣】ナイトリーエストックソード レア度3 品質B
攻撃力37 重量16 耐久値83/100
騎士のために作られた細身の剣 突くことに特化している その形状からレイピアほどではないが扱うには繊細な注意と技術が求められる
【武器:杖】ナイトリースタッフ レア度3 品質B
攻撃力18 魔法力23 重量12 耐久値79/100
騎士のために作られた杖 魔法用だけでなく打撃武器としても使えるため補助用に持つ騎士が多かった
【防具:盾】ナイトリーラウンドシールド レア度3 品質B
防御力28 重量15 耐久値63/120
騎士のために作られた盾 派手にならない彫刻が施された盾 金属の盾との性能差は特にない
ガーディアンが落とした武具はナイトリーと言うシリーズの装備だった。
夜じゃなくて騎士の方のナイトだろう。と言うことはガーディアンは騎士だったと言うことなのだろうか? まぁどっちでも似たようなものか。
どうせだからこれらを装備したい子に渡しておこう。
「この杖はグレンに」
「む、重いですが使えないほどじゃないですね。ありがとうございます」
「このレイ……、剣はエイダとして、盾はアシュリーとエイダ、どっちがいい?」
「私は軽いのがいいので結構です」
アシュリーからはそう返ってきたのでエイダへ視線を送るが、彼女からも遠慮の言葉が返っていた。
「私もその大きさだとお掃除の妨げになるから遠慮したいです。それに剣も正直もっと小振りで普通の剣の方が嬉しいです……」
「そう、わかったわ。試しにこのレイピアはどうかしら?」
「それもちょっと……。ごめんなさい」
「いいのよ。ちゃんと教えてくれてありがとう」
本人が使いたくないなら無理強いするほどでもない。
整理したときに見つけた『祝福されしレイピア』のことも聞いてみたけど、やはり合わないそうだ。
性能はいいので少々勿体ない気がするが、これを使いたい人が現れるまでインベントリで眠っていてもらおう。
ガーディアンのドロップアイテムの確認が終わり、他のアイテムも見てみて軽く整理をした。その際ベルとセルにどちらか蜘蛛大樹の弓を使うか聞いてみたが、同じ装備の方が息が合うとのことで遠慮された。
この言葉で大蜘蛛の周回が決まった。
先日ステータスの計算をしてみたら、アシュリー、ベルセル以外全員のステータスが2ずつ足りないのが発覚しました。
進化に気を取られ、レベル9から10に上がったときの2ポイントを忘れていたとは……。
今後気をつけますが、通知無しにステータスが微妙に変わることがあるかもしれません。その時はお察し頂けたら幸いです。
すでに投稿分は修正しております。
それと、いつも感想頂きありがとうございます。
チマチマと書いていますので、今後ともどうかよろしくお願いしますm(_ _)m




