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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

想ヒ人 -指切-

作者:ツカサシキ
「な、にを…何をしてっ…!」

 ――ああ…。
 そんな顔をしないでください。

 これは――…これは、貴方に対する『謝罪』なのです。

「何をしていると、聞いているんだ!」

 今にも泣き出しそうな顔をしないでください。
 でも…痛い…
 痛い…。

 私は、夫である彼の目の前で…切腹をした。
 自分のお腹を刺したから当たり前だけど…お腹が、痛い…。

「聞いているのかっ?!いや、それよりもっ…早く治療をっ――」

 その言葉を聞いた私は、瞬時に差し伸ばされた彼の手を払った。

 ――触られたくなかったからだ。

 既に汚されてしまった私を…貴方は、私に何時ものように“また”優しく…愛しく…触れようとしていたから…。

 私の行動に驚いたのか、彼の差し伸ばされた手は硬直したまま…綺麗な紅い眼が、見開き「何が、起こった?」と、言わんばかりの目で、私に訴えかける。

「…申し訳、ございま…せん…旦那様、私の…私の身勝手を…お許しを…」

 私は、腹部の痛みに耐えながら…なんとか言い切ることができた。

 しかし――…その後の会話が、覚えていない。

 憶えているのは、夫の手の温もりと「分かったっ…待っているっ…!」と、悲願の籠もった言葉だった――…その言葉を聞き終えると…私は、静かに目を閉じた。
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エピソード 101 ~ 175 を表示中
※お知らせ
2025/08/03 11:00
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