1-8 少女、村に到着
※また書き直すと、思います。
手紙を読み終えると…封筒からコスモスの押し花の入った手作り栞が、出てきた。
以前、友達と一緒に作り物々交換したのと似ていたが「(新しいのを作ってくれたんだ)」と、嬉しさに思わず握りそうになってしまったが、直ぐに手を緩めた。
少し興奮してると思い、新幹線の窓から覗くと、当たり前だが次々と景色が…変わっていった。
名残が、無いわけじゃないが…やはり『村に行きたい』気持ちが、強く『早く着かないか』が、大きかった。
本当に疑問だった…どうして、そんなに毛嫌いするのか――…母の実家である村は、本当に自然豊かで四季折々の顔を見せてくれる。
その美しい四季の顔を持っているため、噂を聞き写真家や風景画を描こうと態々、都内でも有名な美術大から複数の講師の先生と生徒が村はずれにある老舗の宿を取ってまで来るほどだ。
春は、早咲きの梅から順に桃と桜の花が咲き誇りを魅せてくれる。
夏になれば、緑多き森林と青の空と一面ヒマワリ畑の景色が魅せれば、沼や池に行くと睡蓮や蓮が力強く凛とした花が咲き誇る。
そして、真夏の夜になると蛍が舞い踊る。
秋は、実りの季節だが赤や黄の艶やかで鮮やかな紅葉。
冬は、雪景色から覗く椿や南天や千両の実。
美しい――…この言葉通りの村であるが、別名『芸術家泣かせの村』とも呼ばれている。
――それでも母と姉が…毛嫌いするのは、裏山に住んでいる“土地神様”だろう。
しかし、裏山は…何時も濃い霧が立ち込めていて立ち入り禁止で入れないが…以前、その美術大の一人が勝手に入ってしまい行方不明になった事があった。
村の男集と共に消防の人と警察の人達が、いくら探しても2~3日も探したが見つからなかった。
そして、たまたま来ていた私に祖父が「土地神様にお願いしてくれないか?」と、言われ裏山の入り口まで行き『お願い』をした。
私は、もう夜だったため家に帰されたが…数分後で、その行方不明になっていた人は、脱水症状と低体温症が酷かったが、奇跡的に見つかり病院に運ばれた。
その後、私達家族は帰宅したが…何でも行方不明になっていた人の家族と美術大が村に賠償請求の裁判を起こしたが――棄却。
理由は、村に入る前の注意事項として村長である祖父から「裏山は、土地神様が住んでいるので入らずにな」と、前から言われていた事。
村でしか作っていない和紙に製作日付が付いている連絡契約表が美術大の学長と交わしていた事。
その行方不明になった人が、立ち入り禁止の立て札を壊しているのを目撃した人が居たり、注意しても「土地神なんて迷信だろ~」と、暴言を吐きながら注意を無視し裏山に入っていたそうで…偶然にも古いが、防犯カメラが始終を撮られていたため棄却の決定打になった。
その裁判後、美術大の学長自ら祖父を含む村の人達に謝罪したらしい。
祖父は、学長に「謝るなら土地神様だ!」と、一喝し裏山の入り口に案内し謝罪させたと叔母から聞いた。
・・・・・
そう思い返していると…あっという間に目的地の目と鼻の先になっていた。
荷物を整えながら…忘れ物の確認とゴミの分別をしつつ下りる準備をした。
暫くして…新幹線が、止まりドアの開閉音を響かせながら開いた。
新幹線を下りた後、村に向かうために電車に乗って揺られている。
ガタンゴトン…と、揺れる電車内の中、他の乗客が開けたのか…窓から少し肌寒い風が、入ってくる。
寒かったが…気にせずに私は「いよいよ村だ!」と、ウキウキしていた。
バスに乗り込んで数十分後、バスが停車し開閉扉が、開いた。
いそいそと荷物を持ちながら開閉扉に向かい私は「ありがとうございました」と、バスの運転手さんに挨拶しバスから降りた。
降りると…不思議と何度か、一人で来ていたが…特別感が凄かった。
バス停から村の入り口まで、歩かないといけなかったが…気にしなかったし遠かったけど私自身、大きくなったからでもあるだろうが、以前より体と足が軽かった。
走行して、村の入り口が見え近づくに連れ…冷たい春の風が暖かくなっているのを感じた。
一瞬、歩いているから体温が上がったと思っていると『フワッ…』と、とても暖かい風が私を包み込むように抱き締めるように吹いた。
私は、その風に思わずへたり込み…何時の間にか涙が零れていた。
その風を抱き締めるように自分を抱き締め「ただいま」と、言うと暖かい風が答えるようにまた抱き締めるように吹いてくれた。
――嬉しかった。
思わず泣きじゃくりそうになったが泣くのは、村に着いてからでも出来ると言い聞かせ涙を拭きながら立ち足早に村に向かった。
村に着くと今も子供だが…見慣れた風景が、出迎えてくれた。
一言で、村といっても一つの山を囲むように小町として、発展している。
昔の名残であるが、似ているとしたら…石川県金沢市長町の長町武家屋敷跡のような古民家が、立ち並んでいる。
その美しい町並みと風景に魅せられた当時の市長からの強い要望で、電気等のライフラインが最先端技術――…つまり土の中に存在している。
そのため、都会で見慣れていた電柱と電線が、一本も見当たらない。
久しぶり…と、言っても冬休みに帰ってきたばかりだから『ただいま』が正しいだろう。
思わず、言いそうになったが…恥ずかしさという感情が溢れたので、止めた。
そして、また足早に祖父のいる家に向かった。
家に着くと…玄関前で祖父が、ソワソワしながら待っていた。
【作者の舞台裏】
※許可を頂き、ネタとして投稿しております。
B(友人B氏)「シキさん作のシナリオで、ソシャゲしたい」
ツ「…突然だね、Bさん…どうした?」
C(友人C氏)「気にしなくて、大丈夫だよ…例の…」
ツ「ま、さか…」
B「しくしくしく」
ツ「…市販だけど、あったかオレンジティーを持ってくるから待ってね」
B「う、ん…」
C「手伝うよ」
ツ「ありがとー」
数分後…
ツ「それで…」
B「大ハズレを引きました!以上!」
ツ「ザックリですね…」
C「Bさんらしいな~」
ツ「その大ハズレって、キャラ?シナリオ?」
B「シ~ナ~リ~オ~…しかもメインとサブ…」
ツ「・・・・・」
C「えっ…」
ツ「そ、れは…何と言うか…」
B「ネタ切れ?」
ツ「難しいっていうからね…」
C「プレイヤーさんからのアンケートって、難しいのかな?」
B「どうなんだろう」
ツ「間に合わないんじゃない?キャンペーン中でも新しいメインだけでなくサブとか作らないと駄目らしいし…」
B「世知辛い…」
C「…オレンジティー、美味しい」
ツ「良かった」