3-4 少女の愛しい時間(2)
今回も「」が、多いです。
よろしくお願いいたします。
また彼の意地悪な質問してきた時、ドアのノック音が響いた。
「――冬霞ちゃん?そろそろ行くけど、大丈夫?」と、里見叔母さんが訪ねてきた。
「あ、すみません…直ぐに行きますー」
「無理しちゃ駄目よ?いざとなったら車椅子を用意するからねー」
「だ、大丈夫ですよっ…」
「分かった…車の準備をしてくるわね」
「は、はい」
私と叔母のドア越しだが…やり取りを終えると、また彼に抱き締められた。
「ち、ちょ…叔母さんが待ってるから…!」
「さっきの質問は、後回しにするとして…まだ言ってなかったからね」
「?何を…?」
「いってらっしゃい、気をつけてな」
「…うん、行ってきます」
彼との挨拶を済ませ…見送られながら支度を済ませつつ、自室を含む各部屋と玄関の鍵の確認をし、叔母の待つ車に向かった。
もう何時でも出発できるようにエンジンが掛かっており、車に乗り込んだ。
車に乗り込むと運転席に待機していた叔母に預かってもらっていた、診察券と保険証の入ったポーチを渡された。
中身を確認すると叔母に「大丈夫?入ってる?」と、聞かれ私は「大丈夫です、ありがとうございます」と、答えながらリュックサックにしまった。
「それじゃ、行きましょう」
「はい、よろしくお願いします」
「任せてー♪」と、言いながら叔母は車を走らせた。
車を走らせる事、数十分後…総合病院の入り口前に到着し、車から降りる時に叔母に私は「終わったらメールしますね」と、言うと叔母は「分かったわ」と、見送ってくれた。
私は、急ぎ院内に入り受付の現受診している科に登録と保険証の確認を済ませ目的地に向かった。
院内を歩く事、数分――…着いたのは、産婦人科。
そう――…今の私は、彼の子を身篭っている。
まだ自分が十五歳の未成年で、未婚ではないが…2年前の夏の私の誕生日に『仮祝言』を行っている。
しかし、あくまでも昔の村の風習であり慣わしだったが…現代の法律は、認められ無いため――…今は“許婚”として今日まで、過ごしている。
でも…今年の夏に『おめでた婚』だが、彼と結婚する事になっている。
村に到着して早々の幸せで、あっという間に年月が過ぎたから「早いなー」と、思いつつ診察を待った。
・・・・・
数十分後、看護師さんに予診の経過を聞かれた。
先程、測った血圧測定表と今日までの体調の変化を纏めたメモを渡しながら簡単な説明をすると看護師さんは「うん、うん」と、渡したメモと私の説明を確認しながら「分かりました。もう少しで呼びますので、お待ちください」と、言われた。
予診を終え、待合席に戻った。
待合席に戻り一息着いていると、蛍ちゃんといのりちゃんからメールが届いていた。
メールを確認すると『大丈夫?』とか『今からでも行けるよ』と、蛍ちゃんといのりちゃんからの二人から心配メールだった。
受診時間を見ると、もう一時限目の授業中の時刻だった…二人のメールに私は、嬉しかったが逆に思わず苦笑してしまい『大丈夫、もう少しで呼ばれて先生から教えてもらえるから報告は、待ってね』と、送信した。
まだ送信して…約1分~2分後しか経っていないのに二人からメールが、届いた。
内容は『分かった!待ってるね♪』と、同じ内容だった。
二人からのメールのやり取りをする事、数分後に順番が回り、呼ばれた。
直ぐに先生の待つ診察室に向かい、診察を受けた。
診察室の椅子に着くと先生に看護師さんに渡したメモに記した経緯や経過を質問されたので、憶えているのを一つ一つ答えた。
その後、胎児の成長を見るためのエコー検査と血液検査をする事になった。
直ぐにエコー検査を行われ胎児の状態を確認した結果――…我が子は、スクスクと元気に育っており良好。
エコー検査を無事に終え、一安心の一息を着きたかったが…次の血液検査が不安しかなかった。
妊娠する少し前にニュースの特別番組で、ある妊婦さん達の家族が、体験談を集めた特集を見ていたからだ…番組の内容が結構、怖い妊婦に掛かりやすい病気や気をつけていたのに!とかの病気だったため、怖いし不安しかない。
当時は、まだ妊娠する前でも「怖いなー」と、蛍ちゃんといのりちゃんと一緒に話してたんだが、別の特集の『ご当地・ソフトクリーム選手権大会』に釘付けになったのも覚えている。
贅沢にも白イチゴと黒イチゴを扱ったストロベリーソフトクリームらしく…見た目も馨りが、素晴らしい事に口々に「た、食べたいっ…!」と、訴えていた。
そんな事を思い返していると、産婦人科の看護師さんに呼ばれた。
診察の時に言われた血液検査をするための案内表を渡された。
看護師さんに挨拶を済ませ、血液内科に向かった。




