2-14 『教授』は、ただいま情報収集中
※また「」と食テロ(仮)から始まります。
よろしくお願いいたします。
「先輩からの情報だとー…まだ試行錯誤の途中らしいんだけどね?コッペパンにね、レタスやベビーリーフ、その上にジューシー唐揚げっ!その上にその上にっ…ピリッと、黒コショウが効いたタルタルソースがたっぷり乗せてあるんだって~」
「じゅるっ…!めちゃくちゃ美味しそうじゃありませんかっ!」
「美味しかったらしいよー!去年、立ち寄った出店の商品開発中で、アンケートとして試食を頼まれたんだって…そして、試食をしたら…」
「虜ですね?」
「よく分かってらっしゃる」
「分かりますともー!あー…でも試行錯誤なのー?」
「らいしいよー…十分、美味しかったらしいしー…私も食べたいから先輩と一緒に参加獲得したのですよ!」
「ぉおー!いいな~!いいな~!」
「まおも一緒に行こうよ~!夏休みが始まるし、歴史のサークルとしてさー♪その町は、歴史が古くてー…いい町並みが残ってるしー」
「…そうだった、歴史のサークルに入ってたんだ…」
「ちょっ…忘れてたの?」
「えへっ♪」
「あーらら~…でも真面目な話し、その町もいいんだけどー…私達、美術科が何としてでも行きたいのは、先程の話に出た村なんだよー!」
「なるほどー…その村の…写真って、あるの?」
「むふっふっ…よくぞ、聞いてくれました!ありますよんっと♪さっき、話した先輩から貰ったメールに~…えっとー?何処だっけ…とー…あったー♪」と、言いながら自分のスマートフォンを新島さんに見せてくれた。
「どれどれ~…拝見~♪ぅわぁ~…!ちょっ…すっごく綺麗なんだけどっ…!ホントにホント、同じ日本風景ですか?」
「ねっ?ねっ?もぅ~…先輩からだけど、この風景を見ちゃうとさ~…!」
「分かる!分かる…けど、破っちゃ駄目なんでしょ…?」
「うん…あ、思い出したけど…もし破っちゃった場合の話ってしたっけ?」
「ううん」
「二度と立ち入れられなくなるらしい」
「…えっ?」
「言葉通り…二度と立ちいれの許可が下りないし、仮に村に入っちゃった場合…侵入者として、強制的に追い出されてしまう…らしい」
「えっ…ちょっ…マジ?」
「マージマジ…二度も聞いちゃったよ、先生に…ホントーに大事な大事な行事みたいでね~…大学側としては、泣き寝入り…と、言ったら言いすぎか…承諾しちゃったんだ」
「え、えー…?結婚式…なんだよね?」
「土地神様の~だけどね…あー…確か、市だけでなく我が大学と他の大学も?ちゃーんと、その戒厳令を尊重してるっぽいしー」
「マジで?」
「マジですよー…先輩の話だとー…なーんでも?ある美大の生徒さん…だったか先生だか忘れちゃったけど、その村の最も重要な掟を破ってさ、立ち入り禁止の場所である裏山に無断で入っちゃったんだよ」
「ぇえっ…!」
「んでね?その結果…まるで、神隠しにあったように行方不明」
「マジでっ!ヤバいじゃんっ!」
「私も半信半疑だったけどさー…行方不明になって、何日かでー?ようやく、見つかったらしいよ」
「うわ~…」
「しかも!しかもね!そのお騒がせ行方不明者…何処で見つかったと思う?」
「えっ…ど、何処?」
「森の入り口の目と鼻の先で、酷い低体温症と脱水で見つかったんだってさ」
「ええっ…!ちょっ…コワッ…!」
「いや~…さっき、私も半信半疑だって言ったけど…マジで、怖かったわー…しょっとしたら本当に土地神様がいるんじゃないかって…」
「…でも、どうして?何日間も見つからなかったのに…あ、まさか!捜索に当たってた人達、手を抜いたんじゃ…!」
「いやいや…ところがどっこい…私も同じ事を言ったらさー…ちゃんと、消防の人達や警察の人達も加え、森の隅から隅まで捜索したけど全然、見つからなかったんだってさー…」
「え、えぇー…!」
「それで…困り果てたところ、その村の村長さんが…誰かにお願いしたのかな?そのお願いを聞き入れた途端に…」
「さ、さっき話してくれた…入り口の?」
「そう!本当に森の入り口の目と鼻の先で見つかったんだってー」
「わ、わー…よく出来た…」
「作り話だと思うでしょ?ホントのホントで、その後でねー…裁判沙汰を起こしたみたいで大学と行方不明者の家族のボロ負けてー…あ、ちゃんとその記録も残ってるよ」
「えぇー!マジでっ!」




