2-12 『教授』の家で、鍋パーティー準備
今回も「」が、多いです。
飯テロ(?)をしてしまい、申し訳ありません。
そして「すみません、お願いします」と、言うとタクシーの運転手さんは「はい、出発いたします」と、エンジンを掛けタクシーを走らせた。
タクシーが見えなくなるまで、手を振り見届けた。
「あ、教授」
「どうしました?新島さん」
「瀬戸さんからメールで…えーっと?何々…“先輩の怪我は、幸い軽傷でしたが暫く入院するそうで、オーナーと話し合った結果…約2週間ほど、サークルを休む”そうです」
「あらら…仕方ないですが、先輩さんの怪我が軽くて良かったですね」
「ですねー…――あれ?窓可からメールも着てる」
「窓可…あ、新島さんのお友達で美術科の…」
「ですです…――ん?おー…」
「どうかしましたか?」
「いや~…美術科が、夏休み中に行く予定だった所が、駄目になっちゃったらしいです」
「あらら…それは、気の毒に…」
「春だけど、鍋パーティーで慰めますかね~」
「喜ぶと思いますよ」
「春キャベツと豚しゃぶ肉を買って、しゃぶしゃぶパーティーでもしますか!」
「美味しそうですねー」
「何してるんですか?教授、置いて行きますよー?」
「えっ?」
「何を驚いてるんですかー!教授の家で、鍋パーをするんですよ」
「えぇー!そ、そんなっ…急に…!」
「問答無用の拒否権無し!」
「そんなっ…!散らかってますから駄目ですっ!」
「鍋の薬味は~…一味マヨかな?いやっ…!七味マヨも捨てがたいっ…!」
「ち、ちょっ…!聞いてますか、新島さん!」
「教授の好きな梅ネギたたきを作りますが~?」
「!う、梅ネギっ…!」
「お好きでしょう?」
「す、好きですけどっ…駄目ですっ!」
「えー?私が借りてる部屋、狭いのにー!」
「とりあえず…移動しましょう?バスの交通時間、変更になったんですよね?」
「そうだったー!こうしちゃいられんっ!」と、言いながら僕の手首を思いっきりつかみ「やっぱり、教授の部屋で鍋パしますっ!」と、有無を言わさずに僕を連れバスプールに足早に急いだ。
何度も断っているのに…新島さんの覇気に逆らえない僕は、自分自身に厭きれてしまったが仕方がない。
バタバタと、足早に走ったお陰で何とか、バスに間に合い席に座る事ができた。
席に座ると早々に新島さんは「窓可に教授の住所を送っておきますねー」と、言いながら何時の間にかカバンから取り出したスマートフォンを弄りメールを送る操作をしている。
次々と乗客が、乗り込んでいく中…新島さんが「教授」と、改めて言われた。
どうしたのかと振り返ると真顔で「美緒から連絡で“古城さんに辻本さんの連絡先を聞いていいですか?”と、書かれているのですが…?」と、言われた。
突然の報告に僕は「へ?僕の連絡先、ですか?」と、間抜けな声で聞き返してしまった。
僕の聞き返しに暫く、唸っていたが「…大丈夫か、教授だし…変な事、しないと思うし」と、ブツブツ言いながら自分に納得するよう言い聞かせながら「変な事をしたら問答無用で、警察に突き出しますからね」と、言いながら藤野さんにメールを操作をした。
気がつくと何時の間にかバスは、発車しており…遠い目になってしまった。
何十分後、目的地であるバス停に到着し、降りて早々に近所のスーパーで鍋パーティーをするための材料やノンアルコールの酒と抓み物を次々とカゴに入れていった。
会計を済ませ、スーパーを後にし急ぎ…僕の家に帰宅して早々に鍋パーティーの準備に取り掛かった。
・・・・・
着々と準備を進めていく中、チャイムが鳴った。
「窓可だ!」
「後は、大丈夫ですから出ていいですよ」
「お願いしまーす」と、言いながら新島さんは、足早に玄関に向かった。
カチャカチャと、音を立てながら使った包丁とまな板を洗っていると…二人の雑談しながら居間に向かってくる足音がした。
そして、居間に入ると――。
「うあぁ~…ほ、ホントなんだ~!うわぁ~♪」
「はいはい、感激していないで手伝ってくださいな」
「は~い♪猫ちゃん、可愛いな~♪欲しいな~…何故、ペット駄目なマンションと契約してしまったの?あたしっ…!」
「身の丈よりも安い家賃と交通の便がそこそこ良い立地で、決めたんじゃ…?」
「うん、当たりっ!」と、言いながら台所に入ると新島さんに「友達の如月窓可です」と、紹介され「よろしくお願いします」と、互いに挨拶を交わし手伝ってもらった。




