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想ヒ人 -指切-  作者: ツカサシキ
20/179

2-9 『教授』に相談(4)

立て続け投稿をします。

よろしくお願いします。

「頂きましょうか」

「ですねー♪いただきまーす!あむっ…んん~♪ぅまっ…!」

「本当…とても美味しいです」

「でしょ?でしょ?ランチタイムになると…ミルフィーユカツレツの入ったクラブサンドや季節に合わせたフルーツサンドと濃厚たまごサンドにポテトサラダサンドやコールスローのサンドイッチがっ…絶品ですっ!」

「本当に詳しいですねー」

「でも気をつけて!どの品も人気し過ぎて、直ぐに売れきれちゃうんです!」

「…常連さんなんですね、新島さん」

「何故、知ってるの?教授!」

「いや、詳しすぎるから…そうなのかと…」

「よくぞ、私が常連だと見破りましたね~」

「いやー…見破るも何も…」

「あ、ランチタイムの主なメニューは…何と言っても!ナポリタンやカルボナーラ♪旬に合わせて、シラスたっぷりチーズトーストとか~♪旬の野菜をふんだんに使ったオムレツとか最高でっ…!和風パスタも美味しいんですよ~♪そ・れ・と!ディナーもやってましてね♪ビーフシチュー…マジうまっです!」

「ツイッターとかのオススメブックとして書いてそうですね」

「流石に書きません!」

「え?そうなの?」


 部活感覚で話していると「くすくす…」と、静かな笑い声が聞こえた。


 そこそこ声が、大きかった事もあり直ぐに恐縮してしまったが…笑いの主は、古城さんだった。

 古城さんは「はぁ~…何やってるんだろ?私…藤野先輩や友達に心配掛けてもらってるのに…藤野先輩のお知り合いまで、迷惑掛けて…」と、言いながらクシャッと髪を握る。


 咄嗟に僕は「そんな、迷惑なんて!確かに見ず知らずの人ですけど、藤野さんの話しを聞いて力になりたいんです」と、変に答えてしまったが…古城さんは「ありがとうございます」と、一言を言い終えると静かに深い深呼吸を一度だけし「本当は、私達家族の問題なんですが…本当にどうしたらいいか…もう分からなくて…」と、ポツリポツリだが少しずつ話し始めた。


 古城秋名の“妹”さん、古城冬霞さんの話しをしてくれた――。


 可愛くて自慢だった事。

 家族思いだった事。

 友達思いだった事。


 古城さんにとって、とても大事にしている『思い出』の自慢話を僕と新島さんと藤野さんは、静かに聞いていた。


 でも『ある日』で、全てが大きく変わってしまった事を話してくれた。

 とても辛くて悲しくて何度も「行かないで!」と、訴えても妹さんの心は、頑なに聞き入れなかったそうだ。


「どうして、そんなに…?」

「妹は…冬霞はっ…!アレに…アレにっ…!愛されてしまったんです…!今、思い出しても寒気がするっ…どうしてよ…?冬霞…あなたは、騙されてるんだよ…?何でっ…何でよ…?私達の縁を切ってまで、アレの元に行くなんてっ…!」と、言いながらガタガタと振るえながら怯え始めた。


「お、お客様?如何なされましたか?」と、店員さんが気づき駆け寄ってきた。


 駆け寄ってきた店員さんに古城さんは「だ、大丈夫です…すみません…」と、俯きながら軽く深呼吸をし始めた。


 店員さんに僕は「騒がせてしまって、すみません…僕達が側に居ますので…」と、言うと店員さんは「畏まりました…何か、ありましたら御呼びください」と、お辞儀をし作業に戻っていった。


 店員さんが去って早々、新島さんは「ん~…」と、唸り始めた。


「どうしました?新島さん」

「いや~…さっきっから古城さんが言ってる“あれ”が分からなくてー…」

「仕方がありませんよ、新島さん…古城さんが言いたくないんですから…」

「えぇー?教授は、知りたくないんですかー?」

「知りたいですよ?知りたいですけど…今日、初めて会ったばかりの我々に話したくない『部分』を伏せられましたが、ずっと独りで悩んでいた事を話してくれたんですよ?そんなワガママを言っちゃ駄目です」


 僕の簡単な説教に新島さんに「でも~」とか「だってー」とか、軽いブーイングされつつも僕が「またケーキとか注文して良いですから、新島さん」と、言うと直ぐにメニュー表を取り出しパラパラと捲り始めた。


 既に目を付けていたのか呼び鈴を鳴らし、店員さんを呼んだ。


 店員さんがパタパタと駆けつけると「すみません、追加注文で~…カヌレとオレンジパウンドケーキと~…ティラミスを一つずつ、お願いできますか?」と、言うと店員さんは「畏まりました」と、注文表を操作しながら「ご確認させていただきます」と、注文したメニューを一つ一つ確認し終えると「少々、お待ちください」と、言い終えるとお辞儀をし厨房に向かった。

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