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想ヒ人 -指切-  作者: ツカサシキ
19/179

2-8 『教授』に相談(3)

今回も「」が多いです。

よろしくお願いします。

「大変、お待たせしました」

「まーたやってたんですか?」

「困りました…頼まれた感想文が…もう先生に頼んで、何とか借りるしかありません!」

「いや…そんな力説されても…そもそも教授が予定期間以内に返却すれば、こんな事にならなかったってだけでしょ?」

「ぉぐっ!」

「確かにねー…ただでさえ、これでもか!ってくらい貴重な文献と古書を借りるだけ借りたは、いいけど…何で、最後まで読まずに次から次にと別の借りた本に移るのか…内容、分からなくなりません?」

「いえ、そのままキープというか…保留に出来るんですよ」

「なるほど、分からん」

「えー?あっ!す、すみませんっ…えっと…?」

「突然、伺ってしまいすみません…この前の事、覚えていらっしゃいますか?」

「この前…あ、はい…――確か、藤野さんの後輩さんの…」

「はい――…その話しをしていた、この子です」と、藤野さんに促された女子高校生さんは「…は、始めまして…古城秋名と言います」と、挨拶とお辞儀をした。


 突然だったが、大学付近の喫茶店に行き話しを伺う事にした。


 本当は、大学の部室の予定だったが…瀬戸さんの知り合いから「使ってる部室の空調工事をするらしいから工事が終わるまで、部室を貸して欲しい」と、頼まれてしまい瀬戸さんが勝手に許可をし終わるまでの間、知り合いの人達と一緒にサークル活動をするらしい。


 瀬戸さん抜きで喫茶店に向かい、ドアを開けると『カランカラン♪』と、アンティークなドアベルが鳴り響く直ぐに喫茶店の店員さんが「いらっしゃいませー」と、駆け寄った。


「すみません、4名なんですけど…」

「4名様ですね、こちらにどうぞ」と、店員さんに椅子席に案内された。


 席に着くと、店員さんは「こちらがメニュー表でございます、メニューがお決まりになられましたらそちらの呼び鈴を押してください」と、手順を教えて貰い軽くお辞儀をし、次の作業に戻っていった。


「お話しをお聞きする前に何か、頼みましょうか?」

「そうですね…秋ちゃん、何がいい?」

「あ、えっと…」と、言いながらメニュー表を開きながら見ていく。

喫茶店(ココ)のオススメは、コーヒークリームが絶品のモカ・ミルククレープか…プレーンやチョコレートと紅茶の三種類が選べるシフォンケーキ、レアチーズケーキですよ♪」と、新島さんが嬉しそうにウキウキしながらメニューを勧めた。


「詳しいですね、新島さん」

「うふふ♪よくサオリと来るんです♪あたしは~…そだなー…レアチーズケーキとカフェラテにしようかな~…教授は?」

「僕は、ミルクティーだけで…藤野さんと古城さんは、何がいいですか?」

「そうですね…先程、勧めてくれた…モカ・ミルククレープとホットレモネードにします」

「紅茶のシフォンケーキと…私もミルクティーで…」

「分かりました」と、テーブルに置かれていた呼び鈴を押すと店員さんが駆けつけ「お決まりでしょうか?」と、注文表を開く。


「レアチーズケーキが一つとモカ・ミルクレープが一つ、紅茶のシフォンケーキが一つで…カフェラテが一つとホットレモネードが一つに…ミルクティーが二つ…をお願いします」

「カフェラテとミルクティー…ホットかアイスが、選べますが…?」

「あっ…カフェラテは、アイスでお願いします」

「ほ、ホットで…」

「カフェラテがアイスで…ミルクティーは、ホットでお願いします」

「畏まりました、ご注文を確認します」と、先程の注文を一つ一つ確認し終えると「少々、お待ちください」と、お辞儀をし厨房に向かった。


 お茶菓子が来るまでの間、話しを聞く事にした。

 改めて、簡単な自己紹介をし終えると女子高校生さんも「古城秋名…です」と、改めて自己紹介をしてくれた。


「藤野さんから聞いたけど、悩みがあると…」

「!はい…そうです」

「詳しく――…言いたくない事があるなら言わなくていいですので、話してくれますか?」と、静かに驚かさずに聴くが…やはり、見ず知らずの人に話す行為に抵抗があるのだろう…直ぐに俯いてしまい黙ってしまった。


 そんな、俯き黙る古城さんに藤野さんが「秋ちゃん、お願い…話して?ずっと独りで、悩み続けたら倒れちゃうよ?」と、何とか説得を試みる。


 そんな中、店員さんがワゴンを走らせ自分達の席の前に止め「失礼いたします、お待たせいたしました」と、言いながら注文した品々をテーブルに置いていく…置き終えると「ごゆっくりどうぞ」と、お辞儀をしワゴンを引きながら作業に戻っていった。


 テーブルに置かれた注文した茶菓からミルクティーの紅茶の馨り、レモネードの爽やかな馨りが広がる。

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