2-8 『教授』に相談(3)
今回も「」が多いです。
よろしくお願いします。
「大変、お待たせしました」
「まーたやってたんですか?」
「困りました…頼まれた感想文が…もう先生に頼んで、何とか借りるしかありません!」
「いや…そんな力説されても…そもそも教授が予定期間以内に返却すれば、こんな事にならなかったってだけでしょ?」
「ぉぐっ!」
「確かにねー…ただでさえ、これでもか!ってくらい貴重な文献と古書を借りるだけ借りたは、いいけど…何で、最後まで読まずに次から次にと別の借りた本に移るのか…内容、分からなくなりません?」
「いえ、そのままキープというか…保留に出来るんですよ」
「なるほど、分からん」
「えー?あっ!す、すみませんっ…えっと…?」
「突然、伺ってしまいすみません…この前の事、覚えていらっしゃいますか?」
「この前…あ、はい…――確か、藤野さんの後輩さんの…」
「はい――…その話しをしていた、この子です」と、藤野さんに促された女子高校生さんは「…は、始めまして…古城秋名と言います」と、挨拶とお辞儀をした。
突然だったが、大学付近の喫茶店に行き話しを伺う事にした。
本当は、大学の部室の予定だったが…瀬戸さんの知り合いから「使ってる部室の空調工事をするらしいから工事が終わるまで、部室を貸して欲しい」と、頼まれてしまい瀬戸さんが勝手に許可をし終わるまでの間、知り合いの人達と一緒にサークル活動をするらしい。
瀬戸さん抜きで喫茶店に向かい、ドアを開けると『カランカラン♪』と、アンティークなドアベルが鳴り響く直ぐに喫茶店の店員さんが「いらっしゃいませー」と、駆け寄った。
「すみません、4名なんですけど…」
「4名様ですね、こちらにどうぞ」と、店員さんに椅子席に案内された。
席に着くと、店員さんは「こちらがメニュー表でございます、メニューがお決まりになられましたらそちらの呼び鈴を押してください」と、手順を教えて貰い軽くお辞儀をし、次の作業に戻っていった。
「お話しをお聞きする前に何か、頼みましょうか?」
「そうですね…秋ちゃん、何がいい?」
「あ、えっと…」と、言いながらメニュー表を開きながら見ていく。
「喫茶店のオススメは、コーヒークリームが絶品のモカ・ミルククレープか…プレーンやチョコレートと紅茶の三種類が選べるシフォンケーキ、レアチーズケーキですよ♪」と、新島さんが嬉しそうにウキウキしながらメニューを勧めた。
「詳しいですね、新島さん」
「うふふ♪よくサオリと来るんです♪あたしは~…そだなー…レアチーズケーキとカフェラテにしようかな~…教授は?」
「僕は、ミルクティーだけで…藤野さんと古城さんは、何がいいですか?」
「そうですね…先程、勧めてくれた…モカ・ミルククレープとホットレモネードにします」
「紅茶のシフォンケーキと…私もミルクティーで…」
「分かりました」と、テーブルに置かれていた呼び鈴を押すと店員さんが駆けつけ「お決まりでしょうか?」と、注文表を開く。
「レアチーズケーキが一つとモカ・ミルクレープが一つ、紅茶のシフォンケーキが一つで…カフェラテが一つとホットレモネードが一つに…ミルクティーが二つ…をお願いします」
「カフェラテとミルクティー…ホットかアイスが、選べますが…?」
「あっ…カフェラテは、アイスでお願いします」
「ほ、ホットで…」
「カフェラテがアイスで…ミルクティーは、ホットでお願いします」
「畏まりました、ご注文を確認します」と、先程の注文を一つ一つ確認し終えると「少々、お待ちください」と、お辞儀をし厨房に向かった。
お茶菓子が来るまでの間、話しを聞く事にした。
改めて、簡単な自己紹介をし終えると女子高校生さんも「古城秋名…です」と、改めて自己紹介をしてくれた。
「藤野さんから聞いたけど、悩みがあると…」
「!はい…そうです」
「詳しく――…言いたくない事があるなら言わなくていいですので、話してくれますか?」と、静かに驚かさずに聴くが…やはり、見ず知らずの人に話す行為に抵抗があるのだろう…直ぐに俯いてしまい黙ってしまった。
そんな、俯き黙る古城さんに藤野さんが「秋ちゃん、お願い…話して?ずっと独りで、悩み続けたら倒れちゃうよ?」と、何とか説得を試みる。
そんな中、店員さんがワゴンを走らせ自分達の席の前に止め「失礼いたします、お待たせいたしました」と、言いながら注文した品々をテーブルに置いていく…置き終えると「ごゆっくりどうぞ」と、お辞儀をしワゴンを引きながら作業に戻っていった。
テーブルに置かれた注文した茶菓からミルクティーの紅茶の馨り、レモネードの爽やかな馨りが広がる。




