2-2 古書の語り噺(2)
※何度も申し訳ありません。
また書き直すと思いますが、よろしくお願いいたします。。
巫女に対して村人の罰当たりな行動だが、日に日に巫女に対する接し方が変わりつつも…気にせず巫女は「自分が巫女であることよりも人としての出来る最低限の供養する。」と、話した。
その言葉に村人達は、ハッとした。
しかし…中には、まだ嘲る者もいたが『人としての心』を我々は、持ち合わせているのかと考える者が増えていった。
考えれば考えるほど…我が身の可愛さの保身の強さに愕然とした。
確かに何度か弔いをしようとした者もいたが「土地神様の怒りを買うのでは?」とか「もし怒りを買った場合、何処に逃げればいいんだ?」や「怒りの呪いの解き方は?」等の保身の考えをあげれば切りが無いが…気持ちだけでも捧げても罰は、当たらないんじゃないか――…と、次第に考えが改まっていったそうだ。
――すると、どうだろう。
翌日から村長を含め村人達は、巫女の真似であるが…土地神様のお供えとは別に少し離れた場所に亡くなった貴族達への供え物が簡単な作りだが…木造の置き台に花や果物等が、置かれるようになった。
暫くすると…巫女の元に村長が、訪ねてきた。
対応すると村長は、巫女に「土地神様の花嫁になってほしい。」と、急なお願いをした。
そのお願いに驚くが…詳しく話しを聞くと村で『行っている』伝統行事の一つで、祭りを始めるための合図だというのを教えてもらった。
本来なら村の娘や孫娘に頼んでいたのだが、不況の世の中であったため出稼ぎに出て行ってしまったらしい。
急なお願いであったが、村長にも村の人達にも良くしてもらっているので「分かりました、ですが…私で大丈夫でしょうか?」と、質問をした。
その質問に村長は「いやいや!巫女様でしたら土地神様も“お喜び”になりましょう。」と、無駄に褒めたてられてしまったそうだ。
後日――…その『土地神様の花嫁』の儀式の日取りが、決まった事と改めて尼様の許可を貰いに訪ねてきた。
尼様も巫女と同様に良くしてもらっているので、許可を求めた巫女に「無事に暮らさせていただいている恩返しを籠めて、勤めを果たしてください。」と、快く許可を出した。
数日後の昼下がりの事――。
予定の時間より、早く来てしまったが…尼寺で作った何時もの薬草を染みこませた包帯等の差し入れにと、祭りの準備を手伝った。
刻々と迫り危うく約束の時間になりかけたが、幸い間に合い…村長の家の一室で用意された『土地神様の花嫁』衣装を初めて見せてもらった。
とても綺麗な寒紅の紅花染めで、仕上げた“紅色の紅無垢”だった。
本来ならば、白無垢と言うように“白”を基調だが『土地神様の花嫁』衣装は、紅色だという――…色彩と色柄豊かで鮮やかな色打掛とは、また違い“無地一色”の単色花嫁衣装だ。
そして、白無垢には『飾り刺繡』が、施されていて『意味』を持っている。
桜は“新しい門出・豊かさ”の意味を持つ。
鶴は“長寿・夫婦円満”の意味を持つ。
鳳凰は“平和・不老不死”の意味を持つ。
御所車は“富・華やかさ”の意味を持つ。
扇は“発展・繁栄”の意味を持つ。
所謂――…おまじない。
もっと、分かりやすい例えならば――…ファンタジー小説での精霊・妖精からの恩恵を基に“刺繡”題材にした『加護籠め縫い』だろう。
しかし『土地神様の花嫁衣装』に飾り刺繡は、施されていない――…花婿である“土地神様”そのものが、白無垢の飾り刺繍の『役目』を引き受けるからだ。
そして、赤一色の理由は「土地神様の好きな色」でもあるらしいが…村長が生まれる先々代の昔からの伝統儀式衣装の色だったため記録も残っておらず不明らしい。
儀式衣装だが、花嫁衣裳であるためか巫女は「私が着て、大丈夫でしょうか?」と、また再確認をするが村長の奥様は「大丈夫です、巫女様。」と、言いながらいそいそと巫女に花嫁衣裳を着せ始めた。
巫女は、初めて通す花嫁の袖の感触に緊張したが思わず、終わるまで目を瞑ってしまっていた。
そんな巫女に「大丈夫ですよ、巫女様。」と、村長の奥様に勇気付けられ…あっという間に花嫁衣裳の着付けが終わった。
着付けが、終わると…村の子供達が、おやつを強請りに訪ねてきた。
すると、花嫁衣裳に身を包んだ巫女の姿を見て「きれい…。」と、目を丸くし輝かせた。
子供達の褒め言葉に巫女は「ありがとう。」と、少し照れながら礼を言った。
子供達の声が、聞こえたのか…手伝いに来ていた子供の母親達にも口々に褒められ恐縮している巫女を見守っていたが…直ぐに目的を思い出し、おやつや畑仕事や祭りの準備をしている父親と他の兄弟達に差し入れを持たされながら見送られていた。
まだ儀式の時間まで、もう少し…なのだが、子供達から聞いたのか男衆達に差し入れと称して巫女の花嫁衣裳を見に来た。
あまりの美しさに息をするのを忘れるほど見惚れていた。
そんな男集の母親や妻に「見世物じゃないよ!」と、怒られながら再び畑仕事と祭りの準備に送り出した。
送り出して早々に「馬鹿共がすみませんでした、巫女様。」と、謝ったが巫女は「い、いえ。」と、緊張からか言葉が出なかったが…深々とお辞儀をし持ち場に戻っていった。
そして――…ついに『儀式』の準備が整ったと知らせが、届いた。
巫女は、村長の奥様に手を引かれながら村で用意したのであろう牛が、引く牛車に乗せられ、ゆっくりと走らせた。
――ギッ…ギッ…と、ゆっくりと牛車の車輪の軋む音を響かせながら回る。
どのくらい時間が、経っただろうか――…気づけば、辺りは暗く背の高い森林の中にいた。
暫くする牛車は、静かに止まり…牛車の扉を開くと二人の若い書生さんが、立っており…その一人に「どうぞ。」と、恐る恐るだったが…巫女に手を差し伸べた。
巫女も「は、はい。」と、恐る恐る書生さんの手を取り牛車から降りた。




