神との戦い
俺は、体の制御を譲れ受けた、返却されたというべきか、莫大な魔力とその知識を譲り受けた、もはや彼らの残滓は消えさった。
「勝利をもたらそう。」
俺はただ剣を振るう、草薙の剣と聖剣、慣れぬ二刀流もこれまでの経験と、ソードマスターのチート能力を用意いれば手足のように扱える。
「貴様一人殺せば終わりだというのに、」
まれに、ソードマスターのチート能力を無効化されることもあるが、世界へのバフとやらのチート能力を使いながらでは、一瞬がせいぜい、しかしその一瞬で女神を殺しきることが出来ない、魔力の消費が激しく、女神の光線と大鎌が俺の命を脅かす。
「さて、ショキが言うには、三十秒ほどしか世界へのデバフは発動しないと聞いたが、三十秒がこれほど長いとは思わなかった、」
俺の剣技は完成に近ずいていると、そう感じたけれども、魔力の低下に伴い体の動きが鈍くなっている、三十秒にすぎない時間のチキンレースだが、俺の成長速度とデバフの効果の競争だ。
「あれ?」
銃弾が何もない空をきる、そこでこの私モノガタリ・ショキは気が付いた、チート能力アカシックコードの断片と脳を一瞬だけ接続し、情報を流し込み代わりに鼻血をまき散らす。
「ああ、女神のチート能力か、発動させる前に殺すつもりが上手くいかない物だ、」
けれども生きているなら儲けもの、アカシックコードの断片には、静止していた三十秒間の情報が記載されていた、それを本を開いて確認するのではなく、脳に流し込んだ。
「チート能力、万魔の王、肉体修復、竜のいや、龍王のブレス、」
やるべきことは、イミナの回復と、女神への牽制、そしてその一秒後に予想される、女神のビームへの対応、その間に自身へのバフをかければ、
「障壁展開、反射速度上昇、肉体強化、」
女神は自身の傷を治し、その体に鱗が現れ角が生え、何というか世界へのバフに使用していたすべての魔力を、肉体の強化に使ったといった所か、
「この世界の神の姿だ、私が殺してその力を奪った、この蛇のような姿はあまり美しくないから使いたくなかったが、お前たちを相手にするなら、神の権能を使わなければやってられないからな、無残に死に果てるがよい。」
何千何百という人の壁が現れる。様々な服装の人が、武器を持って立ちふさがる。
「さあ、転移者のなれの果てよ、感謝せよ私の舞台に再び上がることを許してやろう。」
誰もがチート能力を扱い、俺達を追い詰める。
ショキは無数の魔法を繰り出し、俺は物質生成で産み出した小刀を投擲する。
「勝てるか?」
ショキの言葉に、俺は力強く答える。
「ああ、一瞬でも女神への道が開ければ、この距離からでも届かせよう。」
地面が割れた、万魔の王の魔術で地面を割、アカシックコードの断片で、マグマが沸きだした事にしたといったところか、
「確かに道を開いたぞ、英雄、」
ショキは叫ぶ、ああ女神との距離はあるが、俺と女神を遮る者は誰もいない、ならば届かせて見せよう。
「クッ、まさかここまで来るとは、だがようこそだ、私の領域へ、」
うろたえ、なおも戦意をあらわにする女神、
「ああ、お前を倒しにまいった、武に生きるからこそ、殺す覚悟も殺される覚悟も、ある。俺の名はイミナ、ノチノミヤ・イミナいざ参る。」
展開準備、草薙の剣射出、
俺は草薙の剣を投擲した。
「勇者を倒した、だがその技は見飽きた、」
女神はそう言うと、俺の投擲をかわして見せた、ああそうだろう、
「何度も見せたからな、だが、これを味わうのは初めてだろう。」
聖剣展開、射出、
「一度はよけた攻撃だ、今度も交わして見せる。」
聖剣から放たれる光が、女神の逃げ道を封じ、本体である聖剣が女神を貫く。
「よけれぬか、だがまだ手はある。神鱗の障壁、」
確かに、女神の障壁は聖剣の一撃を防いで見せた、
「満身創痍だな女神よ、そしてまだ動けるそうだろ、英雄、」
「俺に、追撃の用意あり、」
遥か上空、もはや重力の影響を受けぬほどの高度に、草薙の剣は存在していた。
「草薙の剣よ、女神を貫け、」
ふと気が付けば、聖剣が俺のての中にあった、
「私が書き換えた、聖剣は君の手の中にあると、」
「感謝する、さてこれは勇者の技だったか、輝く聖剣の光は、この世のすべてを飲み込む光、女神を打て、」
女神へと落下する草薙の剣と、女神を飲み込んだ聖剣の光が、辺りに破壊をもたらした。