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別れ
俺の家は、山腹の森の中にひっそりとたたずむ、古びた神社だ。
山道の脇道にある石段を登れば、小ぢんまりとした鳥居があり、その向こうに本殿がある。
鳥居と本殿の間には玉砂利の広場があり、右手に手を洗う湧水をたたえている。
本殿には古びた立て看板があり、この神社で奉る神について説明書きがあり、本殿の裏には住居と数台の車が並んでいる。
住居は、外見通り大きめの日本家屋の造りをしている。
板張りの廊下に、障子戸、欄間等細工は凝っており、かなりお金をかけて作られたようだ、少し老朽化が進んでいるが、立派な屋敷だ。
悪さをした時は、掛け軸のかけられた床の間で、親父に怒鳴られたものだ。