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勇者殺しの英雄譚  作者: テンユウ
18/19

親に語られた真実

全ての頭が落とされたヤマタノオロチはその姿を剣へと変え、光の粒子となって俺の元へと集う。


「見事だ人の子よ、略奪の加護か英雄に相応しい加護だ、くれてやろう、くれてやろう、我が力で身を滅ぼすか、はたまた使いこなすか、ハハハハ、」


俺は力を失い地面へと落ちる。意識を失いかけた視界のはしに、俺の住む神社が見えた、光の柱に包まれた神社が、


「神話級怪異、反応消失同時に、草薙の剣の保有するエネルギー増大、隠避の結界機能しません。」


「世界中に知れ渡りました、本物の草薙の剣の存在を、隠さなければ」


俺は意識を失い、ヤマタノオロチの力を宿した草薙の剣を手にしていた、


「貸してみろよ、」


奴が現れた、俺は奴に草薙の剣を渡す。


「おお、良い重さだだが良いのか丸腰だぜお前、」


奴がそう言うと同時に、俺は草薙の剣の元に転移した、俺は草薙の剣と魂レベルで繋がっている。


「お前の強さを知るからこそ、不意を打たせて貰う。」


奴は驚いたように目を見開き、笑いながら俺の斬撃を斬り流す。


ただひたすらに打ち合った、一撃一撃が重く、草薙の剣同士がぶつかる事に空間を軋ませ、戦場事態が持たず決着が着かぬままに目を覚ました。


「無事だったかトガメ、」


「親父、俺は、」


「お前はスサノオに乗っ取られていたんだ。」


「ちが…」


俺は否定の言葉を口にしようとしたが、親父の言葉に遮られる。


「静かに、」


無数の異形が姿を現す。


「あれは?」


「魑魅魍魎、妖怪変化の類だ、八岐大蛇の邪気に充てられて目覚めたはいい物のスサノヲの気配におびえ潜んでいた連中だ、信じられないだろうが世の中にはああいった物がいて時に人に危害を加えることがある。」


「なるほど理解した、おろしてくれ体に痛みはあるが動けないことはない。」


「バカ言え、今のお前は強制的に神降ろしをさせられた状態だ、少なくとも一週間は寝たきりだ、そんな息子を下せるか。」


「確かに全身に疲労感がたまっているな、それより囲まれたぞどう切り抜ける?」


「はぁ、うちの息子が冷静すぎる件について、誰かに相談したい気分だ、我が身 諸々禍事罪穢を 祓へ給ひ清め給、」


親父が短く唱えると、道を防ぐように現れた魑魅魍魎を払う。


「驚いたか、怪我とかしてないよなイミナ、」


「ああ、あれだけの数の何かを交わして走り抜けるとは、」


「身のこなしって事か、まあいいよく聞けイミナ、お前には剣が宿っている。そしてその存在が世界中に知れ渡った、あらゆるものがあらゆる目的で狙ってくる。」


草薙の剣の事か、


「お前は人間ではない神の血を引く、剣を宿す役割を与えられた人間だ。」


神社には、何人もの人間があわただしく作業していた。


「おかえいなさい、ノチノミヤ様、」


「作業は、」


「境内の邪気はすべて払いました、地脈を利用した結界は三重に張り巡らされています。」


「倍にしろ、魑魅魍魎の中に黄泉醜女がいた、覚醒した天皇家の神の血に反応しているのかもしれん、それに数が多すぎる一匹たりとも侵入を許すな。」


外で何かがぶつかる音がした。


「ついて来い、イミナ、」


親父が俺を呼ぶ先には、地下へと続く階段があった、そこに祀られるのは濃厚な神気と邪気を吐き出す草薙剣が祀られていた。


「草薙剣は知ってるな、それはお前が生まれたときにその魂から引き抜いたものだ、神話に描かれる伝説の神剣だ、そしてこのさやは草薙の力を封じる力がある。」


親父のその表情には、覚悟をした父親の顔だった。


「何があろうとその剣を抜くな、抜けば過去の英雄のように悲惨な最期を迎えるだろう。」


「悪いが無理だ、」

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