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オレだけが此処にいる。  作者: MRS
第一章
9/65

第八話 向かい合う二人

 ───薄暗い森林の片隅では、眠り続ける男が一人。そんな彼の真っ白な

 意識の中に、何事かの音が響く。




「───!」


 どこかからなにかがきこえる。


「───…っ!」


 おれはおとにいしきを集中する。


「───いっ!」


 更に意識を集中すると。


「おいっ! 起きろルプス!」

「ほあ?」


 重たい目蓋を開ければ、視界を埋め尽くさんばかりのダンディーフェイス。

 寝ぼけ眼に収めるにはそれは、それは余りにも。


「うわ濃っ!」

「何!?」


 俺は驚きと消化不良と少しのドキドキから、反射的に両手でソレを

 押し退けた。すると抱き抱えられていたらしい俺の体が地面へと転げ落ち。


「へぶぅあ!」


 顔面で地面と不幸せなキスをする羽目に。俺は大地から頭を持ち上げ、

 数度程振るう。その後起き上がっては、細かな再現度で衣服に付着した

 土埃を払い落としては振り返る。


「……相棒?何で此処に? 取り敢えずおはよう。」

「ああおはよう。」


 何故か相棒が立って居た。その表情は安心したようであり、疲れたよう

 でもある。何とも言えない表情も気には成るが、何故相棒が此処にいる

 のだろう? そして一体何を?


「ルプス。お前此処で何してた?」


 俺が思い浮かべた疑問と同じ疑問を、目の前の相棒が口にした。此方も

 それが聞きたい、だけど先に聞かれては仕方がないね。


「俺? 俺は昨日お前と別れてから部屋に帰って───」


 部屋で寝ようとして寝れなかった事や、此処でモンスターの攻撃で

 寝ようと試みた事を。自慢の“イケメンの休日”をテーマにした

 パジャマコーディネートの紹介も忘れず、全てを綺麗に説明してあげた。

 説明を聞き終えた相棒は一度目頭を押さえては軽く頭を沈め、再び顔を

 上げては。


「事情は分かった。ルプス、インターフェースは開けるか?」

「? 勿論。」

「じゃあ開いてみろ。」

「???」


 相棒に言われるがまま、空中に仮想インターフェースを開く。

 “それで?”と言った具合に相棒を見遣れば。


「日付だ、日付。」

「? ……!」

「分かったな。」


 確認した日付は俺が起きるはずの一日を飛ばし、未来の日付が表示されていた。

 うっかりタイムマシンにでも乗ってしまったかな? いや違うそんな訳無いよ。

 これは、これは俺が丸っと一日近く眠っていたと言う事っ! 事実に思い当たり

 呼吸が荒くなりだした俺は、辺りを忙しなく見渡しては。


「ほ、ほあ。ほわわ?」

「理解不能な言語だが、恐らくそれへの答えはイエスだ。自分が倒しておいた。」

「ほわおう! ほわおうー!」


 俺はその場で咽び泣く。相棒が来てくれなければ今も俺は眠り続け、もしか

 したらそのまま本当に永眠していたかも知れない。生きながらね……。

 おおうあ! 考えた瞬間背筋に悪寒が走る。やめやめ! 怖い事は深く考えない!

 俺は考える事をやめるため、身の毛もよだつ極悪睡眠ループから救い出して

 くれた相棒へ、一心不乱に感謝の雄叫びを上げ続けた。やがて恐怖から来る

 興奮も収まってきた頃。


「感謝、感謝永遠。本当にマジで助かったよ。徹夜しては二十四時間近く

 ぶっ通しで寝るとか、とんでもねー体験だぜ……。」

「だろうな。……なあルプス。」

「うん?」


 返事を返すと相棒は少し考える素振りを見せてから。


「お前寝てる間何をしてた?」

「何してたってそりゃあ……。寝てましたけど?」

「つまり意識が無かったのか?」

「寝てるのに意識があっちゃダメ───」


 それはおかしい、寝てても意識はあるはず。()()()()()()()()()()()()()

 ゲームの仕様でキャラクターが睡眠状態に陥っても、プレイヤーの意識が

 失われる訳が無い。そんなん怖すぎ。でも、実際に俺は寝てる間の記憶が無い。

 それは自意識が無かったと言う事で。


「やだ! 背筋がゾアゾアする!何かゾアゾアする!」


 本日二度目の悪寒が背筋をトップスピードで駆け抜けた。その後に来る

 衝撃に身を(よじ)り、底知れぬ不安と俺が戦っていると。相棒が疲れた

 様に笑いながら。


「お前がどうかは知らないが、俺は今一杯やりたい気分だ。」

「……俺も。」

「何時もの場所でいいな?」


 相棒の問い掛けに頷きを返す。そして、俺たちは二人揃って

 町へ跳ぶ事に。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 不気味な森林フィールドから町へ、酒場『昼行灯』前へと跳んで来た俺たち。

 町へ跳んで来た事で分かったけど、ゲーム内時刻は既に夕暮れ時らしい。

 日の沈みかけた町ではポツポツと柔らかな明かりが建物に灯り、窓から零れる

 光はレンガ作りの町並みに暖かさを(もたら)している。とは言え、既に

 見慣れた酒場を見上げる何て事はせず、俺と相棒はさっさと酒場の中へと進む。

 イベント終了直後で賑わう店内を見渡し、空いていた適当なテーブル

 席へ相棒と向かい合わせに座る。席に着いて暫くするとコルセットに

 エプロンドレス姿の女性が駆け寄って来ては。


「ご注文はお決まりでしょうかー?」


 何て聞いてくる。この女性がバイトプレイヤーかNPCかは見分けが突かない

 けど、この酒場のウェイトレスだって事は知ってるし分かってる。なので。


「俺はデンキトカゲのビール。」

「此方はただのラムを頼む。」

「ご注文承りました! では直ぐにお運びしますねー!」


 元気の言いウェイトレスさんは俺たちの側を離れカウンターへと向かって行く。

 その後姿を何となくで追っていると、他の客が視界の端に留まる。別に知り合い

 でも何でも無いがチラチラと此方を見ている気が、いや明らかに見ている。

 んー? なんだろうか?


「デンキトカゲのビール?」


 チラ見の理由を考えていると相棒が声を掛けて来た。俺は考えを切り替え、

 相棒の方へと向き直り。


「あによ?」

「いいや、相変わらず変な物を頼むな。と思って。」

「何だよ面白そうだろ? だってデンキトカゲだぜ? モンスターの。

 俺はこう言うファンタジー世界ならではの物を楽しみたい。」

「そうか。自分には理解出来ない楽しみだ。」


 すかした相棒。そんな相棒へ俺は言ってやる。


「な~に言ってんだよ。相棒だってこの前ドラゴンワイン

 とか頼んでたじゃん。」

「……よく見てる。」


 そんな他愛のない会話をしていると、先ほど注文を受けたウェイトレス

 さんが注文した物を持って来る。注文の品を俺と相棒それぞれの前に

 置いては。


「ではごゆっくりどうぞー!」


 また元気の良い挨拶の後、次のテーブルへと駆けて行く。俺と相棒は

 前に置かれたジョッキとロックグラスを手に取り。


「「乾杯。」」


 “コンッ”等とコップ同士をぶつけて音を鳴らし、中の液体を一口飲み込む。

 飲み込んだ液体が喉を駆け抜ける。暫くすると舌先から喉の辺りへビリビリ

 とした刺激を感じる。これは炭酸ともビール特有の物とも違う、不思議な刺激。

 味に関係ないからかよく感じられる。


「美味いか?」

「ビリビリする。」

「?」


 味なんてほぼ無いゲームの中。雰囲気だけと分かっているが、質問に俺は

 素直な感想で応える。だけど俺の応えに疑問気な様子の相棒。でもそれは

 どうでもいい物だったらしく、相棒はロックグラスを置いて、テーブル

 上で小さな仮想インターフェースを開き何事か操作している。その様子を

 静かに眺めていると、相棒は手を此方へ向けて弾くように動かした。

 すると俺の目の前にも同様の仮想インターフェースが開き、画面には

『ウィスパーモードへの誘いが来ています。参加しますか?』等と言う

 システムメッセージの表示。俺は画面を操作して誘いに許可を出す。

 瞬間、それまで聞こえていた酒場の誰それの話し声が一瞬で消え、静寂が

 訪れた。


「これで周りの声は俺たちには聞こえないし、俺たちの会話も周り

 には聞こえない。」

「ホント、VR系はこう言うのが便利だよなー。そら色んなもんの主体

 になるわ。」


 俺は辺りを見渡しながら話す。見渡した先ではプレイヤー達の口が

 動いているが、声は此方に聞こえて来ない。それは向こうのプレイヤー

 達も同じ。今、このテーブル席に座ってる俺と相棒だけが、お互いの声を

 認識出来る状態だ。文字チャット以外で内々な話をするには大変便利な

 システム。だけど、俺がこのシステムを本当に素晴らしいと思えるのは、

 盗聴しようと思えば出来る点、だね。ま、それは今関係ないか。

 相棒も俺もセキュリティ意識高いし。


「そんで。なーんで今コレ使ったの?」

「酒場でコレを使うのが好きじゃないのは知ってる、だが人混みの

 中、お前自身の話は出来ないだろ。」

「まぁそうね。」


 ゲーム内の雰囲気を重視する俺にとって、酒場でコレの使用は好まない。

 なのに態々使わせるって事は……。そうだろうと思っていた。相棒が片手に

 グラスを取り口へと傾け、中の液体で仮想的に喉を潤し。


「ルプス。お前の身に起こった事は謎だ。だが謎のままにはして置けない

 だろう?」

「いや全然謎のままで良いけど?」

「……何?」


 俺の即答に相棒が不思議な表情を見せる。その相棒へ俺は、語りたくない

 事を語る事にした。


「まず現実のオレがその、アレに成ってる事とかはまだ受け止めきれ

 てない訳。辛うじて正気を失わずに踏み止まれているのは、今の俺は

 取り敢えず俺だって事。それで無理やり自分を納得させて、謎について

 は何も考えない様にしてるからなの。」


 一度話を区切り、そして。


「勿論親愛なる相棒の支えもあるからね、多少は考えても大丈夫さ。

 でも謎について真剣に考えるってしらたら大変。だってそもそもの話し、

 考える頭、俺の記憶は今何処にある? 体も無いのに過去の記憶と、この

 俺の新しい記憶は一体全体何処に記録されてるよ? 思い出は? 感情は?

 ………。」

「……おい?」


 急に黙る俺へ相棒が心配した様子で声を飛ばす。その返事に俺は。


「ぁぁぁあああああ考えだしたらSAN値がすり減るぅううう!」

「!?」

「無理! 無理無ー理! 辛い事には立ち向かわず、目背けるグラス

 ハートの俺には無理! リアルに寄った事は考えたくないぃぃぃぃいい!」


 ぐるぐると回り出した考えに、心臓っぽい場所が脈らしい何かを早め、

 思考が加速するのを本能的に叫ぶ事で抑え込んだ。そして頭を抱えては

 テーブルに沈む。頭の回線がショートした俺。おでこをテーブルに付け

 ながら。


「……刹那的に考えて生きないと、自分自身の考えに俺が押し潰され

 ちゃうよ。今は。」


 ボソッと呟く。少ししてからチラリと相棒の事を見上げる。

 見上げた相棒は目を瞑っていて、一度頷いたかと思えば。


「分かった。ソレは今は考えない方が良さそうだな。だがルプス、現状

 ゲームのキャラと成ったらしいお前自身については、今確認する必要が

 あると思うぞ。」

「いや、だから考えるのは───」

「リアルに寄った事じゃなくて、確認するべきはゲーム的な事だ。」

「えー……。それ必要? 別に今楽しくエンジョイプレイが出来て

 いるしー……。」

「必要だ。少し考えてもみろ。睡眠状態で意識なくすなんて、普通の

 プレイヤーにはまず無い事だ。これはお前に、ルプスの身だけに何かが

 起きてるって事だろ? それを確認するの事。つまり新しくなった今を

 ゲーム的に把握する。それをこれからの行動指針の一つにしてみないか?」


 睡眠の事を言われて一瞬息の止まる思いをした俺は、相棒の言った事を

 考える。何でこうなったかは分からないしまだ考えたくない。でも何かを

 していないと考えてしまいそうでもあった。それに、今の俺自身を把握する

 事はとても大切な事に思える。今までとこれからは違うものだとしたら、

 改めて俺は自分自身、此処での新たな俺を把握する必要があると思う。


「確かに、相棒の言う事も一理あるわ。てかその、さ。何をするって

 まだ決めてないけど、相棒は付き合ってくれる気、なの?」


 俺が自信無さ気に話すと、相棒は乙女のハートをぶち抜かんレベルの

 ダンディースマイル魅せつけ。


「ああ、側に居てやるさ。」

「むひゅ! そそ、そうかい。」


 乙女じゃないが、俺の乙女な部分は間違いなく撃ち抜かれた。照れるような

 気恥ずかしさを感じ、テーブルにおでこを強く押し付けてしまう。良い相棒

 だぜとしみじみ思っていると頭上から。


「よし。ならまずは、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

「……は?」


 “バッ”と顔を上げる。えちょ、今相棒何て言った?


「ああそれにダメージを受けてどうなるかも調べる必要があるよな。」

「いやいや、いやいやいや。何で何で? 何でそんな事考えるの?

 え、嫌い?俺の事嫌いなの? もっと俺を大切にしよ?」

「嫌いじゃない。しかしなルプス、今のお前はゲームのキャラ。

 それが今のお前自身だ。ならその身を守るためにも肉体構造を

 把握する必要が、実験の必要があるんだ。」


 実験と言う言葉に底知れぬ不安と恐怖を感じる。そんな俺へ相棒は。


「安心しろ。ライフポイントをゼロにする事はしないから。」

「……限りなくゼロに近い数値にはするって事?」

「安心しろ。」

「答えないの!? おい全然安心できねーけど! あ、ああーあああー。

 そうだ今日は用事が───」

「そんな物が無いのは知っている。」

「人権んんんんん!」

「今のお前にはそれも無い物だ。ほら行くぞ。」

「ああああぁぁぁぁぁぁ!」


 俺の腕を掴んだ相棒が指を一度鳴らす。瞬間、酒場の賑やかな喧騒が耳へと

 再び届く。ウィスパーモードを格好いいモーションで解除した後、相棒は

 掴んだ俺の腕を引っ張り酒場の外へと歩き出る───


 ───止む無く相棒に引きずられて酒場の外へ出て来た。外に出た所で

 相棒が俺の腕を離す、ここでチャンスとばかりに逃げ出したりは───しない。

 不安だけど、俺も俺自身の把握は必要だと思う。他の嫌な事に考えを巡らせ

 ない、有意義な暇潰しにも成りそうだしね。


「……で、何処で何するよ。」

「そうだな。さっきも言ったがまずは、状態異常の挙動を一通り

 確認しようと思う。」

「それは良いん、いや正直ヤダけどもさ。俺耐性マイナス装備

 これっきゃ無いよ?」


 特別な理由でも無い限り、態々デメリットのある装備を手元に残した

 りはしない。だから当然倉庫にある装備は質の良い物ばかりだし、

 店売りの物を買って装備しても、或いは裸一貫であっても。既に

 レベルの上がってアビリティやら何やらで本体耐性もそこそこ。

 だからその辺の雑魚では俺に傷を負わせる事、まして状態異常も

 難しいだろうね。そんな事を相棒に伝えながら、俺は自分の姿を

 何となく見下ろす。見下ろした先に見えた姿はパジャマ。


「うおい! 俺パジャマ姿で酒場に居たの!?」

「ん? ああそうだ。」

「『そうだ。』じゃねーよ!言ってよ! ちょ、もう恥ずかしい!」


 俺は仮想インターフェースを開き何時もの見た目装備へ速攻姿を変更。

 全く、気が付いていたなら教えて欲しい。着替え終えた俺が、責める

 ように相棒を見上げると。


「その、別に恥ずかしい事は無かったと思う。もっと可笑しな格好の奴や、

 意味不明な格好をしてる輩も居たじゃないか。バケツ頭にシャツとズボン

 とか。」

「アレは様式美的な物だから良いの。てか他のプレイヤーはいーの!

 これは俺の信条の問題なの、し・ん・じょ・う!」


 隣で肩をすくめる相棒。相棒はこのゲームでは服装に拘らないらしい様で、

 実は彼の見た目装備のコーディネートは俺が一緒に選んだ、と言うかほぼ

 アドバイス全てが採用された結果なのだ。うーん我ながらナイスなチョイス。

 ブーツの爪先から渋い顔つきまで、下から上へと見上げる。見上げた相棒

 は少し考え事をしてる様子、かと思えば。


「ルプス。」

「んあ?」

「取り敢えずフィールドに出よう。」

「あいよ。」


 相棒と並び歩き、町の外を目指す。歩き進む町並みは中世ヨーロッパ風の、

 至極真っ当な剣と魔法世界のソレ。見慣れた景観を流し見しつつ、街中を

 歩いては外へと続く大扉を通り抜け、二人はフィールドへ。俺が活動拠点

 にしている町の外は、平坦な野原が広々と続き。のどかな見た目通りの

 平和な場所で、アクティブモンスターもネームドも居ない。まあ何処の

 町の側も大抵はこんなもんだけどね。

 外に出た相棒は何処かへ跳ぶ等といった事もせず、そのまま野原を歩いて

 町から離れるつもりらしい。行く宛があるらしい相棒に俺も続く。

 そうして、町の明かりも遠くと成った頃。相棒が歩みを止め。


「この辺りで良いな。」

「え此処? 何も……無いけど?」


 辺りを見渡すもウザギっぽい雑魚がいるだけで、移動中のプレイヤーすら

 居ない。あの雑魚に状態異常攻撃があるとは思えない。俺が疑問符を頭に

 浮かべていると、相棒が腰に手を回す。すると何も握っていなかった

 手に光が一瞬集まり直ぐに光は消え、光の消えた後にはハンドガンが

 一丁握られていた。銃を握った相棒が俺を見詰め。


「ルプス。PVP(対人戦)をしよう。」

「え゛。」


 相棒の言葉と同時に決闘の申請が俺へ届く。このゲームではPVPを

 したい場合は専用コンテツや、強制PVPエリアに行くなどがある。

 それ以外としては、この様に相手へ決闘を直接申し込んだりだ。

 そして今まさに相棒から決闘を申し込まれている。申請を保留に

 しながら俺は相棒に問い掛ける。


「因みに何で今?」

「決まってる。」


 相棒は手にしたハンドガンの銃口を俺に向けながら。


「実験の為だ。並の敵じゃルプスに状態異常を付与出来ない。だから

 と言って手強い場所に行く訳にも行かない。レベルドレインシステム

 を使用するのはまた別の実験になる。となると残る選択しは───コレだ。」

「ですよねー!」


 冷たく言い放つ。……冷たいと感じるのは気の所為かもだけど。

 いやきっと気の所為。気の所為じゃないと困るっ!




 俺はたじろぎながらも、相棒からの決闘申請を受ける事に───

物語をお読みいただきありがとうございます。この物語が貴方様が喜ばれる物であったのなら

幸いです。この物語を最後までお読みいただいた貴方様に心からの感謝と御礼を此処に。

誠にありがとうございます。

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