幕間
───獣の王国入口付近。騒ぐウサギに様々な種類のビーストマ
ンからの視線が集まる。
着ぐるみウサギは小さなネコ娘を両手で持ち上げ、激しく揺さぶ
っている。側には羽の手でバタつかせ慌てるだけの鳥人。
「なんだなんだ?」
「揉め事?」
彼らを遠目で見ているビーストマンと。
「アハハ。面白いなぁ」
ビーストマンらしき人影。
「面白いモノが見れただけでなく、もっと面白い事も知れたか
な? やっぱり見に来てよかった。うんうん」
観衆に混じる猫耳仮面の誰か。彼は頭を左右に揺らしながら路地
へと向かう。
「ルールが退屈なら変えればいい、破ればいい。
こんな簡単な事にも気が付けないバカばっかりだと思ったけど。
当然と言えば当然だよね」
人気のない路地へと入ると。頭へつけていた猫耳を外し、道の端
へと未練もなく投げ捨てる。
「誰も彼も古いんだ。仕方ない仕方ない」
路地へと並ぶは建物裏手。そして同じく並び揃う裏口扉の数々。
人影は一つのドアの前に立つと、手の平サイズの何かを取り出し
てはドアへと向け、“カチッ”っとボタンの様な物を押し込む。
するとドアは人影を招くかのように独りでに開いては。
「やっぱり僕達にはニンゲンが必要。アハ!面白くなりそう!」
仮面の誰かは扉の中へと進む。人影を飲み込んだ扉は拒絶を示す
ように閉まる。
残ったのは静かな路地裏。誰も彼の存在を認識しなかったろう。
誰もこの事を覚えてはいないだろう。
知っているのは仮想の世界だけ───
最後までお読みいただきありがとうございます。この物語が少しでも楽しめる物であったのなら
幸いです。
物語を最後までお読みいただいた貴方様に心からの感謝とお礼を此処に。誠にありがとうございます。




