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オレだけが此処にいる。  作者: MRS
第五章
53/65

プロローグ

 ───ランダムな風に合わせ靡く草、ズレのない大地。変哲もな

 い仮想の原野(テクスチャ)




 生い茂る雑草を踏み歩くは猪顔の中型二足獣、低木に止まるは一

 本足の怪鳥、草陰に潜むは赤目のげっ歯類。

 皆探索者(プレイヤー)へと襲いかかるべく制作された魔物(モンスター)


『───』


 うろつく彼らには素晴らしき科学技術の産物、量産型AIが搭載

 されている。組まれたAIに従い魔物達は一定の範囲を行き交

 う。

 用意されたチャートの通り、今も彼らは歩く。飛ぶ。這いずる。


『! ───』


 だがおかしな事に。一匹の魔物は何もない場所で突然立ち止まっ

 ては、進む方向を百八十度変更。


『『───』』


 一匹だけでは無い。他の多くの魔物も同じ場所を避けている様子

 だ。広範囲に広がる不思議(バグ)不可思議(不具合)な現象。

 まるで、まるで()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 この場所が人気であれば、モンスターへ搭載されたAIの学習能

 力が低ければ。もしかしたら誰かが気が付いたかも知れない現

 象。




 ああしかし。此処に人気は無く、AIは障害を学習し。誰にも

 気が付かれる事はなかった。

 仮想の原野に紛れる異物、不可視の王国こそが其処に───

最後までお読みいただきありがとうございます。この物語が少しでも楽しめる物であったのなら

幸いです。

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