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オレだけが此処にいる。  作者: MRS
第四章
42/65

プロローグ

 電脳空間へ浮かんでは沈む仮想の世界。際限の無い需要を満たす

 ための供給が、無数の仮想世界を創り出す。夢幻が如き仮想世界

 サービスの一つ。VRMMO『エリュシオン』

 テンプレートなファンタジー世界そのままに構築された中世風の

 町並み、石作の歩道。ありもしないノスタルジーを錯覚させる町

 中を、地を踏みしめ歩くのはプレイヤーの代理。個性を豊かにさ

 れたゲームキャラクター達だ。




 多種多様な見た目をしたキャラクター達の一人、空色の髪をした

 青年が視線を少し動かせば、行き先は自らが歩く道の端。


「ねえねえどうかなこれ? 新しいレシピでツバサを染色してみ

 たんだー!」

「え、メッチャかわいいっ!」

「でしょでしょ?」


 道の端で雑談を楽しむ二人の女性キャラクター。

 少々目に厳しい色彩の、ピンクカラーな()を広げ自分の身体を

 少し捻り見せるのは、鳥人(ハーピー)なキャラクター。フレンドらしき

 冒険者風の女性が『レシピは?』等と問い掛けては雑談に花が咲

 き誇る。


「(あれってばー……多分プレイヤーかな?)」


 町を歩く青年は気が付かれぬよう。すれ違う誰かに、談笑する誰

 かれを盗み見て行く。そうして頭の中で何事かの判定を下しては

 歩を進ませる。


「いらっしゃいませ。ようこそ。今日の、御用は何でしょう」

「アイテム売買で」

「アイテム。売買。……ではお取引を───」


 中世ファンタジーで如何にもな装いの露天商人と、近代的な格好

 の取引相手。


「(あの商人は口調が初期NPCっぽいから、多分NPC? 客の方は

 このエリアであの格好なんだから、多分プレイヤーだよな。

 あーでも、服装で判断ってのも正確じゃねえか)」


 青年がまた頭の中で何事かを思案。

 彼は町中で現実からの投影物、或いは仮想の住人を見遣って歩

 き。歩く。


「(んー……。公開ステに載ってれば分かっけど、ステ見ないで

 見分け付けてぇなぁ。あ、でも公開ステを見ても『ホント』かは

 結局分からねーのか? NPCはNPCとしか表示されねえだろうし。

 くぁ~!マジで素での見分け技術必要かも知れねえなぁ……)」


 その場で腕を組み頭を傾げ悩む姿勢をとる青年。キャラクターの

 何人かが彼の脇を通り抜けた頃。


「(ま! とりま明らかNPCだろって奴を見付けて、行動を追っか

 けよ! 眼力鍛えれば見分けもつくっしょ!)」


 青年は足取りも軽く再び歩き出す。


「(キャラクター観察とか初期も初期に卒業した遊びだってのによ

 お。周りのキャラん中に得体の知れないナニカが入ってるって知

 っちまうと……ちょっと面白いじゃねえの!)」




 町の中で青年が視線を忙しく動かす。楽し気に、愉快そうに。そ

 れはまるで、時間と言う概念を希薄にするかの如く───

最後までお読みいただきありがとうございます。この物語が少しでも楽しめる物であったのなら

幸いです。

物語を最後までお読みいただいた貴方様に心からの感謝とお礼を此処に。誠にありがとうございます。

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