表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オレだけが此処にいる。  作者: MRS
第三章
41/65

幕間 信用

 ───広く豪華と言える内装の室内。天幕の付いたベッドの置か

 れたその部屋を。半目な空色の青年がブロンド女性に連れられ

 部屋を去って行く。




「……本当によろしかったのですか?」


 青年が去った扉を閉じ。振り向きざまに声を飛ばしたのはベス

 トを羽織った凛々し気な女性。


「別に……。ぐす。良いんじゃない?……。んっ……。」


 泣いているのか泣いていたのか。飛んだ言葉を受け取ったのはベ

 ッドの上に座る幼い少女。だが幼い見た目にはそぐわない気品を

 漂わせている。

 涙を浮かべた姿が時に弱々しく、或いは少々見っともない様子で

 あったとしても、だ。


「アレは何処のモノとも分かりません。異質なモノを此処に率

 い入れて良いものか。私は疑問です。」

「んん。勇士な感じだし……。いいわよ……ぐす。」


 未だ鼻を啜る幼女の姿に、ベストを羽織った女性は少しだけ眉を

 潜める。


「ええ。ええ、ええ! 彼は間違いなく勇士で、その資質はとっ

 ても十分なものでした!」


 ニコニコ笑顔で言葉を発したのは、彼を見送り戻って来たブロン

 ド女性。


「それとも……。ミランジェさんは私の目を疑ってますか?」


 少し表情を曇らせるブロンド女性。彼女へ見えるよう、ベストを

 羽織った女性が首を左右に一度小さく振り。


「いいえ。───とは言っても。此処でも目は役に立つのです

 か?」

「立ちません。ですが勘は確かと言っています。」

「勘、ですか。乙女と言うのは目で選ぶのかと。」

「勘も大事ですよ? 目で言うなら───そっちはどうなんです?」


 剣呑な雰囲気で見つめ合う二人の女性。辺りの空気がその重さを

 徐々に増して行く。


「……二人共やめろ。」

「「!」」


 重さを増した空気を一瞬で霧散させる程の威圧が放たれた。

 そんなモノを放ったのはベッド上の幼女。威圧を収めずそのまま

 彼女は。


「アレがどう言った存在か何てどうだって良い。利用出来る者は利

 用すれば良い。わたしが動けず、乙女たちも思ったほど動けて無

 いなら尚更ね。」

「! ……。」


 言葉にブロンド女性が“ピクリ”と反応を示す。

 幼女はその様子に僅かの興味も示さず。視線をベストを羽織る女

 性へと写し。


「異分子を使うぐらいなら私達が~って。そんな口実でわたしか

 ら“アレ”を引き出したいのでしょうけど。それは無理よ?」

「まさか。そんな事は考えてもいませんでした。」

「「……。」」


 視線を真っ直ぐにとぶつけ合う幼女とベスト姿の女性。


「……ふふ。まあそう言う事にしてあげる。」


 幼女が薄く冷ややかに笑い。場に放たれていた威圧が消え去る。

 二人の女性から力が少し抜けては。


「アレは利用出来る。魂があって使えるモノなのだから、精々此

 方で使い潰せば良いのよあんなの。貴方達もその考えで接しな

 さい。」

「分かりました。」

「……分かりました。」

「ん。心許さず、気を許さず。都合の良いモノでね。」


 幼女はそれだけ言うと。


「ボロ雑巾、いえそれ以下に使って使って使い潰してやるのよ。

 その上で……。ふふふ。ふふふふ。」


 何かを呟きながら幼女がベットの上、枕を持ち上げ。其処に居な

 い誰かを投影しては。




 奇妙な笑みを浮かべる───

最後までお読みいただきありがとうございます。この物語が少しでも楽しめる物であったのなら

幸いです。

物語を最後までお読みいただいた貴方様に心からの感謝とお礼を此処に。誠にありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ