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オレだけが此処にいる。  作者: MRS
第三章
38/65

第三十三話 守るか攻めるか

 ───普段食事や受付のサービスが利用されている酒場フロア。

 落ち着いた内装の其処は今現在、テーブルの上には料理が散らば

 り、椅子は倒れ。プレイヤーで賑わうべき其処では猿の形をした

 モンスター集団にほぼ制圧されている状況。

 モンスター達はテーブルに乗っては威嚇をしてみたり、椅子等を

 放り投げ叫んでいる。彼等の行動が示す先は酒場の出入り口。店

 の外へと繋がる扉前で、家具でバリケードを作り抵抗していた集

 団への物だった。




「ルプス! ルプスじゃないか!」

「相棒? 相棒!」


 魔猿犇めく広間を強行突破。途中PCやらNPCやらを拾いバリケー

 ドの向こう、生き残った集団へと合流した俺は、其処で見知った

 顔が一人。いや。


「おおルプス殿ではありませんか。」

「な~んで此処にいんの? つかどっから来たのよ?」


 玉蜀黍にリュゼの姿まで。

 俺は彼等の側へ近付く。その途中。


「助かったよ。サンキュー。」

「ありがとうございます。」


 バリケードに入りそびれた誰それから礼を言われたので。


「気にしないでください。困った時はお互い様、ですよ。」


 出来るだけ優しい笑みを浮かべ応える。これで彼等はこの状況で

 俺に対し恩を感じてくれる筈。使えるお友達は沢山居るに限る。

 そのやり取りを抱えたロリ神様が訝しげな表情で見ていたが、俺

 はそれをごく自然にスルーし。顔見知りの集団へ。


「何で此処に居るかって? そりゃ此方のセリフだ。

 お前らこそ何でまだ此処に居るんだよ。どっか遊びに行ったんじ

 ゃねーの?」


 尋ねると三人は互いに顔を一度見合わせ。


「何処行こうかずっと決めらんなくて。」

「それでだらだらと雑談に花を咲かせておりましたら。」

「気が付けばこんな状況だ。」


 リュゼ、玉蜀黍、相棒がそう応え。


「自分達三人だと何言っても皆『何処でも良い、好きな所で。』

 って言って置きながら、誰かが案を出すと『自分は其処だと─

 ──』って話しが出て来て。結局誰も何処も決められなかった

 んだよ。」

「うわ! なにそれ一番困るヤツじゃん! 超不毛!」


 引く俺にリュゼが。


「ブルブルが何言ってもすぐ否定するからー」

「否定はしないが、それはリュゼもだろう。」

「リュゼ殿でござ。」

「はぁ? えー……。でもブルブルが一番頻度高かった気がするん

 だけどなぁ……。

 まあ何時もはルプルプがアタシ達の行きたい所決めてくれるから

 悩まないんだけどね。」

「うむ。某らの事を考えてその日行く場所を決めてくれる手腕、改

 めて感服しましたぞ。」

「ああ。お前の決めてくれる行き先が、一番しっくりくるんだ

 よ。」

「え? そ、そーおう? へへ。」


 ちょっぴり嬉しい気持ちに浸る。その後ろからは。


『キキキ!』

『キッキー!』

「うわ、彼奴等手当り次第に物を投げてるぞ!」

「ああ! 俺の戦利品が!」


 何てバリケードを守るPCらしきからの声が耳に届く。

 感動の再開、にはちと物足りないが。見知った仲間との再会は優

 良と喜び。


「とりま誰かこの状況の説明よろ。」

「分かった。自分がしよう。」

「頼む。」

「なら拙者はバリケードの手伝いでも。イベントが失敗しては

 困りますからな。」

「めんどう───ってこの状況じゃ言えないわね。アタシも何か

 手伝ってくる。折角の機会だし。」


 そう言って二人がバリケードの側へ移動する。二人が言ったよう

 に周りのPC連中は今の状況を突発的なイベントだと思っている様

 子だ。そりゃ裏の事情を知らなきゃ、これが本当の意味での襲撃

 だなんて誰も分かんねーよなぁ。

 二人が離れた所で相棒は静かな店の出口扉へと向かい、俺も後を

 追う、と。


「ルプス様ご無事ですか!?」


 先にバリケードを越えていたリストゥルンさんが慌てた様子で此

 方に駆け寄って来ては。


「え?あ、ああ。俺は大丈夫っすよ。」


 身体に触れ無事を確かめる。んー悪くない気分、いや最高。

 セクハラの警告ポップアップが出てこないので、何らやらしい、

 違う。後ろめたい気持ちも一切無い。


「ああ、ああ良かった……。」

「(めっちゃ喜ばれてるな。これって好感度関係……ある

 か。)」


 NPCじゃないので好感度とか意味ないと思ったけど、好感を持っ

 て貰えるよう行動してたので、多少は好感を持たれてたのだろ

 うね。愛想は振りまくに限るなぁ。


「……先にわたしを心配すべきじゃない?」

「!!! も、申し訳ありません!」


 ロリ神様が半目でリストゥルンさん睨み。


「んんッ。」

「「「!」」」


 店の出入り口。外へと続く扉に背を預け相棒が咳払いを一つ。


「イベントの説明───の前に。そっちの二人は?」


 流石の相棒も気になったらしい。二人、と言うのは俺が未だに首

 襟を掴むロリ神様と優しいリストゥルンさんの事だろう。


「おっとそうだったそうだった。そーね。此方の槍持つお姉さん

 は此処のスタッフさんで、ちょっとした知り合いになったリスト

 ゥルンさん。」

「リストゥルンです。」

「ああ。そう言えばアンタ前に此処で見掛けたな。」

「はい。貴方はルプス様のご友人ですね? 以後お見知りおき

 を。」

「此方こそ。」


 リストゥルンさんと相棒の二人が挨拶を交わした所で。


「ふふん。わたしは天地全てを凌駕する絶世の───」

「このロリっ子は一旦気にしなくていいから。後でちゃんと説

 明すっからさ。」

「───おまえっ!」


 ロリ神様の怒りに染まった顔を“ぐいっ”と此方に近付け。


「どう説明したってアンタの存在はややっこしいんだ! 今はこ

 の混乱に乗じて曖昧にしておくのが一番だろ? アンタは存在を

 今の今ままで隠してたんだ。それって隠してた理由があるから

 なんだろ? だったら誰にその詳細も話さいない方が賢いんじゃ

 ねーの?」

「む……。わかったわ。今回は許してあげる。」


 どうやら納得してくれた様子。まあ俺が説明したくないのが一

 番の理由なんだけど、それは言葉にする必要は無いよね。


「んで。この状況は?」

「……。この状況か。良いだろう。

 俺達が店で行き先を決め倦ねていると───」


 納得しきってない様子の相棒だったが、今は説明を優先してくれ

 らしい。結構鋭めな洞察力、観察力を持つ相棒の事だ。何かがあ

 るとは思ったんだろうけど、今が追求の時では無いと考えたっぽ

 いな。

 そうして、相棒はこの状況について俺達に説明を始める。

 相棒から聞く限り俺が白い空間でロリ神様に殺されだったりと。

 “ワチャワチャ”している間此処の一階広間では相棒、リュゼ、

 玉蜀黍の三人で案を出し合い。誰かが案を出すと他が『うーん。

 でもさー。』的な不毛極まるやり取りで行き先を考えて居た所。

 不意に相棒たちの下へ叫び声が響き。

 何だなんだと思っていると何処からともなくあの猿型のモンスタ

 ーがそこら中から湧いて出て来たらしい。

 店内に居合わせた連中は突発イベントに驚きつつも、対して強く

 もないモンスター、魔猿。混乱しながらも対処は出来ていたらし

 い。それが何故、今。


「押されに押され、こんな場所にバリケード?」


 ロリ神様が当然の疑問を投げかけ。俺も相棒へ目で訴える。


「簡単な話だ。彼奴等は倒しても倒しても湧いて出て切りが無

 い。数が多い上に、うっかり油断してやられた連中も少なくな

 い。……後は飯と言ってキャラを残して抜けてったのも少数。」

「ご飯じゃ仕方無い。」

「……。(肩を竦める相棒。)」


 リアル都合なら仕方ないよね。飯を食いながらのVRゲーは難しい

 しいし。出来なくは無いけどね、出来なくは。でもそんな上級テ

 クニックを此処で披露する猛者は居なかったとして、だ。

 こんなに追い込まれたのは戦力の均衡が崩れてしまったからって

 事かな? 此処へ来る途中店の中には倒れる誰かの姿が散見され

 ていたし。とは言え。


「連中起こしゃ(蘇生)いいんじゃね?」

「それは考えた、が。都合悪く純ヒーラーは不在、或いは倒れて

 る誰かがそうだ。アイテムの方も戦闘中扱いで個人倉庫が開けな

 い所為で、誰も手持ちに蘇生アイテムを持ってない、取り出せな

 い。

 店のスタッフ、さっきお前が助けたNPCにも蘇生スキルを持って

 る奴は居ないか聞いてみたが結果は───」


 相棒は一度顔を左右に振り結果を伝える。おおう。


「今此処に居るのはクエスト帰りの連中ばかり。物資が補給出来

 ないのも祟ってこんな端に追いやられたんだよ。」

「なーる。でもさ……。」


 そっと相棒の側に寄る。するとリストゥルンさんも近付き、ロリ

 神様も聞き耳を立てる様子。まあこの二人に聞こえても問題無い

 べ。そう思い俺は小声で、他のPCのログに残らぬようにして。


「相棒ってば何時も蘇生薬のストックがあんべ? クエ行ってな

 いなら手持ちにそれ、今あるんでない?」

「……ああ。だが連中に使う気は無い。」

「なしてよ?」

「そもそも油断してやられた奴を起こして使えると思うか? そ

 れだったら今残ってる誰か、それと実力を知ってるリュゼや玉蜀

 黍。お前辺りの為に取って置いた方がずっと価値がある。」

「なーる。」


 見知らぬ誰かよりはってか。確かに。


「それと。どうやらリスポーンも制限されているらしいぞ。」

「あー……。それは何となく分かってた。此処でバリケード作っ

 てるの見た時からね。しかもー……入れない、出られない。だ

 べ?」


 こんな状態、突発的な戦闘の中まだ戦ってるのは意地。やられた

 く無いってのと、やられたら終わりって事だからだろうな。

 死体、いや瀕死のキャラがそのまま放置されてっし。


「! 察しが良いな。お前の言う通りこの扉は使えない。しかも

 ポータルと転移の類まで一切使えない状況だ。」


 相棒が扉を片手で“コンコンッ”と軽く叩き。


「転送妨害に通信妨害。どうやらそんなモノが一帯に貼ってある

 らしくてな。誰も出れない、増援も物資を取る事も出来ない。ど

 うにか手持ちだけで。って所だよ。」

「ナルホド。イベントの状況は理解したぜ。」

「……。理不尽な突発イベントにこのままやられるって事がか?」

「いんや。俺が、てかこのロリっ子が何とかしてくれるんだ

 よ。」

「「は?」」

「ふふん。まあ見てろって。」

「あ、おい───」


 ハモる相棒とロリ神様。俺は“キョトン”とした相棒とリストゥ

 ルンさんをその場に残し。ロリ神様と共にバリケードの方へと向

 かっては。


「ちょっと通してねー。はいどうもー。」

「な、何だ何だ?」

「おい顔出すと物が飛んでくるぞ!」


 守ってるPC達を掻き分け、バリケードに使用されているテーブル

 の上へと。ゲーム内故のバランス感覚で登り立っては。


「今こそ切り札を見せてやる時。

 存在を隠したいのは分かっけど、取り敢えずこのモンスターを一

 旦どうにかしてくれ。上手い言い訳はイベントっての利用して俺が

 考えるからさ。」

「!?」


 言いながら俺はロリ神様を掴む腕を伸ばす。方向はバリケードの

 外で、暴れ狂う魔猿達へ向ける。


「さあ!」

「……。」


 無反応。やっぱ存在を隠しときたいのか。


「知られたく無いのは分かるけど、このままじゃやられるのも

 時間の問題なんだよ。だから、頼むって。」

「………。」


 それでも無反応。後ろからは『なにしてるんだアイツ?』みた

 いな囁きがチラホラ。慌てて俺はロリ神様の顔を近付け。


「なあ、マジで頼むって。あのチート的戦闘力で此処のザコをち

 ゃちゃっと片付けてくれよ。その為に態々此処まで護衛して持っ

 てきたんだからさ。」


 敵襲の規模は分からない、だけど明らかに此処で一番使える戦闘

 力を使わない手は無い。だからこそ俺は道中無駄遣いもせず、さ

 せずに強引にもロリ神様を此処まで連れて来たんだ。今こそその

 力を振るってくれなきゃ困る!

 じゃなきゃこんなジリ貧のバリケードの向こうまで来やしない。


「……むり。」

「は? いやそうか。悪かった、悪かったよ。俺がぞんざいに扱い

 過ぎたよな。ごめん。コレが終わったらもっとちゃんと謝るから

 さ、神様っぽく扱うから。今は、ね? 頼むよニスル様。」

「……わたしの…は、あの広間……なの。」

「んん?」

「だから! わたしたの力の大半は! あの広間限定なの!

 彼処から離れたら大した力が使えないの!」

「あぁ!? おまそれ今言う!?」


 バリケードの上に立つ俺の下へ、モンスターからの投擲物が飛ん

 で沢山飛んでくる。それを最小限の動きで躱しつつ。


「じゃあ何なら出来んだよ!」

「な、何って。おお、応援ぐらいなら───」

「ビックリするほど使えねぇ!」

「!!?」


 段々と鬱陶しくなってきた投擲物から身を隠すため、再びバリケ

 ードの内側へと身を隠す。


「「「……。」」」


 戻って来た俺へ“何だコイツ?”って視線がたーくさん集まる。

 そりゃそうだ。俺がした事って言えばバリケードの上に立って

 ロリとお話したってだけ、実際違いないし。恥ずかしい……。

 狭い肩身で相棒の下へ戻る俺の背へ。


「何がしたかったんだ? アイツ。」

「いるいる。ああ言うの。」

「突発イベが初でテンション上がっちゃった系?」

「格好いいと思ったのに、厨二系だったのね。彼。」

「あー恥ずかしいでござる、ござるなぁ。」


 等など。非常によろしくない評価のオープンチャットが耳に届

 く。全部聞こえる距離と音量だぞお前ら。

 約一名に密かな復讐を誓い、相棒とリストゥルンさんの下へ戻

 り。


「何がしたかったんだ?」

「……。」


 戻った俺へ相棒が言葉を飛ばし、リストゥルンさんは苦笑いを浮

 かべて居た。


「……切り札何て無かった。俺はお荷物背負って此処まで来ただ

 けらしい。」

「もっと敬───」

「っさいわ! 今考えてるから黙ってろ!」

「んなッ! 勝手に連れて来たくせに!」


 言葉に成ってない事をギャーギャー騒ぐロリ神様。まさかあのチ

 ートな戦闘力が使えないとはなぁ! あーどうするかな、これ。


「当てが外れたか?」

「外れたど頃か当て事態が無かったよ。」

「……気になってたんだが、何でそのNPCを当てに?」

「気にしなくて良いよ。これはもうただの荷持だからその辺にポ

 イっとしちゃえば───」

「!!!」


 相棒と話す俺の胸ぐらを掴み引き寄せるロリ神様。


「───ンガッ! なんだよ!」

「い、いいいの? わたた、わたしにそんな態度で?」


 何事かの感情でろれつが回ってない様子。


「あんだよ?」

「もも、もしもわたしがこのまま彼奴等に捕まる何て事に成れ

 ば、オマエの安寧は終わるんだからね?」

「───あ。」

「気が付いた? そうよ、彼奴等は当然わたしを狙っているの。

 だからオマエがわたしを守れなかった時は、オマエの今後の人生

 も終わる。

 それが嫌ならわたしを全力で守るのよ! 後、もっと大切に扱わ

 ないなら、このまま彼奴等の下に走ってやるから!」

「おま、おままま、お前!」


 “ヘッヘッヘ”と神らしからぬ笑顔を見せるロリ神様。

 使えないだけじゃなく、側に置いて守らねーといけねーのかよ!


「ッこ!ッこ!ッこいつ!!」

「悔しい?ねえ悔しいの? だとしても最愛の人にするが如く、

 わたしを優しく抱きしめ。包み込むようにして守るのよ。ウヘ

 ヘ。」

「ウゼェなぁ! 超ウゼェなぁあ!」

「あーそんな事言われたら逃げ出したく、暴れたくなっちゃうか

 も~。」

「!??!」


 ぶりっ子大さじ三杯な声色のロリっ子。

 怒りが有頂天な俺は声にならない感情を口の中で爆発させる。

 俺がロリ神様とそんなやり取りをしていると。


「……あの、これからどうしましょうルプス様。」

「あ、ああ。そうっすねー……。」


 リストゥルンさんに声を掛けられ俺は改めて今の状況を考える。

 周りのプレイヤーと思しきはこれをイベントか何かだと考えてい

 るらしい。あちら側なら俺も同じ考えだろう、それぐらいこのエ

 リュシオンと呼ばれるゲームには突発的な驚きが多い。

 突然のパッチノートに無いモンスター、公式の地図に乗っていな

 い場所や条件不明の不定期イベント等。それらの理由が今の俺に

 は分かる。全部コイツら、ゲーム仕様外生命体の所為だったんだ

 ろうな。

 ただ事情を知らないお陰で、此処に居るPC達に本気での混乱はな

 い様子。皆イベント戦だ楽しんでる。

 だけど。


「(長引けば何れおかしいって気が付くかも。)」


 ゲーム特有の驚きよりも、ゲームとは思えない違和感が大きくな

 る前に。早くこの事態を収束させないと行けない訳だ。

 ……落ち着け、落ち着け。此処に理不尽はあっても不条理は無い

 はず。

 まずは戦力。現有戦力をはと言えば相棒と玉蜀黍にリュゼ。そ

 れに俺とリストゥルンさん。後は居合わせたPCとお店のスタッフ

 NPCか。


「ロリ神様。お店の人で戦えるのは?」

「甘く見ないで。皆歴戦の乙女なんだから当然戦えるわよ。」

「それはよう分からん。だけっど───」


 助けたお店のスタッフさんは皆ボロボロ。とても戦える感じでは

 ない。何時もニコニコ笑顔のあの子も、滅多に利用されないカウ

 ンターのあの人も。戦力として数えるには厳しそうだ。


「───誰も戦えてる様子がないっすよ?」

「……あっれー?」


 本当に驚いている様子のロリ神様。コイツ当てにならん

 なぁ……。


「いやそんな筈はないわ。だって乙女なのよ!?」

「あの……。実は皆まともに戦えないと思い、ます。」

「は? そ、それはどう言う事なの?」


 取り乱すロリっ子へ言葉を挟んだのはリストゥルンさん。

 彼女は俺とロリだけに聞こえる小声で。


「ルプス様のお陰で私は気が付けました。此処では“此処での

 感覚”が必要なのだと。

 私達はこの身体、キャラと言う器に慣れてると思い込んでいます

 が、実際には歩く事にも走る事にも予想以上に力を使い、無理や

 りに動かしているのだと思います。それでも普通に給仕を行う等

 なら平気ですけど、戦うと成ると皆体を上手くは───なのだと

 思います。」

「な、な、なんでもっと早く言わないのよ!」

「すみません。私も鍛錬を続けてやっと此処最近気が付けた事だ

 ったので……。それにこの世界の仕様もまだまだ複雑で……。」

「…………うそ。じゃあマトモに戦える乙女は居ない……の。」

「(ロリ神様はお口あんぐり、っと。)」


 高位な存在だか神様だか知らんけど。リストゥルンさんの話した

 “不慣れ”や“感覚”と言う説明には納得出来る。

 VRゲーを初めて触ってる様な感覚で話すと思っていたけど、感じ

 た事は間違いでは無かったらしい。

 実際にVRゲーで、しかもダイブ型でのキャラを動かすのにはかな

 りの慣れが必要になる。システム側に補助はあるけど、それでも

 初めてでは歩くのだって大変だ。

 って事は、NPC達を戦力と考えるのは無理と。戦える今の抵抗勢

 力が倒れたら積みだな。これは。

 んーでも現有戦力で持ち堪えられる時間はそう長くないし、持ち

 堪える意味がそもそも無い。これは終わりの無い防衛戦だ。

 お口あんぐりのロリ神様に、申し訳無さそうなリストゥルンさ

 ん。


「なあルプス。これは突発イベントって事で良いんだよな?」


 三人で内緒話をする所へ相棒がそんな言葉投げかけてきた。


「! そ、そうっしょ。何で俺に聞くのよ?」

「……ふ。別に意味は無いさ。ただの確認だ。」


 やっべ。相棒の前でちょっと開けっ広げに話し過ぎたか?

 でも大事な所は聞こえてないだろうし、聞こえてても分かんねー

 はずだから……多分問題ない、よな?

 俺は自分の迂闊さと、相棒から視線を逸したくて敵戦力。猿型モ

 ンスターの様子を窺う事に。

 バリケードの隙間から向こうを見遣れば。


『キキー!』

『キッキッキ!』


 元気よく此方に物を投げつけるモンスター達の姿。一匹一匹は大

 した強さではないけど、如何せん数がバカ多い。しかも増援がニ

 階から来てるらしい。……二階から来てるのか。


「うーん……。」

「どうする相棒?」

「ルプス様。」

「ちょ、ちょっと。諦めるとか言わないでよ?」


 相棒、リストゥルンさん、ロリっ子が言葉を呟く。

 さっき自ら身を差し出すとか言って奴がもうビビってる。それは

 ウケル事だけど、今は良い。こっからどうするかだ。

 此処での出来事の左右は、嫌だけど事情を知ってる俺が握らんと

 行けない。面倒で、しかも俺だけ生命が掛かってる。……でも少

 し楽しいと感じられるのは……ハ。ゲーム感覚ってヤツは厄介

 だ。ゲームの中に居るから仕方ないけどね。


「うっし。見込み薄いけど、やるならやるでいっちょやってみよ

 う。そん為にはまず───」

「えちょ!?」


 俺はロリ神様を手に再びバリケード、ではなく。それに使われ

 て無い転がる椅子を立てその上に乗っては。


「諸君! このままだとこの突発イベントは失敗に終わってしま

 う!」


 その場に集っていたPC及びNPCへ声を上げた。

 すると『何だ何だ?』と此方に注目が集まる。よしよし。


「何故ならー……このままだと護衛対象のコイツがやられちまう

 うからだ!」

「ちょちょちょ! 人目っ!」

「もうそれを気にしてる場合じゃないんだよ、ちゃんと考えてあ

 るからちょっと黙ってろ。」

「??!」


 慌てるロリ神様の口を塞ぎ。


「このロ───んん。実は何だけど、俺がこの女の子のNPCを発

 見した事で、今このイベントが発生したん訳なんだ。モンスター

 達はこの女の子を狙ってて、奪われたらイベント失敗。此処まで

 はオーケー?」


 辺りから“ナルホドー。”と言う呟きを耳で確認しつつ。

 寄り集まって居るNPCの集団へも見えるよう、ロリ神様を動か

 す。これであっちにも今の状況が分かる筈。


「ゲーマー諸君。このイベントをクリアしたいかなー?」

「「「当然だろー!」」」

「オウイエイ! なら俺に協力してくれ! そんでさ、皆でこの突発

 イベをクリアしようっぜ!」

「「「おおおー!」」」


 流石ゲームプレイヤー達だ。オンゲを楽しむコツをよくよく知って

 やがる連中ばっかり。盛り上げはこの位に、次は俺の望みの流れを

 作ろう。


「協力ってのは何をすれば良いんだ?」

「!(ナイス相棒!)」


 相棒が俺へ最高な問を飛ばしてくれた。ナイスすぎ。


「それは、だ。イベント上このフロアを突破して二階に行かなき

 ゃなんねーんだわ。俺と、俺が選ぶメンバーでね。」

「……何でそんな事分かるんだー?」


 今度は別の方から質問が俺へ飛ぶ。そっちへ顔を向け。


「何故分かるかって? そりゃ俺がイベントの開始キー。つまり

 この女の子を見つけて、会話をしたから。イベントの内容が分か

 るんだよ。

 しかも女の子は俺から離れられない仕様。だから俺が二階へ行く

 のは決定事項な。」

「「「あぁー……。」」」


 納得顔の面々。状況が状況だからすんなり信じちゃってまーま。


「アンタってウソが上手いのね。」

「完全な嘘って訳じゃない。事実をちょっと変えて話してるだけ

 だよ。」

「その言い方が既に……。まあいいわ。」


 ロリ神様が俺へ呟く。

 そっれぽい話を捏ち上げる何て訳無いぜ。俺が一体どれだけのク

 エストやらイベントを越えて来たプレイヤーだと思ってんだ?

 そうして彼等を丸め込め、協力を取り付けていると。


「……後。別にわたしがオマエから離れられない訳じゃないんだ

 けど?」

「細かい事を気にすんな。今は状況打破が優先だろ。」

「まあそうね。この状況をどうにか出来るのは今の所オマエだけ

 しか居ないし。……任せるわ。」

「あいあい。んでだ皆───」


 その後適当な話を続け。これがイベントだと確かにさせては、テ

 ーブルから俺は飛び降り。


「スタッフさん達。」

「私達ですか?」

「そそ。戦えなくともさ、何かアイテムとか持ってない?

 それ使って支援とかは出来るっしょ。」

「……。」


 尋ねたNPC、いやイレギュラーNPC達は俺が掴むロリ神様へ視線を

 チラリ。視線を受け取ったロリが頷くと。


「分かりました。協力します。」

「うっし。んじゃバリケード守る彼等の支援を頼むんで此方来て

 ください。序に近くのプレイヤー諸君も話しを聞くよーに!

 後は……玉蜀黍とリュゼ! 他はそのままバリケード保守でよろ

 しくう!」

「「「おお!」」」


 そうして流れを持って行き。集めたスタッフNPCにPC、そして顔

 見知り達へ今後の作戦を伝える事に───


 ───魔猿の襲撃を耐えた抵抗勢力。彼等へ作戦を共有した後。

 俺はバリケードの隅へ、何時でも出られるよう隙間をコッソリ

 作り仲間と共に待機して居た。

 そんな中。俺は抱えるロリっ子へ小声で。


「本当に、本当に大丈夫なんだよな?」

「大丈夫よ。魔物や魂持ちにオマエの仲間がやられても、何の問題

 も無いわ。そもそもそんな力は持ってないもの。

 オマエのそれは起こり得ない奇跡、此処に来てる最中現実で死ん

 だ事と、お前が倒した魔物が原因。その二つが揃ってないならな

 にも起きないでしょうね。さっきも話したけど、此方からの干渉

 力だけでは何も出来ないわよ。だからオマエが心配する様な事は

 起きないの。」

「そっか……。なら安心、かな。」


 得体の知れないナニカと何も知らない仲間を戦わせて、もし危険

 な事になるのなら俺は一人でやる。だから何の問題も無い事を

 このロリっ子に確認をして居た訳だ。

 よくある『ゲームの中で死ぬと永遠に囚われる。』見たいな事は

 もう起きないらしい。

 俺が一番気にしていた問題をロリっ子に尋ねる、その背へ。


「ねえ。アタシ───」

「わーってるよ! アイテムだろ? 後で俺が金で返すって。」


 狐っ子のPCが言葉を飛ばして来た。

 二階班へ同行する事になったリュゼが、気になってるとすれば

 それは援護として所持アイテムを皆に分けさせた事だな。


「いや別にそれは良いんだけど。」


 おっと違ったらしい。


「アタシって付いてく意味あるの?」

「ある。リュゼの高い察知スキルが無いと困る。」

「ふーん。……近接は勿論、直接戦闘の戦力には成れないから

 ね?」

「あいよ。」


 今現在バリケードの隅には相棒、俺とロリっ子、リュゼ。そして

 リストゥルンさんだ。俺は左手に装備したままのロリ神様以外へ

 視線を送り、皆が頷いたのを確認しては。バリケードの外へ視線

 を動かし。


「よし。フロアに敵が良~い感じに満ちたな。」


 モンスターの数を減らさないよう頼んだ甲斐があるってもんだ。

 此処らが頃合いか。


「玉蜀黍! それとタンク系の皆さん、出番っすよー!」


 此処へ残す仲間へ合図を送った。

 すると甲冑姿の玉蜀黍を先頭に、鎧や盾を装備したPCがバリケ

 ードの一部をどかし、魔猿達の前に身を晒しては。


「野猿ども!」

『『『キキ?』』』

「この玉蜀黍から~すれば。貴様らぁなど、など……。」

『『『?』』』

「「「?」」」


 何か考えるだす玉蜀黍。その姿に魔猿もPC達も困惑。

 こんな時でもかよ!


「口上は良いからさっさとスキル使えって!」

「! ええい兎に角“孤軍奮闘”と“エンミティーインヘイル”

 発動!」

「「「“ヘイトアップ!”」」」

『『『!!!』』』


 言いながら玉蜀黍は大盾と槌を喚び出し。槌で大盾を大きく叩き

 スキル発動モーションを実行。続いてタンク系の方々も。

 自身へ敵視強制のスキルを使用した彼等へは、ホールに居た猿型

 モンスター達が面白い様に突撃を開始。その数は結構な物。


「よっしゃ! 今のうちに俺らは端から抜けるぞ! 相棒は先行よ

 ろ!」

「了解。“サウンド・キル”」


 先頭の相棒がスニーキングスキルを使用しては、振り向かずに右

 手で肩を“ちょいちょい”と指差し。俺がその肩へ片手を乗せ。

 同じ様に後ろから俺の肩へ手が伸びる。そうして皆で相棒のスキ

 ル効果を共有しては。


『キキキー!』

「「「……。」」」


 モンスターがテーブル上やら何やらを飛び越えて移動する中、

 少数でフロアの端を静かに、体勢を低くしては通り過ぎて行く。

 そのまま奥、二階への階段へ目指す中。


「!」

「! ……。」


 俺は予め決めていた通り。階段近くの物陰で相棒の肩を握る手に

 力を籠める。プライベートチャットで会話しても良いのだが、バ

 レる可能性を考え極力通信はしない方向。そうして少し立ち止ま

 っていると。


『『『キッキー!』』』

「(やっぱ来たか!)」


 二階から増援のモンスターが居りてきてはバリケードへ向かう。

 増援の流れが途切れた瞬間を見計らい、俺達は玉蜀黍達の戦闘

 音に紛れるようにして、二階へと駆け上がる。

 その最中。俺は読みが当たった事を喜ぶ。

 ジリ貧防衛じゃ何れ此方が負ける。ゲームならそれでも良いけ

 ど、この戦いには絶対に勝つ必要があった。

 とは言えどう勝つか? それが問題だ。勝ちの条件はロリ神様を

 守り、この建物から魔猿を一掃する他無い。増援はどう言う訳か

 二階から来ているらしいので、まずはソイツをどうにかしようっ

 て算段だ。……今はそれ位しか思いつかなかったしね。

 何にせよ。取り敢えずは二階へ行く必要があった訳。

 その為にはモンスター達に占領された一階を広間を通り抜けるの

 が必要。だからって皆で移動しては効率が悪い。しかも彼等は数

 が減ると二階から増援が現れて居たから、尚更。

 そこで。この少数精鋭で調査に行くしか無かった。本当なら俺他

 よりも死の危険、リスクが高いからこれは誰かに託したかった、

 んだけど。


「(面子的にも事情的にも、俺が行くしかなかったんだよなぁ。

 はぁ。)」


 英雄的思考でこうしてる訳じゃない。そもそも此処がダメになっ

 ても誰が死ぬわけじゃない。俺だけね。……いやまあイレギュラ

 ーNPCも死ぬらしいけど。

 だから仕方なく俺がこうして動いてる訳。


「!」


 等と考えていれば二階へ到着。直様相棒が太い柱の物陰へ隠れ、

 俺たちもその後へ。そうして物陰から皆で様子を窺う事に。

 二階は一階同様荒れ果てた様子で、内装はもうシッチャカメッチ

 ャカだ。ただ、荒れ果てた内装よりもヤバイ、気になる存在が其

 処には居た。


『まだミツからナイのカ!』

『キ、キッキー……。』


 二階中央。花見席のような場所で叫ぶのは、それまで見た小猿と

 は違い大きいな身体。二メートル近くありそうな大型の猿型モン

 スターが一匹。背に二本の棍棒を背負い胸当てを装備した大猿の

 姿。

 周りには一階の裸小猿とは違い、鎧や武器を軽装した中猿達の姿

 も。


「うわ!」

「しっ。デカイ声出すなよ!」

「アレ、アレアレ!」

「ああ? ……マジかよッ!」


 慌ててリュゼが指差すモノ。それは大猿よりも少し大きく、四角

 い石柱が四角を作り真ん中に水の様な膜を貼った建造物。形は様

 々でも呼び名は一つ。“転移ゲート”だ。

 ただし、アレに関しては此処に絶対あっては行けない物だ。


「ゲートまであるなんて、凝った作りのイベントだな。」

「あ、ああ。」


 相棒に相槌を返しながらも俺は酷く驚いていた。

 “転移ゲート”それは一般PCが作れるポータルとは違い、設置が

 出来るのは運営だけ。施設の効果時間は無限、エリアを幾つも

 跨いで瞬時に移動出来る品物。それは正にゲームの仕様、機能

 その物と言える。

 それが彼処にある理由、それはチートな力か。もしくは黒の連

 中が持っていると噂の“違法ゲート”か……。

 何方にしろ此処にあって良いものじゃないのは確かだ。

 彼等はその違法ゲートを物を守ってる様子。

 違法ゲートの側には捕虜にされたスタッフやPCの姿もチラホラ

 と見える。

 俺達は覗くために伸ばした頭を引っ込め。


「間違いなくアレがボスだろう。と言うか、ボス戦もあったの

 か?」

「ん? あ、あーね! うん、ボス戦だよぉそりゃあ!」


 ボスも違法ゲートも知らんかったよ! と、俺は心で叫びたい気

 分。


「で、どうするルプス?」

「メッチャ強そうなんだけど、どーすんの? イベント的に倒す

 感じ?」


 相棒とリュゼが俺に問う。

 他の連中同様裏事情を知らぬ相棒とリュゼはこれをイベント戦だ

 と思っているからねー。なので先程イベント進行の説明を俺しか

 知らないと思って居る訳で。あーこれメッチャ面倒かも。


「うーんどうしよう。増援呼んでる奴が居る事は分かってたけ

 ど、まさかマジモンのボスクラスが居るとは思わ───いや思っ

 てたけどね。うん。……ゲートぶっ壊してもアレは残るだろう

 し。んー……。」


 俺は現状の勝利条件を考える。

 簡単に言えばあっちの勝利条件はロリっ子を捕まえる事。此方の

 勝利条件はアレを倒す事。

 見るからに強そうで、増援も取り巻きも沢山。此方はジリ貧で戦

 力も多くない、と。ほほう。


「……無理じゃねこれ?」

「あ、諦めるな! わたしがどうなってもいいの!?」

「ぶっちゃけねー。」

「!!?」

「ル、ルプス様。」


 ロリ神様とリストゥルンさんが不安げな様子を此方に見せ。


「で? 本当の所はどうなんだ?」

「そそ。早く言いなさいよ。」


 相棒とリュゼだけは小さく笑みを浮かべ問う。

 二人は期待してて、しかもこの状況を楽しんでいる。二人っ

 てば純粋にゲームを楽しんじゃってるじゃん。……コレじゃ

 “無い”は言えないよ。


「まあ一個な。ただ俺“は”やりたくはねぇんだよなぁ……。」

「命掛けか?」

「命掛け。」

「……それ以外の方法は?」

「命掛ける余地も無し。成功以前の問題だね。」


 相棒が察した様子で一つ頷き。


「ならやろう。絶対約束、何て事は言えない。だが自分が命を

 掛けてお前を守る。」

「ドキッとする事言うね君。……んじゃま、やりますか。」


 ただ射たれるよりも此方から射つ方が良い。その方が楽しくも

 あるし。


「まず相棒には……。後リュゼが一番……。それとリストゥルン

 さんには出来るだけ……。」


 上手くいくか分からない作戦をそれぞれにざっと説明。

 その途中ロリ神様が。


「そんなので上手く行くの? と言うか絶対ムリじゃない?」

「無理だったら皆お陀仏だね。天国があると良いな~。」

「んな!? も、もっとよく作戦をだな! そもそも何でわたし

 を此処まで───」


 等と話していると。


『! ニオう、ニオうぞ!』


 突然あの大猿が叫びだした。何だと思い皆で聞き耳を立ている

 と。


『ダレかがココに……いやぁ……。ソコに居るな!』


 何て叫びやがる。おっと不味い。

 皆で互いの顔を一度見合う。

 マジにバレたかちょっと俺は様子を───!?


「おいうっそだろ!? 皆退避、退避ぃー!」

「「「!」」」


 窺った先では。あの大猿が近くにあったテーブルを掴み上げて

 は、此方に投げつける。正にその直前だった。

 叫びながら俺は駆け出し───デカイ音が響き渡り視界不良の

 煙が立ち上る。その煙の中で俺は遠くに。


『ハハハ。ミツけたぞ、弱きメガミよ!』




 ボスに発見されたと言う宣言。それを確かに耳で聞いた───

最後までお読みいただきありがとうございます。この物語が少しでも楽しめる物であったのなら

幸いです。

物語を最後までお読みいただいた貴方様に心からの感謝とお礼を此処に。誠にありがとうございます。

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