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オレだけが此処にいる。  作者: MRS
第一章
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幕間 向き不向き

 ───女性が一人、モップを片手に床を掃いている。




 住まう場所、働く場所、行き交う場所を清潔に保つのは大事。


「だって綺麗な方が気持ちが良いもの~♪」


 でも此処ではこんな必要も余り無いらしく、掃除を面白くないと

 思う他の姉妹はやらないでいる。けれど私はこれも楽しめる、

 掃除は楽しい。意味の薄い行為も楽しいと思えれば別。


「♪~♪~。」


 楽しさから思わず私は前に此処で聞いた、詩人の音楽を口ずさむ。

 アレは何と言う歌、音楽だったのだろう? とても静かで穏やかで、

 耳に残る音だった。そう、此処は本当に色々なモノで溢れている。

 ヒトが笑い合う音や私達が住まう場所に、今日から続く明日。

 ああ、何て楽しい場所なのでしょうか此処は。


「それに、元々私は此方の方が向いていましたからね。」


 持っていたモップの柄に手を乗せ、更に上へ顎を乗せては近くの

 テーブルを眺める。ヒトとヒトは思えぬ誰かが語り合う様、彼等が

 言っている意味は良く分からない物が多い。だけどそんな彼等の

 姿を見るのはとても懐かしい気持ちと、新たな喜びを感じられる。

 思い方はそれぞれだけど他の皆も楽しいと思っているはず。

 だって此処に来た誰もが───


「!」


 不意に気配がする。此処では絶対にしては行けない気配が。私は

 直ぐ様館を飛び出し辺りの様子を伺う。


「~!」

「あっちか!」


 遠くから悲鳴の様な物が僅かに聞こえ、声の方へ駆ける。

 駆けた先で見付けたのはヒトを襲わんとする魔物の姿。


「其処で何をしている!」

『!』


 ヒトを襲うとしていた魔物が、私の方をチラリと見ては逃げて行く。

 私は襲われいたヒトの側へ駆け寄り無事を確認する。……どうやら

 無事らしい。ならば早くアレを追わねば。アレは逃してはならない。


「此方は私に向いてない……。だがっ!」


 片手に槍を呼び出しては逃げる魔物を追い駆ける。向いていなくとも

 これはしなくては成らない事。私の、私達の絶対使命。此処を守る

 為にも、追ってアレを滅ぼす!




 追われるモノと追う者が駆ける抜けるは何処(いずこ)か───

最後までお読みいただきありがとうございます。物語を楽しんでもらえたのなら幸いです。

この物語を読んでくれた貴方様に心からのお礼と感謝を此処に。誠にありがとうございます。

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