16
バイトの休憩中。俺のスマホには皐月からの連絡があった。
『那須の写真、送れ。送ったら、全部消せ』
クスッと笑わずにはいられない。
「やっと、自覚したか」
思い返せば、あの時、はるちゃんを背負って帰ってきた時にはもう、皐月の気持ちは動き出していたのかもしれない。俺はそんな皐月を応援したいと心の底から思った。
大好きだったあの人は俺よりもずっと大人で、俺とは違う人を見ていた。
あの人にとっての俺は“弟”でしかなくて、けっして隣にいることはできなくて。
それでも、俺は好きだったんだ。
俺は約束した。
新しい恋を見つけることを。
あの人に負けないくらいいい人を見つけることを。
王子の俺じゃない、俺を見てくれる人。
その傍らに、大事な人の恋も応援しよう。
みんな、みんな、上手くいきますように。
Fin
シンデレラ、ネズミの御者の次は王子です。
やっと、フラグの一つを回収できました。
そして、新しいフラグが立ちました。
唯はシンデレラの時はただのヘタレの予定でした。
王子では、そのヘタレ感があまりないですね……。
いじらしいくらいいい子です。
……自分にとってはですけど。
恋愛小説は自分の中でほとんど書いたことがないジャンルです。
それは、自分が恋愛下手だからと言うのが理由です。
だからと言って、動きを書くのも苦手で……。
まだまだ未熟ですが、心の動きを精一杯書こうと思いました。
うん、難しいです。
なにはともあれ、最後までお付き合いいただきありがとうございました。




