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 璃子さんの部屋を後にして、俺ははるちゃんの部屋へ行く。


「はるちゃん、ケリをつけてきたよ」


俺はきっと泣きそうな顔をしたいたのだろう。はるちゃんは大人びた笑顔でそっと俺を抱き寄せた。


「岩城君、よく頑張りましたね」


そして、背中を優しくポンポン叩く。まるで母親が子どもをあやすようなしぐさ。俺は涙が溢れてきた。はるちゃんの肩に顔を埋め、声を殺して泣く。はるちゃんの手は俺が泣き止むまで優しく背中を叩いてくれた。


「……ありがとう、はるちゃん」


やっと、俺が泣き止んだかと思った時だった。


「ちょっと、皐月君。押さないでよ」

「俺だって聞きたいし。じゃあ、涼、場所変われよ」

「いや、待って。俺も気になるんだって」


扉の前から声が聞こえる。はるちゃんは俺からすっと離れると、部屋の戸を開いた。


「わぁ!!」

「えっ!!」

「ちょっ!!」


三人が部屋に転がりこんでくる。一体、いつから聞かれていたんだろう。俺は顔に熱が集まるのを感じた。


「……何しているんですか?」


はるちゃんは三人を見下ろす。


「いやね……」


笑ってごまかそうとしているが、はるちゃんはそれで許す雰囲気ではなかった。俺に背を向けているから、その表情はわからないけど、三人の顔は青くなっている。


「……唯君が璃子お姉ちゃんの部屋から出てくるのが見えて……」

「……そのままはるの部屋に入ったから気になって……」

「……唯のことも気になったし……」


しどろもどろに答える。はるちゃんは大きくため息をついた。


「……ちょっと、はるちゃんに慰めてもらっただけだから。もう大丈夫」


俺は三人に笑ってみせた。でも、泣いていたことはばれたと思う。気まずそうな顔をしていたから。




 朝になって、璃子さんは帰ると言った。


「お姉ちゃん、もう帰っちゃうの?」

「言いたいことも言ったし、はるちゃんにも会えてどんな子かわかったからね。休みは二日って言ったでしょ」


璃子さんは苦笑する。


「……そう、だけど……」


葉那は名残惜しそうだ。


「また、絶対に来るからね。そんな顔しないで」

「……うん……」


わかっていても葉那は寂しそうで。璃子さんは苦笑いが消せないようだった。




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