何で…
起きると消灯時間ギリギリだった。
あーくんはまだ僕の隣に座って、僕の頭をなで続けていた。
「あーくん?何やってんの?」僕は冷たく当たった。
「帰りたくない…」あーくんは子供のように言って僕をなで続けていた手をとめた。
「友ちゃんは?」
「家に居る…」あーくんはそう言ったけど、もう10時過ぎだった。
「10時過ぎてるじゃん。帰って」
「嫌だ」
「友ちゃんが1人でしょ?帰って」僕は友ちゃんを使って、あーくんを帰らせようとした。
1人になりたかったから…
「分かった…じゃあね」そう言ってあーくんは病室を出て行った。
それから僕は眠れなくて、ふと時計を見るともう1時だった。
僕はベッドを降りて、車イスに乗った。
何のあてもなく進んで行くと、待合室に着いた。
しばらくぼーっとしていると、何故だか涙が出てきて、止まらなかった。
そして、僕の我慢していた本音が漏れた。
「何で今なんだよ…何でこんな大事なときに…」
「僕の努力を無駄にするの?僕が何したんだよ。何で、何で、何で…」
口から漏れた言葉は止まらずに、誰もいない待合室にこだました。
涙も乾いた頃、僕の胸が苦しくなってきた。
(あー何でだよ。だからだめなんだ。すぐに苦しくなって…)
(病室戻るか…)そう思って車イスを押そうと思ったけど、手に力が入らなかった。
(薬は…病室か。携帯…病室だな)僕は耐えることにした。
「ゴホゴホ…」意識を朦朧とさせながら口元を抑えた手を見ると、赤いものが付いていた。
(血…)僕がそう理解したとき、全身に力が入らなくなって、車イスから落ちた。
僕は床に大量の血を吐き出しながら、意識を手放した。




