予選大会~朝日side~
ひな君は朝からかなり具合悪そうだった。
「ひな君、熱測るよ?」そう言いながら僕はひな君の脇に体温計を突っ込んだ。
案の定熱は結構あって、38,5度を示していた。
「ひな君、今日は家でゆっくりしような?」僕はそう言ってひな君の頭をなでたけど、ひな君は熱のせいでうるうるしている瞳を僕に向けて、
「嫌だ」って言った。
「ひな君、だめだって…」って僕が言うと、ひな君は
「嫌。行くの」って子供っぽく言って立ち上がった。
僕は絶対に無理しないって約束でひな君に解熱剤を飲ませて、試合会場に向かった。
ひな君は何か後輩に伝えたいことがあるみたいで、少し早めに着いた。
そして、1時間くらいしたとき、圭君から電話があった。
内容はやっぱりひな君のことで、僕は車を降りてひな君の元に急いだ。
ひな君を無理やりおんぶして車に向かっていると、ひな君が徐々に苦しみだした。
「ひな君?どうした?」
「はぁはぁ…」ひな君は軽く発作をおこしたみたいで、息を荒げながら僕の洋服をぎゅっと握っている。
「ごめんね、もう少しで着くからな…」そう言いながら僕は車がある駐車場に急いだ。
僕は車の後部座席にひな君を寝かせて、薬を飲ませた。
しばらくして、少し落ち着いたらしく、ひな君は夢の世界に入っていった。
僕は
「無理するなよ…」そう言いながらひな君の頭をなでた。
ひな君のおでこはかなり熱くて、ここに行かせた僕を少し後悔させた。




