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小1の記憶4~朝日side~

「友~ちゃん」そう言いながらひな君は友ちゃんを抱いて家を出た。

「だから、お前って言ったこと謝れよ」って父さんは僕を叩いた。 

でも、もう僕は怒りで痛みを感じなかった。

「ひな君に手ぇ出さないって約束だっただろ?ふざけるな!!」

「陽斗に手出して何が悪いんだよ。俺らの息子だろ?」父さんはそう言って笑った。

「違うぜ。ひな君はお前らのこと恐がってるんだよ。だから、お前らのこと親だって思って無い!!」

「はぁ?」

「だから、ひな君はお前らの息子じゃ無い。僕の弟だ!!」そう言って僕は父さん。否、目の前の男を睨んだ。

「勝手にしろ!!」そう言いながら、男は僕を多分最大限の力で蹴った。

しばらくは息も出来なかったけど、これでひな君たちを守れるって思ったら、痛みも感じなかった。

僕は立ち上がって生活用品と僕が稼いで貯めておいたお金を袋に詰めて家を出た。


ピンポーン

「はーい。朝日さん!!」もちろん行った先は弟たちのいる圭君の家だ。

「あーくん…」ひな君は僕に抱きついて、泣きじゃくった。

「ほらほら泣かないの。もう僕らに親は居ない。お兄ちゃんが頑張るからな」

「ありがとう…あーくん大好き!」そう言ってひな君は涙を拭いて笑った。


僕はこの言葉を聞くため、この笑顔を見るために頑張るのかもしれない。


「ありがとう。お兄ちゃんも大好きだよ」そう言って泣いた。

僕は弟たちの前で初めて泣いた。

「ごめんね、僕らのせいで…」

「ううん。大丈夫…」そう言ったとき、お腹に激痛が襲って、その場にうずくまってしまった。

「あーくん?ねぇ圭!!」

「朝日君大丈夫?ベッド貸すから横になって」っておばさんが言ってくれた。

「うぅ…ゴホゴホ…」

でも、痛みと安心感で、ベッドに行く前に僕は意識を失った。

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