学校
学校に着くと、朝練終わりの圭が僕を待っていてくれていた。
「圭!おはよう」僕はわざと明るく振る舞ったが、圭は、
「陽斗?お前結構顔色悪いぜ」そう言って僕の荷物を奪いとるように持った。
「えっありがとう…」
正直結構きつくて、荷物を持ってもらって本当に助かった。
<3時間目>
3時間目は国語で、野球部の顧問だ。
僕の体調は悪化していて、頭痛と悪寒までしていた。
初めの方は、ちゃんと黒板の板書をしていたが、吐き気もしてきたので、机にうつ伏せていた。
「じゃあここ読め。うーん、神谷!」って僕?いや、マジで無理…僕の様子に気づいたのか、先生は、
「いや嘘。きつかったら保健室行けよ」って言ってくれた。
斜め前の圭も気づいて、
「おい、陽斗!マジで保健室行けよ。俺ついて行くから…」って小声で言ってくれた。
でも、僕は動いたら吐くかもってとこまできていて、うつ伏せの状態のまま、1時間耐えた。
「陽斗!保健室行くぞ」と、休憩時間になってすぐに圭が来てくれた。
「いや、動いたら吐くかも…」って言うと、
「ちょっと我慢な、トイレまで」そう言って僕を教室の隣のトイレまで連れて行った。
僕はトイレで一通り吐いてから、保健室に向かった。
「圭…ごめんな」って言うと、圭は、
「こんくらい謝る事でもないだろ?」そう言ってくれた。
僕はそれが嬉しかった。恥ずかしいから言わないけど…
「どうしたの?」僕らが保健室に入ると、先生は僕らに聞いた。
「あの、陽斗が気持ち悪いみたいで…」と、僕の代わりに圭が答えてくれた。
「大丈夫?ベッドおいで」そう言われたので、僕はベッドに倒れ込むように入った。
「あなたはもう授業が始まるから教室戻りなさい」圭に言っているみたいだった。
僕は圭にいてほしかったけど、圭の邪魔をするわけには行かないので、
「僕はいいから、戻っていいよ」と圭に言った。
「分かった」そう言って圭は教室に戻って行った。
「えっと陽斗君かな?朝は熱あった?」
「いえ、37,1度だったんで…」
「それは微熱って言わないのかな?」そう言われ、素直に
「はい…」って言うしかなかった。
「熱測って」そう言われたので、僕は脇に体温計を挟んで、ぼーっとしていた。
測り終わったので、表示をみると、38,9を示していた。
そら辛いはずだよな…
「何度だった?」そう言われたので、体温計を渡すと、
「早退してね。誰か迎えに来れる?」そう聞かれた。
(あーくんに迷惑かけちゃうな…)そう思ったから、
「居ません」って答えた。
「じゃあ1時間様子見るから、寝ときな」そう言われて、僕はすぐに夢の世界に入った。




