家
「ひな君。助手席乗って」
「うん」車に乗ってすぐ、息がしにくくなってきた。
「ハァハァ」
「ひな君大丈夫?車乗るのきついよな?」そう言って車を路肩に留めて、あーくんが僕を覗き込んだ。
「ひーな君、イス倒すよ」といいながら、助手席のイスを限界まで倒してくれた。
「ゴホゴホ、だいぶ楽になってきたから家に帰ろう?」あんまり楽になってないけど、早く家に帰りたかったから、あーくんをせかした。
「ひな君ごめんね、立てないだろ?抱っこしていくぞ!」そう言ってあーくんは僕を抱いて家に入った。
僕をソファーに寝かせてから、車の鍵をかけにいった。
「ひな君どうした?具合悪くなっちゃった?」
「うん。多分昨日遅くまで起きてたから…」
「それだな。まー今日は学校休もうか」やっぱり言われてしまった。
「嫌だって言っても行かせてくれないんでしょう?」
「うん。ごめんな、明日万全の状態で行こう?」
「分かった…で友ちゃんは?」って僕が聞くと、
「あっちで寝てるよ」そう言ってあーくんの部屋を指差した。
「大丈夫なの?」
「うん。もう熱はないし…」良かった。あーくんも安心しているみたいだ。
「良かったね」
「そうだな。ひな君ももう一回寝るだろ?」
「うん」
「じゃあ熱測ったら、ここで寝るか?」
「はーい」
ピピピピ
「ひな君何度?」
「36,5度」
「嘘つくのは止めようか、ひな君?」やっぱりばれた。そう思っていると、あーくんに体温計を奪われた。
「38,1度!?結構きついだろ?」そう言ってあーくんは僕のおでこに手を当てた。
「うん…」と正直に言うと、あーくんはスポーツドリンクをついで持ってきてくれた。
「ひな君いる?」
「うん」と僕が言うと、あーくんは僕の体を起こしてくれた。
「ありがとう」そう言ってスポーツドリンクを飲むと、あーくんに抱き付く形で僕は眠りについた。




