あーくんとの約束
「ひ~な君、眠れてる?ってひな君!?」僕は朦朧とした意識のなかで、大好きな人の名前を呼んだ。
「あーくん…ハァハァ」
「ひな君。喋るな!すぐに楽にしてあげるから…」
「ハァハァ…」あーくん?何でいるの?
「ひ~な君。だいぶいい?」
「うん…ありがと。ゴホゴホ」だいぶ楽になってきた。
「ねぇひな君。何でナースコール押してくれなかったの?」やっぱり言われた。
「別に…」
「別にじゃないだろ?お兄ちゃんが来なかったらずっと苦しかったんだよ?」
「分かってる」昨日体験したから…
「もしかして、いつもこうやって耐えてた?」
「うん…」
「ばか…お兄ちゃんいるって。もう少しお兄ちゃんを頼ってよ」
「ごめん…」そう言って泣いてしまった僕を、あーくんは無言で抱きしめてくれた。
あーくんは僕を癒やしてくれるようで、僕は余計に泣いてしまった。
「ひな君、約束して!お兄ちゃんを頼るって。お兄ちゃんに心配かけるって」
「うん。ごめんなさい」僕らは約束を交わした。
「ひ~な君。お兄ちゃんここにいるからもう寝な?」
「いやだ。だって怖いから…」
「発作おこるのが?」
「うん…」
「じゃあお散歩する?夜の病院を…」
「うん!」
「散歩終わったら寝ような」
「はーい!」